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実はみんな噛み合ってない⁈ ”イノベーション”

突然ですが!!!

“イノベーション”

みなさんは、この言葉をどういう意味合いで理解して、使っていますか?

こんにちは、INDEE Japanの岡本です。
わたしたちの会社は企業のイノベーションを支援しているのですが、この “イノベーション” という言葉、実はとても使い方が難しい感じる場面が多いです。     
なぜか....というと、一般的に浸透したおかげで色々な方が “イノベーション” という言葉を使うのですが、人によってまあ意味合いが違うので、色々な方と話をする時に使い分けないと会話が噛み合わないということが起きがちになります。

note#5 噛み合わない

お笑いのネタでも、同じことを話しているつもりなのになぜか話が噛み合っていないというものがありますが、まさにあの状態になります!(笑)

今日は、それぞれの立場でどのように “イノベーション” が理解されていることが多いのか、またイノベーションを生み出す組織構成要素はどんなものなのかをお伝えしていきます。

▶役割によって違う “イノベーション” の意味合い

note#5 さまざまな意見

“イノベーション” という言葉を使うことが多い、2つの領域でそれぞれどんな意味合いで使われることが多いのかを軸に考えていきましょう。

ー事業開発関連に携わる方
 事業を立ち上げ、グロースして世の中が実際に変わる

ー人事・人材系をはじめとした側方支援に携わる方
 創造性、場合によっては人生が豊かになる

大きく捉えれば、創造性が豊かになることによって、結果的に事業創出に繋がってはいくので、まあ同じようなところを目指しているように思います。ただ、各担当者のイノベーションという言葉に込めるゴールや願いは明らかに違いそうです。ジョブ理論からすると、各自のジョブが違うということです。
ジョブ理論が分からない!という方は、以下の記事を読んでくださいね。

会社の中でイノベーションをおこすぞ!とみんなが思ったとしても、アプローチがチグハグな感じがしてしまったり、イノベーションカンファレンスを実施してもあらゆる要素が含まれて実態が全くわからないものになりそそうです。

▶ “イノベーション” 実現に向けて必要な要素とは

じゃあ、どうすればいいの?
話しても噛み合ないなら、イノベーションなんておこせないじゃない!!!

たしかに、そう思いますよね⁉ でもそう結論付けるのは、まだ早いですよ!!
前述したように、ジョブは違いますが、それぞれ大きく捉えれば願いは一緒です。なので、そもそも両者が融合した状態というのはどんなものかを整理することが糸口になります。

note#5 イノベーション構成要素

これはイノベーション実現に向けて必要な要素を書き記しています。個人が持っていると良い要素、会社が持っていると良い要素で分け、それぞれ目標軸、能力軸、土壌軸で示しています。緑色は人に、オレンジ色は事業に関連する要素です。
それぞれ細かくみていきましょう。

▶人に関する要素

note#5 色々な人

・自分の興味・関心とつながる(目標×個人)
内発的なモチベーションという観点で言えば、自分の興味や関心と連動している方が駆動力が高まります。また自分や家族に特定の問題があり、その解決策を生み出すような事業開発であれば個人的なメリットも享受できるという視点もあります。やはり原体験が自分のジョブというのは強いです。

・自分の成長やキャリアにつながる(目標×個人)
個々がキャリアを意識する時代ですし、この事業開発を成功させることで次のキャリアの道が開かれるのであれば積極的に取り組みますね。また経営者や起業家になりたいのであれば、社内で近い体験をできるのは大きなメリットです。人によっては出世や高い報酬につながることが大きな駆動力になり得ますが、もはや金銭的報酬というこの考え方自体に世代差や個人差はあるかもしれません。

・自己効力感を持っている(土壌×個人)
目標に対して、自分ならやれると思っている程度が強ければ、もちろん実現可能性が高まります。人は想像できることは実現できるとも言いますし、何より新規事業において全能感は結構大事だと感じます。

・心理的安全性を担保している(土壌×会社)
意見やアイデアの出しやすさはイノベーションにとって大事なポイントです。一見馬鹿げたアイデアから大きなイノベーションは生まれます。もちろんアイデアを磨くためにディスカッションも忘れずに。最初のアイデアを起点にどんどん磨かれます。

・信頼できる仲間がいる(土壌×会社)
一人で全ての能力を持っている人はいないでしょう。やはり補完しあえる仲間の存在は重要です。そのためには金太郎飴的ではなく個の能力を磨き上げる組織能力は必要です。またスキルが補完できれば良いのではなく、お互いの尊敬と信頼を持ち続けられるかが大事です。

