心身を崩したことで新しいフェーズに突入。2022年向き合った「自分を大切に扱うこと」のはなし
#振り返りnote
というタグを見つけ、やっとこ今年の自分のことを言語化してみようかと思います。
2022年は、激動の年でありました。
2020年に2年間のヨーロッパ修行から帰国し、コロナ禍でありながらバリバリと一人芝居を44本書き、少し長期的なプロジェクトの脚本演出を進め、今の夫との衝撃的な出会い、そしてスピード婚、とイケイケ。
2021年は、外注の脚本、演出、振付の仕事がこれでもかというほど重なり、昔から願っていた「常時2つ以上の現場を掛け持ちする働き方がしたい!」という野望をほぼ達成。
そして2022年は、自分のクリエーションをぐいぐい進めるぞ、と燃えていたわけですが。
5月。私は前代未聞の体調不良に陥ってしまいました。
同時に夫も心身のバランスを崩しました。
そして12月。いま。
おかげさまでめっちゃ元気!
すでに3年は経ったのではないかと思うぐらい生まれ変わっている感覚がある!
毎日が本当にしあわせです。。。
5月の自分に、大丈夫だよと言ってあげたいし、5月の自分と同じく不安な気持ちな人がいたら、やっぱり大丈夫だよと言ってあげたい。
そんな想いで、2023年に起きたこと、考えたこと、実践したことを、なるべく正直に振り返ろうと思います。(長め記事です)
体調を崩した=どういう状態だったか
5月頃に、夫が心身のバランスを崩したとき、「適切にケアしてあげられるだろうか」という不安があった。
そして、いろいろメンタル疾患のことを調べているうちに、不眠、やる気の低下、無力感、倦怠感、疲れやすい・・・など、「おや?これはむしろ、最近の自分にも当てはまっているのでは?」と思った。
よく眠れることと、バイタリティと根拠のない自信と行動力と体力があることが自慢だったので、どうも調子が出ないなということが、すべてあてはまっていた。
同時期に、演劇界ではパワハラセクハラの事件が相次いで明るみに出るという事態が起きていて、私は(夫も)ちょっと食らってしまっていた。
演出やファシリテートをする立場として、きちんと自分をアップデートしていけるだろうか。自分が見過ごしてきてしまったことがたくさんあるんじゃないか。今から、NOだと思うことにはNOだと言えるか?そんなことで頭がぐるぐるしていた。
重ねて、一年でいちばん忙しい出演舞台の稽古が始まった。大先輩たちに囲まれて、そして若い俳優に挟まれて、私はどういう立場で稽古場にいればいいのか、全然わからなくなってしまった。
「冷蔵庫から飲み物取ってきて」と、目上の人に言われるだけで勝手にピリピリして震えていた。
なんだかやっぱりおかしいなと思ったことがもうひとつ。
びっくりするほどセリフが入らないのだ。
私は出来もしないスペイン語で「ハムレット」のモノローグを覚えた女だ!日本語で数行のセリフ。半日で覚えられるはず。
なのに全然頭に入らない。意味が入ってこない。
台本を手から離してお稽古するなんて絶対できないような気がした。稽古場にいくのが怖かったし、稽古場に長時間いると信じられないぐらい疲れた。
不安になり、クリニックに行って脳波を見てもらうと、「典型的なうつの波形ですね」と言われた。
びっくりして、その日のうちに、舞台を降板した。
受け入れてくださった座長に感謝しています。
体調に関してはその後、うつ症状よりもブレインフォグが強いと診断され、コロナ後遺症とだったということで私の中で折り合いがついている。
さて、振り返るべきは、このような体験を引き起こした、私自身の「考え方」である。
考えた「自分を大切に扱う」ということ
急にぽっかりと2か月間の休養期間を得たので、存分に自分を大切に扱おうと思った。
たくさん寝て、好きなものを食べて、リッチなカフェに行ったり、欲しかったものを買ったり、今までやったこともなかったスマホゲームをダウンロードして一日中やってみたりした。
一見、休んでいるようだった。
しかしその時の私は、頭の中でずっと自分を責めていた。
どうして夫は体調を崩しちゃったんだろう。私のせいかも。
降板なんてして迷惑をかけてしまった。もう合わす顔がない。
そもそも私には実力がない。この先仕事がなくなったらどうしよう。
海外まで行ったのにこんな体たらく。
だいたい私なんて私なんてくよくよ。
わははは!
