【わたしはマララ】 読書#128
みなさん、いつもお世話になっております!
本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。
自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!
今回は、マララさんの自伝的一冊です。
教育についてと言ったらいいでしょうか。
全ての子どもたち、特に女の子たちに平等な教育を訴えている方です。
ヘッダーは、KitaSanさんの作品を使わせていただきました!
ありがとうございます!!
目次
基本情報
マララ・ユスフザイ+クリスティーナ・ラム(著)
学研パブリッシング 出版
2013年12月17日 第1刷発行
全429ページ
読書所要期間9日
本書は、バリューブックスさんで購入しました!
私が本書に出会うきっかけ
みなさんは、著者(マララ・ユスフザイ氏)をご存知だろうか?
まず結論から言えば、
「彼女のことをもっと知りたい!」
と考えて手に取ったものだ。
子どもも大人も、彼女のような主体性をどのようにしたら育むことができるのか?
しかも、結果として命を賭けてまで。
「主体性」は、今の日本全体のテーマだと思っている。
誰かが何かをやってくれる。
やるのは自分でない。
それで何かが変わるのか?
全てが今のままでいいのか?
何かを守ることができるのか?
何かを守ることを、誰かに任せきりでいいのか?
この辺が私の関心事であり、著者から学びたいことだ。
私が思う、この本の本質
本書は、著者(以下、全てマララ氏を指す。)自身のこれまでの人生を振り返るということがメインとなっている。
・生い立ち
・国の状況
・受けてきた教育 など
彼女は、どういった人物か?
その背景には、何があるのか?
といったことを通じて、
・彼女が結果として命を賭して取り組んだものを知り、
・なぜ取り組んだかを知り、
読者に何かしらの気づきを与えようとするものだと私は捉えている。
私が感じたこと
「あたりが明るくなると、また勇気が湧いてくるんだ」
著者の主体性は、間違いなく父から学んで培ってきたものが一つの大きな要因であると確信した。
父は、パキスタンにおいて子どもたちの教育など、あらゆる分野で力を注いできた人物。
父もまた、著者と同じく命を賭けてそれらに取り組んできたのだ。
命を狙われる存在となってもなお、闘い続ける。
夜は特に危険だ。
それでもまた朝には立ち向かっていく。
それを表しているのがこの言葉だ。
勇気の方が優ったから、父はあらゆることに立ち向かい、そして勝ってきた。
朝日は、勇気を運び、力をもたらす。
朝日は、モチベーションとパワーの源泉だったのだろう。
私たち人間は基本的に、どんな境遇であれ、そうした性質を持っているのかもしれない。
夜はネガティブなことを考えがち。
1日の疲れが蓄積する時間帯であるということもあるだろう。
朝目覚めれば、また新たな気持ちで、「なぜあんなことで悩んでいたのか」とリフレッシュできることもあるだろう。
朝の力を借りない手はないと、私は感じている。
マルティン・ニーメラーの詩集
正直私は存じ上げないが、著者の父のポケットにいつものこの方の詩集が入っていたそうだ。
ナチス政権下でドイツに暮らした方だそうだが、その内容があまりにも衝撃的だった。
全容は、ぜひ本書をご覧いただくか、その詩集をお調べいただきたいと思うのだが、本書に書かれている詩は、
「声をあげて動かなければ、結局何も変わらないどころか、自分の命さえ危ぶまれるとき、誰も助けてはくれない」
ということを、とてつもなくわかりやすく、しかしセンセーショナルに表現されている。
本書中たった12行だが、著者の父の大切にしていることが端的に理解できる気がする。
そしてそれが著者へとしっかり受け継がれていると感じる。
パキスタンの人々の受け止め
著者及びその父は、パキスタンの方である。
著者とその父は、パキスタンの人々のために闘ってきた。
本書は、著者が2013年に国連でスピーチするところまで描かれている。
その後、2014年にノーベル平和賞を受賞された。
ノーベル賞受賞段階でのパキスタン市民の反応はわからないが、本書では国連スピーチ後の人々の受け止め方が描かれていた。
それがなんと、非難だったそうだ。
(もちろん、全てではないだろうが・・・)
パキスタン市民のために命を賭けて闘ってきたのに、その市民に非難される・・・
にわかには理解できないこの構造には、深く大きな理由がある。
これについても本書で描かれている訳だが、著者はガンディーやキング牧師などから学んだことを実践されている。
それは『非暴力』だ。
キング牧師については、以前私も1冊書いている。
↓↓
ガンディーについては、まだ読んでいないが「獄中からの手紙」を積読している。
そして、私の大好きなコテンラジオでも、ガンディーのシリーズがある。
私はすでに、何周も聞いている。
先ほどから何度も「命を賭けた」と書いてきたが、著者は要するに武装勢力により銃撃され、生死の境を彷徨うことになる。
なんとか一命を取り留め回復していくのだが、それでも襲撃した犯人を恨んでいないという。
まさに非暴力の考え方だ。
私にそんなことができるのか・・・
多分、無理だ。
タリバンという存在
本書を構成する上で、著者に並ぶ、いやそれ以上に重要な存在と言えるだろう。
この存在が、彼女をここまで注目させたとも言えるのだろう。
良くも悪くも。
別な観点で注目を集めた、あるいはこの先集めるのかもしれないが、少なくとも本書のきっかけであることは間違い無い。
タリバンとは一体なんなのか。
これを理解するのは、私にとって非常に難しい。
本書は、これを理解する上で確実に有効な手段の一つであることは間違いないのだが、なかなかにわかに全体を掴むことが難しいと感じている。
本書を通じて間違いなく言えることは、
「非政府の軍事組織」
これが私の今の最大の理解である。
・政党?
・宗教組織?
・その他の機関?
宗教については、多分にその影響を受けているのだろうが、宗教団体を標榜しているのかどうか、私はちゃんと理解できていない。
さらに、
「どうやって運営しているのか?」
つまり、
・組織体制
・資金面
・拠点の有無
・その組織の目標
など、私にとっては不明なことばかりだ。
この辺は、まだまだ勉強していきたいと思う。
むすびに(まとめ)
平たく言えば、著者の自伝である。
しかしなが、
・女性蔑視の社会
・そこを起因とした教育機会の不均衡
・パキスタンで産まれた彼女を取り巻く宗教社会
・不安定な政治、社会情勢
・それでも闘い続ける著者達家族
こうしたことが描かれる。
つまり本書は、著者のこれまでの人生を通した
・ジェンダー論
・教育論
・宗教論
・地政論
・政治論
・戦争論
・家族論
・モチベーション論
と言った様々な観点を与えてくれるものだと私は受け取った。
以上です。
ノーベル平和賞受賞後、彼女はどのように暮らし、活動されているのか調べましたが、あまり有力な情報をつかめませんでした。
確からしい情報としては、どうやら2021年にご結婚されているということ。
おそらくあらゆる場面で、子ども達の教育と、世界の平和のために活動されていることでしょう。
そんな彼女に、この場をお借りして最大限の敬意を表したいと思います。
本日も、ご覧いただきありがとうございました!!