依万理 イマ

ただ書くことが好きなだけ

依万理 イマ

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記事一覧

アロハで牛丼な休日(8.31日の日記)

「わたし、神名義(自称)なのに、チケット外れたんだけど!」  そう心の中で叫んだのは、八月三十一日よりも十何日か前のことだった。次に開催があったら絶対に行きたい…

依万理 イマ
2週間前
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熟れ残りのわたしたちはきっと誰よりも愉快

『やっぱ、まともな女の子はどれだけ遅くとも30歳までに結婚して売り切れてる。例外は無い。もう一度言う、例外は無い』  そんな辛辣な投稿が自分のタイムラインに流れて…

依万理 イマ
4か月前
20

また旅がはじまる

 10月から年末にかけてのスピード感が異様に速いなー、なんて黄昏れているうちにもう大晦日を飛び越え新年です。明けましておめでとうございます。本当に早い……。  20…

依万理 イマ
9か月前
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正義感なんてもんは持ち合わせない方がいい

 信じている人が、交流を深めている人が、自分の見えないところで人の想いを踏みにじる行為をしていると知ると、とてつもなく暗い気持ちになる。怒りとか悲しみとか、そう…

依万理 イマ
9か月前
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寡黙な親父系店主

 大のひとり飲み好きのわたしにとって、カウンターがある居酒屋は大変貴重で有り難い存在。  最近は、決まった焼き鳥屋へ行くことが多い。店主がひとりで切り盛りするこ…

依万理 イマ
11か月前
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恋人と宗教と、掬われたいわたし

 わたしは、ひとりでどこへだって行けるし、何でもできる。どんなことも、例えば、これまで三度の転職を経験している就職先や、年々減少気味にある友人の誰と時間を共にす…

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風を切って、主人公

 無免許運転をした。と言うと、まるで違反者みたいだけれど、先日、生まれて初めて、道路を自転車以上のスピードで、それも自分の運転で走った。ループという乗り物で。そ…

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桃の剥き方

 立派な桃が大量に届いた。それはそれはいい香りが漂って、もう本当に幸せ。(全部でいくらするんだろう)  桃を剥いたことがないわたし、一個目、何も考えずにざっくり…

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見た目は大人、頭脳は子供な日

 自分の経験や心の内側を明かすとき、なんだかいつも暗くじめっとしたものを書いてしまうことが多い。感傷に浸りがちなのかも。むかしのわたしはそんなに暗い人間ではない…

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半径1mしか守れない

「結婚願望はありますか?」「子供は欲しいですか?」  そう聞かれると、「結婚はしたいけれど、子供についてはよくわかりません」わたしはそう答える。すると、子供が欲…

20

白いご飯マジック

 小学生の頃、給食の時間が苦手だった。なにも時代錯誤に、完食するまで先生に見張られて泣く泣く食べていたとかではない。ただ、給食のメニューが不満だった。  小学校…

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訪れは俊敏で

 暑すぎて溶けそうです。  春の訪れを感じるのは家に蜘蛛が出現したとき。うちには多種多様の蜘蛛が出るのだけれど、中でも軍曹と呼ばれるアシダカグモが頻発します。見…

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夜、センチの理由

 小さい頃自分の部屋やベッドがある友達が羨ましくてしょうがなかった。特に親友の家はいい匂いがして、小学生や中学生の頃は入り浸っていた気がする。今でも地元に帰ると…

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ココロと言葉とこおりと。

「みんな私をサンドバッグにする」そう言った人がいた。そんなことないのに。そんな風に思ったことはないのに。誰が何度言っても、どう説得しようとしても、届かないし、人…

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アロハで牛丼な休日(8.31日の日記)

「わたし、神名義(自称)なのに、チケット外れたんだけど!」  そう心の中で叫んだのは、八月三十一日よりも十何日か前のことだった。次に開催があったら絶対に行きたいと思っていたaikoのフリーライブ「Love Like Aloha vol.7」の抽選に外れた。推していたアイドルの解散ライブも、妹の機嫌がかかった海外アーティストのライブチケットも重要なライブは全て当選してきたのに、これだけが取れなかった。数年前、aikoが好きな先輩の家でライブ鑑賞をしたときに、次回は一緒に行こう

