#29 認知症は何故、身近な人から忘れていくのか?!~いつか必ず来るその日~
認知症の親の介護をしていて、「最大にして最後の壁は何か?」と問われたら、それは間違いなく、”息子”や”娘”であり、”家族”であり、毎日、苦労して介護している私達の事を、忘れられてしまう事ではないだろうか。
いつかはその日が来ると覚悟していても、いざ本当に、「あなた誰っ?!」と言われた瞬間は、固まるw
「あんたの娘でがんすっ!!💢」
映画『たそがれ清兵衛』を真似て、以前からそう言ってやろうと思っていたけど(実際、言ってやったけどw)介護帰りの車の中で、さすがに、ポロポロと泣いた。
ケアマネさんやヘルパーさん、介護事業者の方々は慣れているかも知れないが、これは、家族にとって、ほんとーーーーに、”高い壁”なんだ。
ある意味、『臨終』の瞬間よりも、精神的ショックは大きい。
認知症になると、何故身近な人から忘れていくのか?!
この事について、「朝日生命」のwebサイトで、わかりやすく解説している記事がある。⬇️⬇️⬇️
認知症の「記憶障害」というのは、なんと「最新の記憶」から、忘れていく。だから、一番身近な家族のこと(その場の最新の記憶)から、忘れていくのだろうと。
記事では、そう分析されている。
だけどね、どんなに理屈はわかっていても、キツいよ。。。
そんな気がした。
そう思って、気持ちをリセットし、ここから更に、親と「新しい関係」を構築しないと、最後まで介護は出来ない 。最も、胆力のいるところだ。
母は、それからというもの、私が行く度に「あんた誰っ?」と聞くので、「今日は、お掃除屋さんでーす。」とか「お弁当やさんでーす。」とか、「洗濯やさんでーす。」と、色々変身しましたよw
しかし、父は、当然、「あ、Ilsa子ぉ~あのねー」と、親しげに私の名を呼び、二人で朗らかに話ししたりしますから、母にすれば、面白くなかったんでしょうねーw
「あんた達、付き合ってるの?!」とか「この人は、”うちの人”なんですからねっ!!」とか、「あんた、ウチの人の愛人?!」と、散々に言われ・・・。
そのくせ、たまに応援に入る弟達の事は覚えていて、「私の息子が来たーっ!!」と、泣きながら弟達を抱きしめる・・・。
そして、「この人がね、私の事、いじめるんだよ・・・。」と。
弟達は、「あ、俺のこと覚えてるんじゃん! お母さんまだ、大丈夫じゃね?」とニヤリw
やってらんないっスよっ!!! 💢
まったく、やってらんないっスよっ!!! 💢
ほんとに、私は、「頼むから、今日、死んでくれ・・・。」ではなく、
「私は、絶対、認知症になる前に、死にたい。癌でも何でもいい。」と、心の底から思ったよ。。。
結果的には、この数ヶ月先に母は介護施設へ入所が決まる。
ま、私のメンタル的には、ここら辺りが、”限界”でしたよね。もう。
『九死に一生』ですよ。私の方がw
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