言語化してみると笑える!
だけど本気でそう思っていた!今だって気分の浮き沈みによっちゃあ出てくる思考だ!
そしてくよくよしまくった結果、気付いた。
私を疲れさせているのは、鬱でも、後遺症でもなく、
私のこの止めどない怒涛のごとき、自分を責める思考だ!!!
そしてこの思考を発生させてしまう、どーでもいい自分の思い込みだ!
あーウケる!
しなくてもいい無駄な思考で自分を破滅させているなんて!
もともとそういう自責の傾向が強いことは知っていて、改善するために内観ワークというのを密かに習って実践していたつもりだったんだけど、全然甘かった。というか、少しずつ皮がめくれてきたおかげて、自分の深層の強固な部分にアクセスした、とかそんな感じか。
そして内観しまくった。
休んじゃダメ、迷惑をかけちゃダメ、自分は能力が低い、能力がないと愛されない、仕事がないと生きていけないエトセトラエトセトラ。
どーでもいい思い込みを見つけて、なぜそれを信じているのかを紐解いて、手放して、書き換えて、ということをいっぱいやった。
そのままの私を、OKできるように。
自分を大切に扱うって、かわいい服着るとか、ネイルするとか、エステ行くとか、そういう「事象」じゃなくて、内側で「自分のことを受け入れているか」っていうこと。
って内観で習ってたんだけど、やっと実体験を持って腹落ちしました。
(内観教えてくれた友人に本気で感謝!)
なかなかすぐに思考の癖は変わらない
さて、自分を丸ごと受け入れる、ということを目指してコツコツと自分と向き合った結果、状態は少しずつ良くなり、8~9月にはムケイチョウコク「反転するエンドロール」を大盛況で終えることができました。
しかし2022年の山場は終わらない。
10月には自分の完全プロデュース&演出の舞台が待っていました。
私はこの作品に並々ならぬ想いを持って準備してきたので、絶対に休みたくなかったし、成功させたいし、自分も周りもハッピーな状態で終えたい!と強く思っていました。
「そのままの私でOK」「できないことがあってもOK」と、心に置きながら、リハに向かう日々。リハは楽しいし、キャストは最高。なんの問題もなく、理想のクリエーション。
しかし、差し迫るにしたがって、激務。マジで主催と演出と脚本兼ねるって、激務。決断することが多すぎる。わかっていた。だからかなり体制を盤石にしたつもりだった。それでも、やっぱり人が関わることなので、思い通りに回しきれないところが出てくる。
そんなとき。
また出てくるのです。思考の癖が。
こんな小さなことも気付けないなんて・・・くよくよ・・・
前まで出来ていたことが上手に出来ない、やっぱり私後遺症なんだ・・・くよくよ・・・
みんなは楽しんでいるんだろうか、心配だ・・・くよくよ・・・
うぜーっ!!
ほんとにね、振り返ると笑えるんです。でもそのときはそのモードに入っちゃう。そして思考を癖に乗っ取られてしまう。
自分を責めている→なので体調も良くない→自分にはやっぱりできないんじゃないか→諦めた方がいいんじゃないか→そんなこと考える私なんて、のヤバいループが見え始める。
ただ!
