新NISA、夫婦で脱税、要注意!
今年に入り「最速で新NISA枠を埋めよう」とささやかれている中、夫婦やカップルでの新NISAの活用について考える方が多いのではないでしょうか。一方で、夫婦でも贈与税は発生するので注意が必要。脱税は絶対にやってはいけません。今回は贈与税が発生するケースを具体的に挙げながら、非課税メリットを最大限教授する方法についてお話しします。
最速で枠を使い切る風習
個人的には賛成ではありませんが、ネット上では「新NISAの枠を最速で使い切ってなんぼ」という空気感ある気がします。投資はそもそも、無理のない範囲で長期的にやるもので、ドカーンと初めて結局退場しちゃうより持続的なやり方で続ける方がはるかに大事です。その前提でお話します!
過去統計的には、確かに枠をなるべく早く使い切ることで運用期間を長くとり、複利の効果、そしてボラティリティを抑えられるという効果を最大限に享受するメリットはあります。長期運用によって市場の変動リスクを抑え、積立投資の長期分散を図ることは、投資の王道的な手法です。なので「夫婦2人分の枠を最大限使っちゃおう」と思うのは自然ですが、だからと言って無理は禁物です。夫婦でも贈与税が発生する可能性があるため、注意が必要です。
今回はこんなシナリオを考えてみます。例えば、夫の方が収入が多く、妻の新NISAの枠が残っている場合、夫から妻への資金移動が許されるのか?を考えてみましょう。
新NISA制度の大前提
新NISAにおける大前提は、個人が自分のお金を自分で運用することです。新NISA口座は1人1口座までと決められているため、複数口座の開設はできませんし、他人名義での運用(「名義貸し」)は禁止されています。これは非常に重要なポイントです。
加えて、夫婦間での資金移動は贈与と見なされる可能性がありますが、年間110万円までの基礎控除があるため、それ以内であれば贈与税の対象にはなりません。ちなみに、ここでいう「資金移動」とは通常の銀行口座から銀行口座への振込みです。
結論:年間110万以内ならOK
したがって、資金に余裕がある夫婦は、年間110万円まで夫婦間で資金を移動し、それぞれの新NISA枠で運用しましょう。この例でいうと、夫だけだったら360万円までしか運用できなかったのが、贈与税がかからない範囲で資金移動することで、夫婦で470万円運用ができるようになりました。
結論としては、「夫婦間のお金のやりとりも贈与税ご発生しうるので、年間110万までに抑える」ということ。
余談ですが、ここら辺はかなり細かいのですが、夫婦間での生活費の移動は贈与にはなりません。しかし生活費として受け取ったお金を貯蓄して、そのへそくりを後で投資に回すと贈与になったり…。ただこれもやり方次第かなぁとは思っており、妻がこれまで生活費に出していた分を、自分の証券口座に回し、夫により多くの生活費を出してもらう、など。ここで記載しているのは、どのラインから税務署が介入するか?という論点ではなく(バレるバレないの問題ではないため)、法律は法律なので、面倒であってもこのような細かい点には注意を払う必要があるということです。
夫婦でクレカポイント最大化
夫婦やカップルにとって、もう一つの賢いお金の使い方として、クレジットカードポイントの最大化があります。先月の法改正に伴い、今年3月からは月10万円までのクレカ払いが可能になるとのことです(ほぼ確定)。月10万払えるよという方にとって、大きい支出になるのでクレカで払ってポイントもらえるのは非常に大きなメリットとなります。
例えば、夫が月に19万円、妻が0円の積立をしていたとします。これを夫婦やカップルで上手く分担することがおすすめです。夫の名義で年間120万円を積立し、残りの108万円(月9万円×12ヶ月)を妻に資金移動し、妻の口座で積立を行います。このようにすることで、夫婦それぞれの口座でクレジットカードポイントを貯めることができ、よりお得になります。
おわりに
今回の贈与税対策は毎月の積立額が多い方に特に有効です。夫婦間で非課税メリットを最大化し、贈与税の枠内でクレジットカードポイントも最大化するための方法として考えられます。
年間120万円を超える場合は、夫婦間でクレカポイントの最大化
年間360万円を超える場合は、夫婦間でクレカポイントの最大化と、110万まで資金移動して非課税枠から使い切る運用
仮にですが、もっと余剰資金がある場合には、贈与税を払った額より、その後の期待リターンの方が上回る場合もあり得ます。例えば、1000万に対する贈与税額は230万程。残りの770万円を、年利5%で10年運用すると、1250万ほどになります。毎年110万の範囲内で資金移動し、ちまちま運用するよりいいかもしれません。ここまでくるとそもそも新NISA枠を超えており、夫婦間の話なのか、親子間の話なのか、一般的なシナリオから逸脱するのと、そもそも人口の何%の方に当てはまるのか…
再掲)どんなブログにしていくの?
改めて、今週からこのブログ始めました、エディです!ここでは、新NISAについて、初心者から中級者に向けて有益情報を発信していこうと思います。特徴としては 「図解で分かりやすく」「データに基づく」そして「1分でわかる知識」を意識していこうと思っています!これまでも以下のような記事書いていますのでもしよかったらぜひ!
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