熟れ残りのわたしたちはきっと誰よりも愉快

『やっぱ、まともな女の子はどれだけ遅くとも30歳までに結婚して売り切れてる。例外は無い。もう一度言う、例外は無い』  そんな辛辣な投稿が自分のタイムラインに流れてきて、え、じゃ、じゃあ最初の? 例外になりそうなんですけどお……! なんて震えながら、友人たちとのグループメッセージに、その投稿のスクリーンショットを送った。このぎこちない痛みを分かち合いたくて。  そのグループにいるのは、大学時代からの友人たち。もともと8人のグループなのだけれど、3人がめでたく結婚していて、その

また旅がはじまる

 10月から年末にかけてのスピード感が異様に速いなー、なんて黄昏れているうちにもう大晦日を飛び越え新年です。明けましておめでとうございます。本当に早い……。  2023年を振り返ってみても、どうにも現のような感じで。大したことしてないな、ってちょっと悔しく思ってもいるけれど(それでもスイカゲームの手は止められない)、この一年を振り返って特筆するならば、引っ越しが一番大きい出来事なのかも。だって家探しだけのストレスで体調不良になるほどには、大変だった。ここ数年で好きになった「

正義感なんてもんは持ち合わせない方がいい

 信じている人が、交流を深めている人が、自分の見えないところで人の想いを踏みにじる行為をしていると知ると、とてつもなく暗い気持ちになる。怒りとか悲しみとか、そういった単純な感情が織り混ざって落ち込んで、それを何日も引きずってしまう。  何が気に入らないって、人の想いよりもそれの上でしか成り立たない自分の欲とか得を優先できてしまうこと。それが衝撃。なにも、すべての人の幸せを考えているわけでも、人はみんな平等に幸せになるべきだなんて偽善じみたことを宣言したいわけではない。人間に

寡黙な親父系店主

 大のひとり飲み好きのわたしにとって、カウンターがある居酒屋は大変貴重で有り難い存在。  最近は、決まった焼き鳥屋へ行くことが多い。店主がひとりで切り盛りするこじんまりとした店で、一度行けば覚えられるほどに品数は少ない。  これまで、数々の焼き鳥を食べてきたけれど、思い出して、口によだれが溜まる思いをしたのは初めてのことだった。誰を連れて行っても唸らせる自信がある。と、わたしが言うのはおこがましいが、それほどに美味しい。聞けば、開店してから三十年以上の老舗とだという。それなの

恋人と宗教と、掬われたいわたし

 わたしは、ひとりでどこへだって行けるし、何でもできる。どんなことも、例えば、これまで三度の転職を経験している就職先や、年々減少気味にある友人の誰と時間を共にするのか、今日の夜に何を食べるか、自炊をするのか、ひとりでべろべろになるまで飲み歩くのか。兎にも角にも、やろうと思えばなんでもできる、ひとりで。  それなのに、人生において縋れるものはどうしても欲しい。ひとりでなんでもできるのに、独りでは生きていけない。本当に恥ずかしいことだけれど、寂しくて恐怖に怯えてしまう。恋人と時

風を切って、主人公

 無免許運転をした。と言うと、まるで違反者みたいだけれど、先日、生まれて初めて、道路を自転車以上のスピードで、それも自分の運転で走った。ループという乗り物で。そう、あの、緑色の電動スクーターのことです。  去年くらいに友人が乗っていて、なんて最先端なんだ! 車の免許等々を持っていないわたしも、そのスピードを感じたい! と思って、調べたけれど、予想通り、それの乗車条件には、運転免許が必須とのことだった。スクーターのお尻に付いたナンバープレートを見たときから、なんとなくそうなん

