Web活用で「成果の差」はなぜ生まれるのか?
ぼくは長野県で地方BtoB企業様のWeb活用支援をしています。支援を始めて1年で目覚ましい成長を遂げる企業もあれば、なかなかブレイクスルーできない企業もあります。このnoteはWeb活用支援をやりながら「成果の差はなぜ生まれるのか?」と考え続けたまとめです。
「成果の差」はなぜ生まれるのか?
この違いは単純に活動量の差です。1年で成長する企業はそうでない企業と比べて5〜10倍の活動をしています。コンテンツ制作でも、ダウンロード資料作りでも、顧客に提供するサンプルの企画・作成やWebセミナーの開催でも。そして、それらを顧客に案内するメール配信量でも。
Web活用の立ち上げにおいて活動量は重要なファクターです。車のガソリンとも言っていい。活動していないから成果が出づらいのは当然の帰結です。
Web活用にはある程度の定石があります。それを車に例えるとしたら、A社もB社も乗っている車はそんなに変わりません。定石ですから。同じ車に乗っているA社とB社で成果に差が出るとしたら、その車を動かすためのガソリン量です。満タンなら遠くまでいけるけど、1ℓしか入っていなかったら街からも出れません。当然ですよね。
行動量(アウトプット)の重要性
才流の代表である栗原さんもインタビューで下記のように言っていました。
なぜ活動量に差が出るのか?
Web活用の成果が出ない大きな原因として「活動量が少ないから」はどうも明確なようです。だとしたら、「何で活動量が少ないのか?」「なぜ企業によって活動量に差が出るのか?」を考えるようになりました。
活動を構成する最小単位は顧客スタッフの行動です。「活動量が少ない=行動量が少ない」とも言えます。
だから、Web活用支援を続けていく中で、「どうやったら行動量が増える組織になれるのか?」「スタッフの行動を阻害する組織圧力は何か?」を考え続けるようになりました。個人的にとても重要にしている問いです。
「行動する」とはどういうことか?
この問いを考え続けていたら、孔子の有名な言葉に出会いました。
そうだろうなあ…と思わせてくれる孔子の言葉です。「好きこそものの上手なれ」に似ていますが、もう一歩その先のことを示しています。
「知識があっても、好きな人には及ばない。好きな人であっても、それを楽しんでいる人には敵わない」という指摘は仕事でも通じそうです。特に、何かしら新しいことを始めたり、新しいことを学ぶ必要がある時には。
多くの地方BtoB企業にとって「Web活用で事業の成果を出す」という施策は新しい取り組みなはずです。だとしたら、この孔子の指摘は真剣に向き合う必要があります。
「好き」と「楽しい」の違い
それでは「好き」と「楽しい」の違いは何でしょうか。
「好き」は何かを見たり聞いたりしている時で、つまりは対象が外にある場合の心の動きと言えそうです。音楽を聴いたり、スポーツ観戦をしたり、好意をもっている誰かを見たり。
一方、「楽しい」は自分が何かしらの行動をしている時の感情なんですよね。楽器を演奏したり、お喋りしたり、絵を描いたり、サッカーをしたり。つまり、Playの最中に感じる心の動きです。
孔子の教えを今の言葉に置き換えると、下記のように言えそうです。
この考え方をビジネス用に一歩進めると、「楽しむためにはPlayしやすい環境作りが重要」と捉えることができます。
Web活用の大きなボトルネック
地方企業のWeb活用の大きなボトルネックは「テキストが書けないこと」です。書けない問題の根っこには「間違えたら怖い/炎上したら怖い/上司や経営層に怒られたら怖い」という恐怖心があります。書けない企業の多くがそうで、これはその企業独自な社風や文化といってもいい。
企業のアイデンティティや文化は大切なことです。でも、これって「楽しむ」と真逆の状態なんですよね。情報発信やテキストを届けることをとにかく怖がります。近年まで「書くこと・外部にコンテンツを届けること」の必要性がなかったから仕方がないのですが。
その解決のため、ぼくはいつも「質より量」「書きまくること」と言い続けてますが、それも書くというPlayの中でしか得られないものがあるからです。いくらTIPSを集めても書かなければ書けるようになりません。書かなければ「楽しむ」に到達できないし、何より「恐怖」から脱却できません。
マインドを変えるために有効なこと
恐怖から脱却するということは「マインドを変える」とも置き換えられますが、これが難しい。人の気持ちの変えるために有効な方法論をご存知ですか?ぼくは知りません。すみません。
方法論を知らないので、ぼくが提案できることは「行動を変えましょう」ということだけです。行動を重ねていくなかで、気持ちが変わってくるということは経験上あります。だから「まず書くこと」がWeb活用の初期段階においてとても有効です。
つまり、何かを新しく始めるときは、やる(Play)を優先する。やるから好きになる。好きになったら楽しめる。楽しめると行動量が自然と上がる。行動量が増えるとスキルが身につく。この循環です。この循環を社内で作れるように環境を整えるのが上司の仕事だと思っています。
上司が意識を変えなければ社内環境は作れない
また、「部下が書いたら上司は褒めること。重箱を突かないこと」「まずは上層部が書くこと」も言い続けています。これも、「楽しむためにはPlayしやすい環境作りが重要」と思っているからです。
Playしやすい環境作りが上司の仕事です。書けない地方企業にとって重箱つつきなんて弊害しかありません。細かいチェックや執拗な指示出しが上司の仕事だと思っていたらすぐ止めた方がいいと思います。特に上司であるあなたがコンテンツをひとつも書いていない場合は。少なくとも、「書けない問題」への課題解決に貢献していません。
Webを活用したいがコンテンツを書ける人がいなくて…と悩む地方企業様は「まずはPlayしやすい環境を作ろう」という視点から取り組むことをお薦めします。最初から完璧なんて絶対求めないこと。そんなものはないし、できません。Playしやすい環境を作って、仕事を楽しめる社員さんを増やしましょう。
続けるための「社内環境づくり」が必要
「とはいえ、どうすればいいのか…」と悩む地方企業様は多いと思います。まずは取り組んでみることが重要ですが、最初から高いハードルを設定して続かないケースが多いです。躓かないためには「続けるための社内環境づくり」が必要です。
詳しくは『書けない地方中小企業のための「10の社内ルール」』というnoteにまとめています。よかったらご覧ください。
社内の評価制度も改善する必要がある
「書ける人が社内にいない」という問題をもっと正確に捉えると、本当は「得意な人を知らない」が核だったりします。社内の誰が書けるのか?文章が得意な人、取材が得意な人、はたまたSNSが得意な人は誰か。おそらく多くの企業はそれらの特性を把握していません。なぜなら、これまでの評価制度では対象外だからです。
組織運営の点からみると、「社内リソースが見つからない=今の評価制度では適性がわからない」になると思います。詳しくは『社員評価制度の「穴」を埋めないと企業SNSやコンテンツ作りは難しい』に書いていますので、よかったらご覧ください。
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