私が偉かったのは、5月にたくさん自分の傾向について考えていたおかげで、このとき思考を乗っ取られながらも、「ああ今、癖でこの思考パターンが出てしまっているんだな」と気づくことができていたところです。
気づけたら→止める→そして方向を選びなおす、というプロセスを取れるのがベスト。
ま、正直、このときは、気付いていただけで止められてはいなかったと思う。思考に行動を乗っ取られないようにすることで精いっぱいだった。
それでも、事象の問題ではなく私自身の思考の問題だと気付いていたので、周りの人を巻き込むような被害は最小限に抑えられた、と、思ってます(たぶん)(夫には泣きついた)
仕上がった作品はとっても気に入っていて、仲間にも心から恵まれて感謝、と思っていますが、「自分もハッピーに終える」という部分に関しては、そんなわけで課題が残る結果に。
またもや私は疲れてしまったのです。
習慣化して変えていったこと
11月から年内2か月間は、またゆっくり過ごしながら、「自分を大切に扱うこと」について、今一度、より具体的に何が出来るのかを考え、実践しています。
いろいろ試しながら、いま私がいいなと思って取り入れているもの。
・自分がそのときしたいことをする
これが今いちばんのマイトレンド。自分の中の小さい自分に「どうしたい?」と声をかけて、その時したいことをする。したくないけどしなきゃいけないことがあったら「どうやったら楽しめる?」と相談して。そしていっぱい自分にしたいことをさせてあげて、眠る前に小さい自分と「今日も楽しかったねー!」ときゃっきゃしてから寝ます。
5月の段階では小さい自分は、お腹の奥底でしくしく泣いていて、話しかけても振り向いてももらえなかったので、共にきゃっきゃ出来るようになったのは大進歩です。
・筋膜ローラー
1日1か所でもいいからやる。身体が固まっているとそれだけで、エネルギー落ちるので。続けると身体が激変します!一枚一枚、コリがめくれて身体の深い部分と向き合えるのが、内観と似ていて楽しい。
・朝ご飯を食べる
メンタル系&自律神経系のアドバイスに絶対書かれていて、もう耳タコですが、生活リズムが整って良いです。そして朝から活動できる自分を褒められる。
・よく噛んでゆっくり食べる&お腹を空かせすぎない
マジで、身体が整っていないと、思考やマインドを整えるエネルギーすら湧かないので。内臓に余計なエネルギーを持っていかれないようにする。
同様に、エネルギーが減ると思考も引っ張られて落ちるので、なにかに集中していてもお腹がすいたら中断してちゃんと食べる。
・日付が変わる前に寝る。
めっちゃ眠れるようになりました!!!
・朝ノート活
自分の思考の癖を書き換えていけるように、朝の内観を習慣に。
不要な思考が出てきたときに、気付いて、止めて、方向を選び直す。この選び直す方向を自分でわかっていないと選べないので、良い方向を増やすために続けています。
なんか書いてみると普通のことばかり・・・。
だけどこの普通のことが、どれだけ自分を大切にすることと繋がっているか、やっと腑に落ちてきました。
そして習慣を変えると、思考はやはり変わる。
こだわっていたいろんなものが、どうでもよくなり、すーっと自然に私の中からいなくなってくれるような体験を、この2か月で驚くほどたくさんしました。
えっ、それそんな簡単に手離れしちゃうの!?みたいな・・・
この1年で、3年分ぐらいの変化があったし、なんだかもう、別の自分になったような感覚です。
良い作品を創るために、仲間と豊かなクリエーション時間を過ごすために。
お仕事、家事、人間関係を楽しくするために。
自分の心身を大切にすること、マジでめっちゃ大事でした。
いまのしあわせ
いまは、毎日穏やかでとってもしあわせです。ご飯が美味しく、夫が愛しく、芸術が美しく、世界は優しいです。自分と共に過ごす一瞬一瞬が楽しいです。来年の創作の構想なんかも、わくわく進めています。
次なるチャレンジは、この穏やかさを保ったまま、自分を大切にしながら、沢山クリエーションをし、良い作品を世に出していくこと。
稽古場に行くことで、また出てくる癖もあるかもしれないけど、いっこずつ向き合っていきたいと思ってます。
自分も周りもハッピーなクリエーションを、私は目指したい。
誰も傷つかなくても、誰も、自分で自分を傷つけなくても、良い作品は創れるということを証明していきたい。
多様な人間を受け入れることが、演劇が現代に対して出来ることのひとつだと、思っています。
他者を受け入れるためには、自分を受け入れることから。
そのためには、自分を大切にしましょう。ご機嫌をとりましょう。仲良くしましょう。優しくしましょう。温めて、声をかけて、ハグして、きゃっきゃと、共に。
2022年、そんなわけでマジで激動でした。
ぶっちゃけ大変でした。が、取り組んでよかった、大切な一年になりました。
沢山の学びをくれたすべてに感謝しています。
2023年も、どんな激動が待っているのか、楽しみでしかたがないです!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました✨