【92歳の現役保育士が伝えたい親子で幸せになる子育て】 書評#34
みなさん、いつもお世話になっております!
本日も、私の投稿の軸とする一つ「本」に関する第34弾を書かせていただきます。
自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!
今回は、タイトルにもあるとおり「子育て」に関するものです。
タイトルや表紙がとても素敵ですよね!
それだけでなく、中身ももちろん素晴らしいので、これをお伝えすべく一生懸命書かせていただきたいと思います。
※書影(画像)は、版元ドットコム様から頂戴しています。ありがとうございます!
基本情報
大川 繁子(著/文)
実務教育出版 出版
2019年9月20日 第1刷発行
全206ページ
読書所要期間2日
私が本書に出会うきっかけ
私のモーニングルーティーンの一つは、新聞を読むことである。
その新聞の下にある広告に本書が掲載されていた。
えっ!? 92歳で現役??
そう思った瞬間、もう携帯でポチッとしていた。
この本の本質・言いたいこと
私の注目したポイントは、「92歳で現役」
どうしたらそこまで頑張れるのかということが最も気になった。
正直、保育観については古き良きものを伝えるというアーカイブ的スタイルの本になっているのだろうと思っていた。
ところが、それは全くの大間違いでむしろ『逆』!!
『いかに子どものことを考え試行錯誤し、アップデートしていくか』
そして、この思考の根っこには、
「子どもと大人が対等な関係」
があり、これを希求する中で見出された、
「その子に応じたサポートの仕方」
に関するアドバイスが示される内容となっている。
私が感じたこと
1点目 〜モンテッソーリ教育について
自由教育・早期教育・優秀な人材を育てる教育 ・・・
今流行りの、なんだかすごい教育手法というのが私の持つイメージだった。
モンテッソーリ教育に関する本は巷に溢れているが、私は正直これにあまり興味を持ったことがなく、一つも読んだことがなかった。
著者は、「すごい人」を育てるというものではないと言っている。
一人ひとりの持てるものを伸ばす。
その意味では、ある種普通の教育という感覚を持って著者は子どもたちと接していると感じた。
当たり前のことを当たり前に。
そう教わった気がする。
でも、現実の子育ての場面では、それが結構難しいw w w
2点目 〜子育ての”常識”とは、いったい何か?
「これをすれば、子育ては上手くいく」「みんなやって、成功している」
みたいな子育て本が巷にはたくさんあるのではないだろうか。
そういった本も確かに必要である。
辛くて、苦しくて、そう言った言葉にすがりたくなる。答えが欲しくなる。
でも、それらに書かれていることは、その子にとって正解かどうかはわからない。
そういえば、
「あの本に書いてあったこと、試しにちょっとやってみようかな?」
そう思って、やってみて、
少しでも気持ちが楽になれらたそれでよし!!
全部を完璧にする必要なんて全くなし!!
これを著者は明確に伝えてくれる。
要するに常識とは、みんなと共有される基本的なものではなく、
その人それぞれであること=そもそも存在しない
ということが言えるのではないだろうかと感じた。
3点目 〜「教育ほどおそろしいものはない」
本書P31-32の部分。
ここでは、
・著者が保育者を志した理由
・教育の本質
・子どもの権利の核心
・民主主義の根本
といったものを、ご自身の経験をもとに表現されているパートだと感じた。
若かりし頃の著者が過ごした時代、それは戦時中。
そうした時代を生き抜いてきた著者の言葉は、アラフォーの我々のような世代にはリアルではないが、しかし、とてつもなく重みがあり、説得力をもつものであった。
4点目 〜「評価しない」
本書P80-83部分。
これは、私にとって本当に気をつけなければならないと思っている。
私は、子育てや職場の後輩に対してなど、「すごいね!」「えらいね!」といった類の言葉がついつい出てしまう。
使わないようにしたいと思いながら、とっさに使ってしまって一向に治らない。。。
人と人、子どもと大人は、本来対等である。
一方で評価とは、上から下の者に対して行われるものであるとするならば、本来評価の対象とはなり得ないと考えられる。
とすると、私の中で新たな問いが生まれる。
それは、学校や職場などにおいて行われる評価に対して。
・そういった場面では、人と人の関係性は対等でないのか?
・そういった場面での評価は、そもそも必要なのか?
これに対する私の答えは、
・”双方”が対等に評価し合うことで、互への良い”フィードバック”となる。
これが子育てにおいても同じということを、著者に示唆していただいた気がした。
4点目 〜「せねばならぬはただひとつ」
本書P184-186の部分。
生理的欲求を満たすことについてはさておいて、著者はたった一つしかないと言っている。
これは、薄々というか、きっとその方がいいんだろうんなぁと私自身も思っていたが、「それだけはダメ」と改めて言われると、身が引き締まる思いである。
そのたった一つのこととはいったい何か?
ぜひお考えいただき、本書で答え合わせをしてみていただきたい。
むすびに
本書は、エッセイ集のような感じと言っても良い。
著者が、一編一編をやさしく語りかけてくれているかのようである。
さて、冒頭に書いた、私が本書を読む前に思ったこと、
「どうしたらそんなに頑張り続けられるのか」という問いに対しても、著者はあとがき直前の2つの項目の中で答えてくれている。
これを表す極めて象徴的な言葉を引用させていただき、むすびとしたい。
余談
いつもは大体1000字から2000字を目処に書くようにしているのですが、今回は2500字に迫る勢いです。
4人の娘たちの成長に立ち会うものとして、そして成長盛りの一人の人間として、とても感じることの多い一冊となりました。
きっと、皆さんにとってもみのりの多いものになると思います。
本日も、誠にありがとうございました!