【断髪小説】髪切り探偵(5)バリカンいたずら事件②白石・清水
中西 綾(なかにし あや)の記憶からはエスの情報は引き出せなかった。残るは白石 杏(しらいし あん)、清水 真希(しみず まき)の2人。
白石と清水の容姿を今一度確認しておこう。
白石 杏(しらいし あん)
同じく高校3年生。
自然な黒髪で、長い髪をツインテールの三つ編みスタイルにしている。
三つ編みにされた髪の毛は耳の後ろから垂らしてる。
前髪は真っ直ぐカットされたシースルーバング。
白と紺と赤のセーラー服を着ている。
目がぱっちりしていて、少しだけ化粧が濃い。
清水 真希(しみず まき)
同じく高校3年生。
長く伸びた少し茶色い髪。
毛先は緩くウェーブがかかっている。
前髪は目にかかる感じのシースルーバング。
白いワイシャツにネクタイ。
紺のストライプのスカートを履いている。
時間をかけたであろうばっちりメイク。
さて、それでは、とりあえず白石から記憶を再生していこう。
白石 杏(しらいし あん)の記憶
体育倉庫に関口君から呼び出されたけど、話って何だろう。
私は体育倉庫へ向かい、関口君と話している。
「あの、白石さん・・・話があって・・・」
「はい・・・」
改まった話?と、言えば流石に察しの悪い私だってわかる。
しかもこんなひと気のない場所に呼び出すなんて、関口君もなかなかやるね。
分かっているよ、関口君。
私も人生初の告白をウケる事になるのかぁ〜。気が早いかもしれないけど、話と言ったらそれ以外にないと思うし、返事はどうしよう。関口君は、悪い人じゃないけど、特別タイプといったわけでもない。
だけど、とっても良い人そうだし。まだ答えは決めてない。
関口君からどんな風に告白されるかで、その時の胸のときめきで返事を決めようかなって思ってる。
どうしよう。何も分かっていない女子を演じるのはなかなか大変なんだなぁ。モテる子の大変さが身に染みて分かった気がした。
「その・・・恥ずかしいんで、目を瞑ってもらえますか?」
私は目を瞑り、自慢のおさげ髪を手で触っている。
「あの・・・」
「ハイっ」
ついに来る!人生初告られ!なんて答えよう。
ドキドキする。
ジョキッ!
え?今の音は何?
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