#29 ときめくワインとときめかないコーヒー
みなさん、おはようございます。
日本近海をクルーズしている乗船クルーのケントです。
ホームポートは神戸。
寄港した船が街の景色の一部になるかのような素敵な港。
ポートターミナルは駅直結、シャトルバスなら三ノ宮まで10分ほど。
買い物するにもご飯を食べるにもお土産を買うにもコーヒーブレークするにも最適な街。
文句なしのロケーションで筆者は大好きである。
神戸といったら…ここと言うだろう。
寄港、外出チャンスがあれば必ず立ち寄る老舗パン屋さん。
サンドイッチもチョココロネ、胡麻団子もいいけれどフランスdeあんことバターは私のライフライン。
これを頬張れば全てうまくいく、そんなお味で船の友だちの分も購入、幸せはお裾分け。
ただ店頭に並ぶのはお昼前からで11時半くらいに出来立てが並ぶ。
パンを購入したて向かう先はカフェ。
気になっていたコーヒー屋さんを訪問。
ダリのようなヒゲがトレードマーク。
コーヒーを淹れる所作が美しすぎてオーダーを譲り続けただただ端で見惚れていた変な客。
お豆を買いに来たがしっかりコーヒー注文。
頼んでから淹れる一杯、約3分間。
豆の個性、特徴を最大限に活かすドリップ。
見渡す限り最高の抽出器具に囲まれた店主。
ドリップコーヒーのお豆はASK。
大まかに浅めか深めか。
好きなコーヒーのテイストを言語化することは意外と難しい。
美味しくないコーヒーは分かるけど美味しいコーヒーがわからないのだ。
ベリーぽいもの、香りが良いもの、チョコレートっぽいもの、ジューシーなもの。
そういった好みを伝えると店主からしたらフレーバーを絞りやすくなるだろう。
気になるスケールの先の数字、そしてスワリングした後の一手間。
そうこうしているうちに液体はオリジナルマグへと移され目の前に美しく輝く。
高級鉄板焼屋さんでパフォーマンスを見たかのようなイメージ。
本当に圧倒されつつ発見もあり。
素晴らしいひとときであった。
3人別のコーヒーを頼んだダンディなおじさまたち。
外のベンチでマグを交わす姿が微笑ましくて。
こういったロースターから豆を買って船で淹れられたら最高なのに…などと妄想。
北野のオシャレスタバも時にはいいけれど個人でがんばるお店は大切にしたい。
駆け足で三ノ宮、大丸へ戻る頃にはお昼過ぎ。
乗船が始まる時間だ。
週末の大丸のデパ地下は大繁盛。
551は大行列で諦めたり。
そんな神戸発着の12月、四国から九州そして韓国のプサンに寄り関門海峡から瀬戸内海経由で帰る1週間の船旅。
松山の夕焼けが今クルーズのハイライト。
今週もまた全ポートお天気に恵まれ何より。
F&Bデパートメントのバーウエイターとして働く船内。
朝はコーヒーを作り、夜はレストランでワインを勧めつつゲストとおしゃべり。
毎日Google先生のお世話になっています。
THE FIRST LADY / Chardonay 🇿🇦
とっても上品な樽熟成のシャルドネは南アフリカ、ウエスタンケープ 。
トロピカルフルーツ、グレープフルーツのアロマに程よいオークの香り。
果実味、酸、ボリューム、どれもバランスよく非常に心地よい白ワイン。
シンプルなエチケットがまた美しい。
コース料理の前菜からスープ、メインを選びあとはお任せで合うグラスワインをくださいという頼み方をするゲストもいらっしゃる。
そんな時は自分なりに赤白一本ずつペアリングをワインリストから考え脳内でまとめる。
船のソムリエ先生にこういう理由でこれにはこのワインがいいと思うんだけどどうですかとざっくり確認。
するとソムリエ先生がより良いアドバイスをくれるのだ。
ちなみに先生はワインの国際規格(世界標準)
WSETレベル3という資格を持っている。
難しい英語がいっぱい。
これがないと外資系ではソムリエ認定されないという世界線。
そうしてセレクトされたワインをゲストに提供し暗記した補足の説明を少々。
喜んでもらえてさらに料理が美味しくなれば何より。
そんなゲストを数組担当させていただいた今週、本から学ぶこと、同僚から学ぶこと、ゲストから学ぶこと、毎日身の回りには学びがたくさんある。
思い描いていた内容の仕事が船でできているのは最大の喜び。
しかしそう全てが順調に行くはずもない。
現実は船のコーヒー同様甘くなかった。
今まで飲んできたコーヒーに比べてどうしても物足りない。
原因は無数に考えられるけど。
最適なエスプレッソを今ある材料で作ることが自称バリスタの大きな課題。
熊本の八代ではモーニングオフだったのではるばる熊本市内へ。
耳に残る駅名せんちょう(千丁)と田園風景。
熊本城、熊本ラーメン、ワンピースむぎわらストアを2時間半で駆け抜けた。
次は日奈久温泉へいってみたい♨️
快晴の長崎、五島列島福江市はテンダーポート。
お風呂に浮かぶおもちゃのようなオレンジの緊急救命艇で港まで往き来。
ボートの発着時間が決まっておりフリータイムは1時間弱。
マツキヨと地元スーパーに立ち寄りパックのお寿司を買ったり。
甘口醤油が美味しくて。
寄港地で息抜きをしつつ毎日ちゃんと働くのが船員ライフであった。
年末感こそ感じないものの早朝の釜山はとてつもなく寒い。
みなさん体調管理には気をつけて!
また来週。
最後まで読んでいただきありがとうございました!