桃の剥き方

 立派な桃が大量に届いた。それはそれはいい香りが漂って、もう本当に幸せ。(全部でいくらするんだろう)  桃を剥いたことがないわたし、一個目、何も考えずにざっくり真っ二つにかち割った。見たことない種さえも半分になって現れて、思わず、え?と声が出た。愛らしい桃からは想像がつかないほど、おっかない感じの種。いくら指で引っ掻きだそうとしても、包丁で刺して引っ張りだそうとしても、びくともしない。桃にこんな種があるなんて聞いてないよ。林檎くらいのイメージだったのに。桃に文句を言っても仕

見た目は大人、頭脳は子供な日

 自分の経験や心の内側を明かすとき、なんだかいつも暗くじめっとしたものを書いてしまうことが多い。感傷に浸りがちなのかも。むかしのわたしはそんなに暗い人間ではないはず……。誰とでもすぐに打ち解けられて、人見知りの“ひ”の字も知らないような子供だったのに、いつからか初対面の人を警戒するようになった。これが大人になるということ……?  最近では、会う友人や連絡を取る人を無意識に選んだりしてしまっている節もある。体力も時間も無限ではないと気がついた。そう、やっぱりこれが、大人になると

半径1mしか守れない

「結婚願望はありますか?」「子供は欲しいですか?」  そう聞かれると、「結婚はしたいけれど、子供についてはよくわかりません」わたしはそう答える。すると、子供が欲しくないのに、結婚したいなんて珍しいね、なんで? と十中八九問いが続く。そもそもそんな年頃(センシティブ)な質問を無闇に投げてこないでほしいという気持ちは置いておいき、適切な回答を探す。  わたしの中から生まれるのは、「寂しいから」「周りに置いてけぼりにされたくないから」「ひとりがこわいから」「パートナーがいることの精

白いご飯マジック

 小学生の頃、給食の時間が苦手だった。なにも時代錯誤に、完食するまで先生に見張られて泣く泣く食べていたとかではない。ただ、給食のメニューが不満だった。  小学校給食というのは、「子供が好きだろう」の代表メニューが多くて、大鍋と呼ばれている、その名の通り一番大きい鍋に入っているカレーやクリームシチュー、(べちょべちょの)うどんやラーメンなどが思い出される。わたしはこれらのメインメニューが全て食べられず、もうとんでもない飢餓問題を起こしていた。代わりに他のおかずを多く食べられたか

訪れは俊敏で

 暑すぎて溶けそうです。  春の訪れを感じるのは家に蜘蛛が出現したとき。うちには多種多様の蜘蛛が出るのだけれど、中でも軍曹と呼ばれるアシダカグモが頻発します。見た目の割に大人しいと噂だけど、その見た目が結構強烈なので声が出るほど驚く。  最初に出現したときは、その存在がまず信じられず、我ながら綺麗な二度見をしたと思う。Google検索の3D表示かと思うくらいにリアルな軍曹は(いや、リアルなんだけど)手のひらくらいの大きさにも関わらず、壁や床を俊敏に移動する。本当に早いんで

夜、センチの理由

 小さい頃自分の部屋やベッドがある友達が羨ましくてしょうがなかった。特に親友の家はいい匂いがして、小学生や中学生の頃は入り浸っていた気がする。今でも地元に帰ると、高確率で上がり込む(それも22時とか23時とかに)ほど私にとって落ち着く場所だ。  一方わたしの実家は、今でこそ一軒家になって人に褒めてもらうことが多いが、昔住んでいたところはマンションなのか、アパートなのかよくわからない家だった。マンションにしては少し狭い気がするし、アパートにしてはちょっと広いし、家賃も高い気が

ココロと言葉とこおりと。

「みんな私をサンドバッグにする」そう言った人がいた。そんなことないのに。そんな風に思ったことはないのに。誰が何度言っても、どう説得しようとしても、届かないし、人の心は簡単に癒えてはくれない。  あなたが辛いと感じたこと、苦しかったこと、すぐに壊れてしまいそうな心をそっとキャッチしてあげられるような柔らかい何かになってあげたい。でもそう思う反面、私の心もしぼんで栄養がなくなっていくような気持ちにもなってしまって。ストレスや嫌なこと、納得いかないことが日常にあると、ついつい口に