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データ連携・データ主権:サステナビリティを実現するデータ連携、データをサステナブルにするデータ主権。 (CASE: 64/100)

▲「データ連携・データ主権」とサステナビリティ

ある製品やサービスがサステナブルである、カーボンニュートラルであるということはどのように証明されるのでしょうか?作った企業が「この製品は再生可能エネルギー100%で生産しています」というだけでは、調達における状況や、製品が買われて使われる段階での状況が良くわかりません。やはり製品・サービスのライフサイクルを通じて、環境影響の状況がトレーサブルになることで、真のサステナビリティが証明されると思います。そのカギとなるのが、データ連携とデータ主権(data sovereignty)です。

データ連携を実現するための一つの方法は、GAFAのようなプラットフォーマが自分たちでサービスを作り、そこからデータを収集し、連携していく方法です。この方法はマーケティング利用等を考えた場合は強力ですが、プラットフォーマといえども連携できるデータには限界があります。

もう一つのやり方は、データを連携するためのルールを決めて、各製品・サービスや消費の場で発生するデータをつなげてしまう方法です。現状ばらばらのデータフォーマットを連携可能な形に整え、各企業が勝手につないでいるデータ連携の技術を揃えていくのは大変な苦労ですが、欧州では地域を挙げてグローバルを巻き込みながら、GAIA-Xという仕組みを作り上げようとしています。

GAIA-Xは自律分散型のデータ連携の仕組みで、その根幹となる考え方がデータ主権です。欧州は基本的に、プラットフォーマがデータを独占するのは独占禁止法違反に相当し、データ主権はデータの発生源にあるというGDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)の考え方です。プラットフォーマが保有するデータはサービスが停止すると失われてしまいますが、データ発生源がその権利を有することにより、データのサステナビリティも強化されると考えられます。

データ連携とデータ主権、欧州では非常に多くの関係者が携わりながら仕組みの構築が検討されており、航空機業界や自動車業界ではその実装も進みつつあります。

翻って我が国を見てみると、個社のDXは盛り上がりを見せているものの、個別企業や産業を超えたデータ連携の仕組みについては検討が進んでいるとはいい難い状況です。サステナブルという同じ目標を実現するために、世界に取り残されることなく仕組みづくりを進めていきたいものです。

▲参照資料

https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2022/iis/fujino/0727_1

▲キュレーション企画について

イノベーション事例についてi.labがテーマにそって優れた事例のキュレーションを行い、紹介と解説を行います。

2022年のテーマは「サステナビリティ」です。

▲今回のキュレーション担当者

i.lab シニア・ディレクター 杉江周平

▲i.labについて

i.labは、東京大学i.school ディレクター陣によって2011年に創業されたイノベーショ ン創出・実現のためのイノベーション ・デザインファームです。東京大学i.school(2017年4 月 より一般社団法人i.school)が世界中のイノベーション教育機関や専門機関の知見を研究しながら独自進化させてきた理論知と、i.labが産業界で磨いてきた実践知の両輪で、企業向けにイノベーションのためのプロジェクトを企画·運営しています。

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