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#29 認知症は何故、身近な人から忘れていくのか?!~いつか必ず来るその日~

認知症の親の介護をしていて、「最大にして最後の壁は何か?」と問われたら、それは間違いなく、”息子”や”娘”であり、”家族”であり、毎日、苦労して介護している私達の事を、忘れられてしまう事ではないだろうか。

いつかはその日が来ると覚悟していても、いざ本当に、「あなた誰っ?!」と言われた瞬間は、固まるw

「あんたの娘でがんすっ!!💢」

映画『たそがれ清兵衛』を真似て、以前からそう言ってやろうと思っていたけど(実際、言ってやったけどw)介護帰りの車の中で、さすがに、ポロポロと泣いた。

ケアマネさんやヘルパーさん、介護事業者の方々は慣れているかも知れないが、これは、家族にとって、ほんとーーーーに、”高い壁”なんだ。

ある意味、『臨終』の瞬間よりも、精神的ショックは大きい。

認知症になると、何故身近な人から忘れていくのか?!

この事について、「朝日生命」のwebサイトで、わかりやすく解説している記事がある。⬇️⬇️⬇️

🔵認知症の方は新しい記憶から消えていく
人間の記憶は、「視覚や聴覚などの五感から得た情報(記銘)」や「覚えたことの維持(保持)」「必要なことを思い出す(想起)」という過程によって成り立ちます。そして、記憶は時間や内容によって「短期記憶」「長期記憶」などのいくつかの種類に分けられます。

認知症の記憶障害では、新しい記憶である「短期記憶」から順に忘れていき、その後「長期記憶」やそのほかの記憶にも影響が出るといわれており、まず直近の情報を維持できなかったり思い出せなくなったりするのです。

認知症の方が大事な人から忘れていく理由と身近な家族の対処法/記事より抜粋

🔵今いる家族の記憶は最新の記憶
認知症の方の記憶障害では、新しいものから忘れていくため、現在ご本人を取り巻いている事柄の記憶から一番に失われていきます。今一緒に過ごしている家族の記憶は最新の記憶といえますので、最初に忘れてしまうのでしょう。

なお、認知症では記憶障害と同時に、時間感覚や方向感覚・人間関係を正しく認識する能力が低下する「見当識障害」も見られます。見当識障害も、家族の記憶を忘れてしまう原因の一つで、症状が進行すると、家族の顔や名前、関係性を正しく認識することが難しくなってしまうのです。

認知症の方が大事な人から忘れていく理由と身近な家族の対処法/記事より抜粋

認知症の「記憶障害」というのは、なんと「最新の記憶」から、忘れていく。だから、一番身近な家族のこと(その場の最新の記憶)から、忘れていくのだろうと。

記事では、そう分析されている。
だけどね、どんなに理屈はわかっていても、キツいよ。。。

言うなれば、この瞬間が、「最初のお別れ」。
それは「魂とのお別れ」。

「親」であることも、「子」であることも、
ここで、一旦、その縁(えにし)が終わる。

そんな気がした。

そう思って、気持ちをリセットし、ここから更に、親と「新しい関係」を構築しないと、最後まで介護は出来ない 。最も、胆力のいるところだ。

母は、それからというもの、私が行く度に「あんた誰っ?」と聞くので、「今日は、お掃除屋さんでーす。」とか「お弁当やさんでーす。」とか、「洗濯やさんでーす。」と、色々変身しましたよw

しかし、父は、当然、「あ、Ilsa子ぉ~あのねー」と、親しげに私の名を呼び、二人で朗らかに話ししたりしますから、母にすれば、面白くなかったんでしょうねーw

「あんた達、付き合ってるの?!」とか「この人は、”うちの人”なんですからねっ!!」とか、「あんた、ウチの人の愛人?!」と、散々に言われ・・・。

そのくせ、たまに応援に入る弟達の事は覚えていて、「私の息子が来たーっ!!」と、泣きながら弟達を抱きしめる・・・。

そして、「この人がね、私の事、いじめるんだよ・・・。」と。
弟達は、「あ、俺のこと覚えてるんじゃん! お母さんまだ、大丈夫じゃね?」とニヤリw

やってらんないっスよっ!!! 💢

まったく、やってらんないっスよっ!!! 💢


ほんとに、私は、「頼むから、今日、死んでくれ・・・。」ではなく、
「私は、絶対、認知症になる前に、死にたい。癌でも何でもいい。」と、心の底から思ったよ。。。

結果的には、この数ヶ月先に母は介護施設へ入所が決まる。

ま、私のメンタル的には、ここら辺りが、”限界”でしたよね。もう。
『九死に一生』ですよ。私の方がw

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