『ライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論』(千葉雅也、山内朋樹、読書猿、瀬下翔太/星海社新書)
コインランドリーで洗濯しながら読みました。
めちゃくちゃ面白くて、ぼくには珍しく付箋だらけになってしまった。「書けない」について、こんなに寄ってたかって白状している本は珍しい。
ライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論
版元の紹介文を引用します。
正にそんな内容の本でした。
地方の中小企業に務めつつ、「書かなきゃとは思ってるんだけど、書けない」と思い続けている全ての人に超おすすめです。
「書かないで書く」
「諦めを知る。断念が大事」
「もっともっとの幼児性を自覚する」など
だよね!の感覚に溢れています。
付箋を貼った箇所を引用
「書くこと」がもつ妄想からの離脱
『ライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論』は書くことに慣れていない方、書くメカニズムに思いを馳せたことがない方、ロジックばかりで実践をしない方、コンテンツ作成が重要な業務になったとなかなか思えない経営陣は必読じゃないでしょうか。
「書くこと」がもつ神聖さ、完璧さ、正しさ、規律性がほぼ根拠のない妄想であることがよく分かると思います。そして、その妄想は「書かない人」により強い。つまりは実際には書かない上司や経営者ですね。その妄想はWeb活用の際に大きなボトルネックになります。
それらの妄想はWeb活用において本当に邪魔です。まず書く。怖くても書く。最後まで書く。自分の不完全さを認める。諦めを知る。今はここまでしかできないと決める。断念する。完璧なものを書こうと思わない。メモと原稿を区分しない。メモのように書く。とにかく書く。言葉を発するように書く。
もちろん、それには「勇気」が必要です。まずは檻の外に出る。最後まで書く。 自作の檻に閉じこもっているのは安心・安全だけど、何も起こらない。どんなことであれ、自分で外に出なければ何も起こらないし、自分で外に出るためには、自分で勇気を構築しなくてはいけない。部下に命じる上司は特に。
この本は「書けない」ことをテーマに、結論的には「勇気」を扱っている。と書いたら、「なんじゃそりゃ!21世紀に勇気かよ!書き方指南じゃないのかよ!」とツッコミが入りそうですが、ぼくはそう読みました。どんなことであれ、自分のことは自分で始めなくてはいけないし、何かを始めるにはやっぱり勇気が大切です。最初はほんのひとつまみでも。
個人的には読書猿さんの下記一文をこの先何回も思い出すだろうと思いました。
自分の不完全さを認める「諦めと断念」が勇気の背中を少しだけ押してくれるはず。ぼくはこの本をそう読みました。
『ライティングの哲学』はWeb活用しなくては…と思っている地方企業は必読だと思います。「自分のできなさ」を認めるところから始めるのがWeb活用においては超重要なので。ぜひご一読ください。
蛇足1:ハラヒロシさんに読んでほしい
個人的には、年360本のブログを10年書き続けたデザインスタジオ・エル代表のハラヒロシさんにぜひ読んでほしいと思いました。
ハラさんの10年はこの本に描かれた試行錯誤とかなり重なりそうだなあ…と勝手に夢想しました。ハラさんがどう読むか、個人的に興味深いです。
蛇足2:コインランドリーで読むと妙にしっくりくる
それにしても、この本はコインランドリーで読むのにとっても相応しかった。何でだろう。説明できないのですが、ベスト・オブ・コインランドリー本でした。面白かったです。
地方の中小企業で「書けない」人のために
既に書ける人の「書けない」はまだいいのですが、「書けない人」の「書けない」は地方中小企業のWeb活用において大きな課題だと日々実感しています。
note『書けない地方中小企業のための「10の社内ルール」』を以前書きましたので、思い当たる方は良かったらご覧ください。
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