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専門職から教育者になる人の辞めたくなる理由

専門職の方が学校教育(育成)に携わる際、後に離職するケースがあります。

「思っていたのと違う」というのがよく聞くケースです。

  1. 自分の経験・知識・技術、考えや気持ちを伝えられる!

  2. 学ぶもの皆、やる気に満ち溢れている!

  3. だからみんなありがたく聞いてくれる!

それなりの経験を積んだ方は、後世の育成のために一肌脱ぎたいと思っているのでしょうが、そんなに教育は甘くないです。では

学ぶ側の実際は・・・

  • 最低限の労力で修了・卒業・資格取得したい

  • やらないといけないこともギリギリまで放置してしまう

  • 睡眠を削って、バイト/遊び/スマホ優先の日々を送る

  • 費用対効果がよいことしか興味がない→ すぐ答えがほしい
    → あえてマイナス強調していますが、全員がそうではないですよ💦

あるべき像がバラバラになってきています

  • 学ぶ側は、上記の通り、最小限の労力で最大限の結果
    → なるべく楽に(気軽に・楽しく・負担なく)学ぶことを求める

  • 学校や研修等をまとめる組織も、一流でなければ厳粛/厳格なスタンスを取ることは避ける傾向
    → こちらは年々傾向は強くなってきている。18才以下の人口が激減して
        いるのもある。パイが少ない分取り合い。

教える側と教わる側で 「乖離(かいり)」が生まれます。

「乖離」かいり。そむきはなれること。はなればなれになること。

大辞林


スポーツのトレーナー業務で例えるとわかりやすいです。


トレーナーの仕事は多岐にわたりますが、今回は大きく分けて、3ジャンルに分けます。

① パフォーマンス向上を請け負う「ストレングストレーナー」
  「ストレングス(Strength)」とは「強さ」という意味をもつように、選手の体力向上や身体的機能を高めることを目的に、トレーニングメニューの作成やトレーニング方法の指導をする。    
  → 現場で働いてきている専門職の方は、これをイメージして教育現場に来らる事が多いと思います。現場で後輩を指導している延長で学生や聴講者に対して指導する。意識の高い向上心のある次世代戦士を育て上げ、指導者としての「手応え」を感じたいといった感じで。

② ケガからの復帰をサポートする「メディカルトレーナー」
  整形外科などの医療機関に勤務し、ケガをした人の運動機能を回復させることが主な仕事。特に医療機関に所属し、医療の面からのアプローチが多いことが「メディカルトレーナー」の特徴。
  → 教育現場では、心の傷を負った、勉強の習慣がない、人間関係トラブルを抱えている、発達・学習障害があるような学生の対応を求められるということがあります。どちらかというと、心のケアを行ったり、やる気がなくなってしまった学生のフォローなどをするイメージです。

③ フィジカル面の指導を行う「コンディショニングトレーナー」
  大きな役割は、試合や練習前後に選手のコンディションを整えることで競技パフォーマンスを最大限に引き出し、良い結果を出すサポートを行うこと。どの筋肉をどのように鍛えればベストなパフォーマンスを出せるかなどを考えてトレーニング計画を立て実行する役割。また、疲労回復等に役立つストレッチやマッサージの技術が不可欠と言われている。
  → メディカルトレーナーに似ていますが、こちらは問題解決すると言うよりは、現状をきっちり維持するためのメンテナンスするようなイメージです。これも教育現場で求められるスキルです。

教育現場でもとめられること

スポーツのトレーナーを例として表現しましたが、前述した通り、専門職の方がイメージするのは①「ストレングストレーナー」が多いです。まだその専門職についても無い学生たちが「やる気・なる気」が十分にありませんので、負荷が多ければすぐに折れます。

現場で切磋琢磨してきた方は、そのまま厳しい「ストレングストレーナー」であり続けたいという気持ちが強いですが、実際の求められる役割は、②や③が多いです。

未だに「なりたいと思ったから学校に来たのだろう?だから踏ん張って、頑張れ」を連呼するケースもあります。

一人ひとりの事情は異なりますので、その一人ひとりにカスタマイズされた教育手法・アプローチが存在するべきなのですが、教育学の「理論・技術」を駆使したとて、組織として理解がなければなかなかそれを実行することすら難しいです。(やる気・なる気がなくなった学生はとっとと辞めてくださいというようなスタンス)

大抵の専門職はまだ教員研修プログラムが確立されていませんので(医療系だと看護師は力を入れておられます)教員の心身的負担は相当高いものがあると言えます。

専門職の責務として、「後輩を育てる」があります。そこにやり甲斐を感じて教育・育成に携わる方もおられると思います。誰もが皆 やる気・なる気満タンではないので、①~③ 得手不得手もあるかと思いますが、意識して学ぶ側のサポートをしていかないと行けないですね。

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