金太郎飴的とは...?
<意味>
常に同じ様子であるさま
<類義語>
代わり映えのしない・まったくお決まりの・いつも変わらない・完全にワンパターンな・お決まりのワンパターンな
引用元:Weblio類語辞典

人事・組織開発系のレポートだとこの辺りの文脈が強く主張されていることが多いように感じます。どちらかと言うと良い職場・良い会社ということなのかもしれません。

▶事業を立ち上げる、グロースさせるという結果につなげる上で大事な要素

note#5 新規事業グロース


・具体的な分野を示している(目標×会社)
よく、どんな分野でも良いから新たなアイデアを!という企業もいますが、実際にはこの分野でイノベーションを起こしたいというのがあります。個人の能力が極めて高く、個の突破力を軸にビジネス展開するような集団である場合を除き、会社組織であれば最初に大枠は示した方が有効だと感じます。なんでもよい!と言われて行動に移りやすくなる人もいますが、実際は大枠を示された方が動きやすい人は多いからです。

・目指す目標値が明確である(目標×会社)
事業化と呼ぶにはどのくらいの規模を求めるのかを示すことも欠かせません。シーズやアイデアの段階から数字に拘り過ぎるのは避けた方が良いですが、最終的にはどのくらいの規模を求めるのかは欲しいところです。それを意識してグロースプランを描くからです。もちろん全てが大きな成長につながるアイデアになるわけではないので、個別事業の目標だけではなく、新規事業全体としての目標があると凸凹も含めて投資対効果も見やすいでしょう。目標を具体化することは事業の生存率も含めてどの程度のアイデアを走らせるべきかの目安にもなります。

・事業を起こすためのスキルを持っている(能力×個人)
既存事業で結果を出すためのスキルと新規事業を推進するために必要なスキルは違います。やはり失敗確率を下げるためにも新規事業開発に必要な知識やスキルを身につけておくことが必要です。研修などを行うのも一つの手ですが、人間は新しい知識をどうしても自分の枠で捉えがちなので、分かった気で終わらず、アンラーニング&インストールするために、一定期間の経験学習は欠かせないでしょう。

・事業を潰さないスキルを持っている(能力×会社)
現在、企業でマネジメントをしている方の多くは既存事業の維持・成長・発展に関わっていることでしょう。既存事業の良し悪しを見立てるには知識・経験を多く積んできていますが、新規事業をレビュー・評価する立場になった際には指針となるものがなく困惑したり、良かれと思ったアドバイスで潰したりするケースが散見されます。事業未満の新規事業には特定のコメントを言うべきタイミング、控えた方が良いタイミングがあります。両利きの経営とも言われている通り、今の時代は二刀流でのマネジメントスキルが必要です。

・事例を共有している(能力×会社)
これは組織変革的な視点ではありますが、自社で行われた事例というのは次に挑戦する人への希望の光と道標になります。事例は成功のポイントだけ示しても片手落ちで、失敗例も分析をして伝えることも大事でしょう。意図的に社内広報する設計が必要です。今の事業を高い精度でレビュー・マネジメントできていたり、社員がそれなりに活動できているのは、公式なナレッジか伝え聞いた噂か問わず、様々な事例の蓄積によるものですから、将来そうなるように。

・新規事業開発のプロセスがある(土壌×会社)
これも組織にとっては成功の再現性を高めるという意味合いでとても重要です。事業開発のプロセスについては様々な書籍でも語られはじめましたし、形式知が進んでいると感じます。この知識を経験と共に自社流のプロセスにしていきます。ここで注意しなければいけないのが、元からある自社カルチャーに合わせるのではなく、一般化されたプロセスに自社を合わせるスタンスで臨む方が当面は良いということです。個人と同じでアンラーニング&インストールですね。

▶まとめ

note#5 噛み合う

お伝えしてきた要素が揃った時に事業開発と組織開発の両輪が噛み合った状態なのだと考えられます。
他にもこんなのものあるんじゃない?といったものがあれば是非コメントください!

では、どのようにこの状態まで持っていけばいいのでしょうか?

ビジョナリーで現場まで浸透させる能力を持つ経営と、各項目を積み上げる現場リーダー陣が揃っていれば、一気にこの状態を目指せるのかもしれませんが、そういう変革アプローチはあまり日本企業的ではない感じもします。
どのように目指していくかは今後また書いてみたいと思いますので、お楽しみに!

ではまた次回お会いしましょう👋

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