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ココロと言葉とこおりと。

「みんな私をサンドバッグにする」そう言った人がいた。そんなことないのに。そんな風に思ったことはないのに。誰が何度言っても、どう説得しようとしても、届かないし、人の心は簡単に癒えてはくれない。

 あなたが辛いと感じたこと、苦しかったこと、すぐに壊れてしまいそうな心をそっとキャッチしてあげられるような柔らかい何かになってあげたい。でもそう思う反面、私の心もしぼんで栄養がなくなっていくような気持ちにもなってしまって。ストレスや嫌なこと、納得いかないことが日常にあると、ついつい口に出してしまうけれど、それってどうなんだろうと考える。口に出した瞬間は、発散されるけれど、なんだかその分しっかりと体の中に沈着していく感じがまた気持ち悪くて、負のループのような。

 むかし、母が教えてくれた悪口やマイナスな言葉を言ってはいけない理由に、「自分が発した言葉は自分が一番よく聞いているから口に出す言葉は全部いいものにしなさい」と。そして一緒に教えてくれた『水からの伝言』という実験。二つの水を用意して、一つの水には「かわいいね」「いい子だね」のような良い言葉を毎日かけ続け、もう片方の水には「馬鹿野郎」「ブス」等の悪い言葉をかけ続ける。それを一定期間行ったあと。それぞれの水を固めて氷にする。すると、良い言葉を浴びせていた水は美しい結晶に、悪い言葉をかけ続けた方には汚い結晶になるのだとか。(ただ、この実験には賛否があって少し都市伝説的な域だが)

 そこでふと思う、人間の体は80%くらい水分でできているのでは……? その実験結果でいうと、日常的に不満や悪口を口にしていたら、人の体はどうなってしまうのだろう。考え始めると途端に駆られた。自分だけでなく、もちろん人から発せられる言葉が“負”のものだったら、調子が悪くなっていくのではないか。そんなの絶対嫌だって。

 予期せぬ病や、他人からの冷たい矢からは守ってあげることはできない。だからせめて、あなたから出るマイナスな言葉をプラスに言い換えて渡してあげたいと思う。そうしたらきっとプラマイゼロ。きっと、凍らせてもなんの変哲も無い氷になるはず。

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