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【子どもまちづくり型録】 書評#63

みなさん、いつもお世話になっております!
本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。

自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

今回は、子ども主体のまちづくりに関する本です!

※書影(画像)は、版元ドットコム様から頂戴しています。いつも、ありがとうございます!


基本情報

木下勇・寺田光成(編著)
鹿島出版会 出版
2023年6月30日 第1刷発行

全246ページ
読書所要期間2日

私が本書に出会うきっかけ

本書は、私が仕事上お世話になっている先生方が書いたものである。
本書が出版されると聞き、すぐに購入した。

これまで子どもの権利に関する本を紹介してきたが、要するに私は本書にあるこうした取組みにつなげるために、いろいろと情報収集をしているということが言える。

ど直球の(子どもの権利に関する)私の記事としてはこんな感じ
 ↓↓↓

この本の本質・言いたいこと

一言で言えば、子どもの権利の実現、具現化するためのもの!

ひととひとの関係づくり、場づくりによる「子どもが育つまちづくり」をどのように進めたらいいのか?
この問いに応えるべく、具体に想定される取り組み事例107選カタログのように知る・調べることができる構成となっている。

第1部が理論編、第2部がカタログ編となっている。

ちなみに最後の108個目は、自分自身で作り込むことができる仕様。

私が感じたこと

1点目 〜カナリヤが鳴いている??

「カナリヤが鳴く」ということは、いったいどういったことを示すのか。
それは、危険が差し迫っている合図といういわば比喩表現である。

かつて炭鉱などでは、ガス漏れなどを早期に察知するため、現実にカナリヤを飼育していたようである。
先の戦争中などは、私の住む北海道の炭鉱から採掘される石炭にエネルギーを依存していたため、どこの炭鉱にも飼われていたという描写が、この前に読んだ本(#60・61戦後70年北海道と戦争 参照)にもあった。

今、日本で子どもの外遊びが激減している。

私の住む地域でも、何年か前にアンケート調査が実施され、結果は当然のように例外ではなかった
仮に外で遊んだとしても、みんなでTVゲーム(今テレビゲームとも言わないのか?持ち運べるから。わからないw)をするために公園に集合するといった具合である。

果たして、
今の子どもたちにとって外遊びとはいったいどういった存在なのか?
今の時代、外遊びは不要なのか?
本人たちが望んでいないのであればそれで良いのか?

この辺りを解き明かしたいと、今、私の住む地域の有志の方々が動き始めている。

私の住む地域でも、カナリヤは鳴いている。
現在進行形だ。

2点目 〜群れで育てる

ホモ・サピエンスは原始、群れの中で子どもたちを育んできた。
これについては、「サピエンス全史」の中でも明らかにされている。

つまり、ひととひとの関係性の中での相互作用により育まれてきたと言うことができる。
本稿では少し簡単に書いているが、これを「社会関係資本」(ソーシャル・キャピタル)と捉えることができるだろう。
(社会関係資本については、#27参照)

『自助・共助・公助』

この考え方でいけば、昨今各家庭に育児を押し込めてプレッシャーをかけているという指摘/見方がなされる場合がある。
つまり、自助が社会から強制しているという考え方に立つことになる。

だとするならば、そんな今だからこそ、地域のコミュニティによる共助と、ここにもなかなか馴染めない方など幅広い方を対象とする公助

この3つをそれぞれ役割分担して、お母さん・お父さんなどの保護者の方の負担を低減・分散させることが、子どもの育ちにとっても、人口減少社会においても非常に重要なのだと感じている。

家庭での子育て・教育も重要。
しかし、地域が、地域の人々が向ける眼差し差し伸べる手が現代版における「群れ」が子どもたちの育ちを支えるためには欠かせないとい言うことができるのではないだろうか。

その点で、これまでの日本社会における自助による子育てへの同調圧力があったとするならば、これまで家庭で孤独に我が子を育ちを支えてきた全ての先輩に対し、心から敬意を表したい。

今まさに子育て世代である人間の一人として。

3点目 〜まちが育つ

本書では、視座の高いとても素敵な考え方が示されていた。
それが、この『まち”が”育つ』

子どもをまち全体で育てるというよりは、子どもの育ちをまち全体で支える仕組み。
そのまちが、子どもたちにとって”やさしいシステム”へ生まれ変わっていくプロセスと結果が、この言葉の意味なのではないかと考える。

ただ単に、まちにあるリソースをつくる・活用するだけでは、
「まち”で”育てる」
「まち”で”育つ」
せいぜいこうったレベルである。

まちの中に、子どもに関心を寄せる人々の輪を広げ、最終的には子どもたちとともに大人たちも学び育っていく姿をこの言葉で描いているのである。

むすびに(まとめ)

『まちが育つ』その姿が、子どもの権利実現の究極のカタチなのかもしれない。

保育園での子どもたちの元気な声が、騒音問題となる社会。
会議や研修会などイベントの場や、公共交通機関の中で
「しーっ!!」
「静かにして!!」
と保護者が言わなくてはならない社会。

私は、これらの”ない”社会を目指す一個人として在り続けたい。


以上です。

いつもこの『本』シリーズは、だいたい2,000文字程度を目安にしていますが、なぜか今回は「気にせず書こう!」思っていました。

なぜそう思ったのでしょう・・・
きっと、子どもたちと一緒に暮らす立場だから、仕事上も子どもたちに関わる立場だから、ジブンゴトとして強く意識したからだと思います。

おかげさまで、いつもより20%増しくらいでお届けしましたw

長文となりましたが、本日もご覧いただき誠にありがとうございました!

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