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「メンタルが弱い」と悩んでいる子育て中のママへ

「メンタルに強いも弱いもないのよ!」
そう母から一喝された。

子育てに奮闘する日々。

夫の転勤に帯同して各地を転々とするなか、私はいつも不安でした。
うちの子どもは高熱を出しやすかったんです。加えて、夫は仕事が忙しくワンオペで子育て。

少しでも熱が上がると、「高熱を出すんじゃないか」「苦しい思いをさせるんじゃないか」とドキドキ不安に駆られました。実際、子どもが高熱を出して苦しむ姿を見ると、何をしていいかわからず途方に暮れることも。そういうときに限って夫は出張だったり……

親なのに子どもの体調管理もろくにできずに情けない。いちいち不安になったり、動揺したりする自分を「メンタルが弱すぎる」と母にグチったこともありました。

そんな私を見て、母はこう言ったんです。

「メンタルに強いも弱いもないのよ!」

うちの母は鋼メンタル。
私の気持ちなんてわかるわけないじゃない、と思ってスルーしました。

そんな私を無視して、母はマジメな顔で話しはじめたんです。

「子どもは病気をして大きくなっていくの。あなたも小さい頃はよく熱を出して、夜な夜なお父さんと病院へ駆け込んだこともあったわよ。子どもが苦しむ姿を見て不安になったり、可哀想に思うのが親なのよ!それから……自分や周りの人が、誰かと比べて決めつけているだけ。たとえメンタルが弱くても、それはあなたの個性。ただそれだけなの。子どもの母親はあなただけなのよ。」

その言葉に、私はハッとさせられました。

確かに、メンタルの強さなんて数値で測れるものじゃない。誰かの基準で決めつけられるものでもない。

いつからか事あるごとにメンタルが弱いのが恥ずかしい、と思っていました。でもメンタルの強弱は人生を左右するものではなく、あくまでもその人の一部に過ぎない。「ありのままの自分」を大切にしよう!と気づいたんです。

はじめての子育てで不安になるのは当たり前。なんだってはじめてのことは不安にもなるし、失敗もする。それをメンタルが強いとか弱いといって逃げてはダメ。みんな少なからず不安や心細い思いをして子育てしているんだから……。

いつも子どもの体調を気にしてピリピリしていたけれど、”母の一喝”の後は、ちょっとくらい体調崩しても仕方がない、と思えるようになりました。子どもに辛く苦しい思いをさせたくない、と思って子育てしてきた私が、「体調を崩してもいい」と思えるなんて、私にとって大きなことだったんです。肝が据わったわけじゃないけれど、ドン!と構えたいという気持ちがそのとき芽生えたのかもしれません。

完璧な母親でなくてもいい。いや、完璧な母親にはなれない。子育ては正解がないのだから、失敗してもいい。自分の精一杯で子育てをしたい、と思ったんです。

母の言葉は、まるでふかふかな毛布のように私の心を暖かく包んでくれました。母と一緒に寝ていたときはぬくぬくと眠っていたなぁ、と幼い頃の微かな記憶を思い出したほど。

私の人生は私が脚本家。私には病気や失敗などのエピソードがたくさんあります。波瀾万丈で、それなりに面白いものに仕上がるでしょう。どんな物語になるのか、今から楽しみです。

「メンタルが弱い」と悩んでいるあなたへ。

それはあなたの個性なのだから、決して自分を責めないでください。そして、自分の人生を楽しみながら生きていきましょう。



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いむれ
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