【知識の引き出しを増やそう!♯1】~ジョブ理論~
5月になりましたね。
みなさんは、“もう” 5月、“まだ” 5月、このどちらの感想で5月を向かえましたか?
「もう!!!! 5月!!!!」と、時の経つのがすごく早いと感じているINDEE Japanの岡本が今日もnoteをお届けします!
“時の経つ早さを感じる”といえば、ジャネーの法則が有名ですよね。生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢に反比例するという理論で、“時が経つのが早く感じる=歳を取ったなぁ” という一般的な考え方はそこからきているんですよね。
このように、理論の全文を覚えるのではなくポイントを正しく抑えて、自分の知識の引き出しにストックしていくことで、人と話すとき・仕事でアイディアに詰まったとき・自分のライフスタイルを豊かにしたいときなど様々な場面で人生の先輩たちや専門家たちの知恵を生かすことができます。
ビジネス理論を超解説するこのシリーズを通して、一緒に知識の引き出しを増やしましょう!!
シリーズ第一弾は “ジョブ理論” です。
▶ジョブ理論って何?
ジョブ理論とは、人がどのようなものを買い、どのようなものを買わないのかを説明する理論です。
代表的な特徴は、以下4つです。
①ある特定の状況で人が成し遂げたい進歩を “ジョブ” と呼ぶ
②消費とは “ジョブ” を片づけようとして、特定の製品やサービスを“雇う”ことである
③人は置かれた状況によって何を “雇う” か左右される
④ “ジョブ” には機能的な側面だけでなく、感情的、社会的側面がある
著者クリステンセンがイノベーションの研究をしているときに、製品の特性ではなく、顧客の状況と顧客が片づけるべきジョブが新しい製品が消費されるかどうかを決定づけていることを発見し、理論化されたものです。
ちょっと難しいですね・・・・。少し例えで考えてみましょう。
あなたは、ランチを取る暇もなく、毎日早朝5:00~深夜0:00まで働き続ける忙しいシンゴ君です。ブラック企業だー!などの話はここでは置いておきます。(笑)
朝の7:00、眠い目をこすりながらトイレに行って鏡を見たら、なんと髪の毛がボサボサで伸びきっています。
「これからまだ仕事が詰まっているし、今日は商談もあるんだった!!!!今日は40分ぐらいしかスケジュールに空きがないよ!」
さて、ここで問題です!
Q. このときのシンゴ君の “状況” と “片付けたいジョブ” はなんでしょうか?
A. すごく忙しいけど、伸びてボサボサでだらしなく見える髪の毛を早く整えたい
B. すごく疲れているので、サービスの良い店でゆっくりリフレッシュしたい
A.Bどちらだと思いますか?
正解はAです。
シンゴ君の発言を見ると、今日も忙しくてこの後まだ仕事が詰まっていること・商談もあることが分かります。
そうすると、伸びてだらしなくなった髪を整える必要がある・スケジュールの空いている40分で、というのがシンゴ君の状況とジョブです。
第2問!
Q. シンゴ君は、どちらのお店を “雇う” でしょうか?
A. 選べるドリンクサービス、雑誌にも載る人気店、会社から徒歩15分のお店
B. シンプルなメニュー、施術スピートや客の回転が早い、会社から徒歩3分のお店
A.B どちらか分かりましたか?
正解はBです。
どちらのお店を “雇う”(=選ぶ)かは、あくまでも本人が、その状況において目指していることに適した解決策であるポイントが重要です。
▶“ジョブ” って “ニーズ” とどう違うの?
わたしが最初 “ジョブ” を知ったとき、それって “ニーズ” とどう違うんだろう?と思ったのですか、みなさんはどう違うと思いますか?
まず “ニーズ” とは、顧客が商品に向ける関心や行為などの現象で使われることが多いようです。人の消費行動が表面化し、商品やサービスに向けられた状態を “ニーズがある” と呼んでいます。“潜在的ニーズ” という使い方がされるときには “ジョブ” と近い概念かもしれません。
一方で、“ジョブ” はニーズが生まれたり(生まれなかったり)する源泉です。 “ニーズ” の対象である製品がなくても存在しますし、目にすることができます。
人は “ジョブ” を解決するために製品を雇う結果を、私たちは “ニーズ” があると呼んでいます。そのため、新商品や新規事業を考える上では必ず顧客の “ジョブ” を捉える必要があります。 “ニーズ” ばかりを見ていたのでは、結果論になってしまいます。
▶“ジョブ” って “インサイト” とどう違うの?
“インサイト” は、顧客に対する深い洞察のことで、簡単には手に入らない情報のことです。把握しにくいという点では、“ジョブ” も “インサイト” 大事な顧客情報という点で同じですが、下の図からも分かるとおり少し解像度が違う概念です。
▶どうやって使うの?
ジョブ理論は、従来のマーケティングが重視していた、性別・年齢・年収・住所・職業などのデータを重視しません。どのようなモノを買うのかということと、年齢などのデータには因果関係はありません。
そのため、ジョブ理論を活用するためには、従来のデータマーケティングから一歩身を引いて、顧客が置かれている状況や目指している進歩を捉える必要があり、そのメソッドを身に付けるために一定の訓練が必要です。
このメソッドを私たちは “JOBSメソッド” と呼んでいます。
INDEE Japanでは、新規事業のテーマ創出、新商品のコンセプト立案、新しいマーケティング提案やサービスデザイン、スタートアップの立上支援などにJOBSメソッドを活用しています。また、マーケティング調査会社と提携し、ジョブ調査も行なっています。
noteでも少しづつ、どんなものなのか詳細をお伝えできればと思います。
▶もっと知りたい場合は、
著書では、クリステンセン著『ジョブ理論』、『イノベーションへの解』がオススメです。
『ジョブ理論』日本語版は、弊社の取締役 津田真吾が書いています。
(2018年3月21日加筆)『「ジョブ理論」完全理解読本 ビジネスに活かすクリステンセン最新理論』を発刊しました。
WEB記事でしたら、Biz/zineにて連載していますし、各種セミナーやワークショップも不定期ですがINDEE Japanにて開催していますので、ときどきホームページも見てください!
▶最後に、
今日は、ジョブ理論についてお伝えしましたが、少し理解していただけましたか?
これからもnoteで “ジョブ” については触れる機会が多いので、根本的な考え方は是非覚えていてくださいね!
ではまた次回お会いしましょう!