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映画「なまず」「プアン/友達と呼ばせて」を観た

最近観た映画「なまず」「プアン/友だちと呼ばせて」があまりにも良かったので、ただただ個人的な感想を書きたいと思う。

韓国映画「なまず」

STORY
看護師のユニョン(イ・ジュヨン)は、自分と恋人ソンウォン(ク・ギョファン)の恥ずかしい姿が映ったレントゲン写真が流出した…と誤解。イ副院長(ムン・ソリ)は写真の主がユニョンと決めつけ、自宅待機を命じる。その頃、シンクホールが出現する怪現象が発生。無職のソンウォンは埋め戻し工事のおかげで仕事にありつけたが、職場で大切な指輪を紛失してしまう。ソンウォンは言えない過去を持つ同僚を疑い、ユニョンは見え透いた嘘をつくソンウォンを疑う。ユニョンを癒してきたなまず(声/チョン・ウヒ)は、病室の水槽からそんなゴタゴタを見つめていた―。

映画『なまず』オフィシャルサイトより

映画館でチラシを手にとった日から上映を心待ちにしていたのだけれど、想像以上に好きな映画だった!

アーティスティックな画角やポップな色彩、なんだか妙な登場人物たち。コミカルなキャラクターと奇妙な出来事、なまずの視線。上映中は頭にいくつもの?が浮かんだし、ラストシーンも驚きで『えっ!』と思わず口に出しそうになった。

だけど、観終わったら不思議な爽快感があった。

不安だらけの世の中で疑心暗鬼になってしまうこともあるけれど、人間関係ってそういうものなのかもなと感じた。他人が何を考えているかなんて分からないし、その人がどんな人生を送ってきたかなんて知りようもない。100%信じるというのもなんだか不健康な気がするし、しょうがないよなぁと思った。

劇中に登場する印象的な言葉があるのだけれど、詩人リュ・シファの言葉なのだとか。思い当たることばかりでハッとしたし、これからも事あるごとに思い出し大事にしていきたい言葉だ。

しかしながら、家に帰ってパンフレットの監督インタビューを読んだら驚きの連続だった…この映画は社会問題をいくつも投影したストーリーだという。見ていてほんのり違和感を感じた部分にも意味があることが分かり、それを踏まえてもう一度観たいと思える映画だった。

そして、メインのキャスト(イ・ジュヨン、ク・ギョファン、ムン・ソリ)3名とも素晴らしかった!

イ・ジュヨンは、梨泰院クラスの料理人役で日本でも一躍有名となり是枝監督の映画「ベイビー・ブローカー」にも出演。今作では素朴でキュートな魅力が詰まってて、さらに好きになった。

ク・ギョファンは、今回初めて観たけれど監督や脚本家としても活躍している方だそう。独特な声と怪しい魅力がある人。可愛いシーンが多くて虜になった。他の出演作を観たくて配信でみた映画「新感染半島 ファイナル・ステージ」では、強烈な役柄で出演していた!

ムン・ソリは、2021年の映画「三姉妹」も素晴らしかったし、映画「オアシス」での演技が凄すぎて未だに脳裏に焼き付いている。ポップな質感の映像でみるのが初めてだったので今作で新たな魅力を発見した感じ。

イ・オクソプ監督の他の映画も観てみたい。


タイ映画「プアン/友だちと呼ばせて」

STORY
ニューヨークでバーを経営するボスのもとに、タイで暮らすウードから数年ぶりに電話が入る。 白血病で余命宣告を受けたので、最期の頼みを聞いてほしいというのだ。バンコクに駆けつけたボスが頼まれたのは、 元カノたちを訪ねる旅の運転手。カーステレオのカセットテープから流れる思い出の曲が、二人がまだ親友だった頃の記憶を呼びさます。 かつて輝いていた恋への心残りに決着をつけ、ボスのオリジナルカクテルで、この旅を仕上げるはずだった。 だが、ウードがボスの過去も未来も書き換える〈ある秘密〉を打ち明ける──。

映画『プアン/友だちと呼ばせて』公式サイトより


制作総指揮 ウォン・カーウァイ、監督は映画「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」のバズ・プーンピリヤ監督。映画館で予告を観て心をわしづかみにされ、絶対に観ようと思っていた作品。

爆音で流れる音楽と映画的で美しい映像。ど派手でキラキラしたシーンと見慣れないタイの街並みと登場人物たちの繊細な心情のやりとり。観たことないんだけど懐かしくて、青春ロードムービーの決定版なんじゃないかとすら感じた。

劇中歌の『Nobody knows』という曲が最高だった。STAMP氏はタイの国民的歌手とのこと。

タイ映画、実は今まで観たことがなくて今回が初めて。どんな感じなんだろうと少し身構えていたけれど、タイ語は思っていたよりも何の違和感もなく耳になじみ、時折知っている単語や挨拶が出てきて意識する程度で何の心配もいらなかった。

今作が描いているものが恋愛や友情、人間模様という万国共通なテーマだったからだと思う。

主演の2人がとてもよかった。
ボス役のトー・タナポップとウード役のアイス・ナッタラット。ボスとウード、見た目も性格も生い立ちも対照的な2人をいつまでも観ていたかった。

特に気になったトー・タナポップはぽってり唇の犬系ハンサムガイ。Netflix映画「ゴースト・ラボ:禁断の実験」が配信されているのでそちらもチェックする予定。

今作は旅行気分も味わえるし、文化の違いも発見できてタイに物凄く興味が湧いた。これまで海外旅行はオーストラリアと台湾しか経験がなく、タイ旅行を検討したこともなかったけれどこの映画に出会ったことで一度行ってみたい国になった。

色んな魅力のある映画だったけれど、一番印象に残ったのはラジオDJの言葉。今も胸に刺さっている。

登場人物たちにお前何なん!と思うところもあったけれど、人間の愚かさとか上手くいかなさにリアルな手触りがあったのもすごくよかった。

カクテルも美味しそうだったなぁ。

タイ、いつかいきたい。


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