PASS THE BATON:表参道のセレクトリサイクルショップ。タグには元の持ち主の「想い出」が。新しいリサイクルのかたち。(CASE: 56/100)
▲「PASS THE BATON」とサステナビリティ
皆様は古着を購入しますか?私はよく購入しますが、元々古いこともあり長持ちしないこともあります。
そんな中出合ったのが、表参道のセレクトリサイクルショップPASS THE BATONです。
ここに並ぶ商品は、ただの中古品ではありません。一つ一つに出品者の想い出が詰まっており、タグには持ち主の「顔写真」「プロフィール」「商品の想い出」が記入されています。そこには「愛⽤していたけれど今は使わない、でも捨てるのは惜しい。だから、⼤切に使ってくれる次の⽅へバトンしたい」というNEW RECYCLEの精神が込められています。
また商品を購入した人は持ち主にコメントを送ることもできます。
これによって出品者も、「想い出の詰まった品物のストーリーを理解した人に購入してもらえる」「購入者からのコメントでどんな人が購入したか分かる」ため安心して思い入れのある品を出品できるのです。
さらに、バイヤーセレクトの商品も扱われていて、彼らの長く大事に扱って欲しいという商品への想いの込もったユニークな商品が並んでいます。
モノを通して人と人を繋ぐことができる。
SNSで気軽に人と繋がれる現代で、PASS THE BATONの「モノを通して行う一見手間のかかるコミュニケーションの形」は、私たちに人の関わりの在り方を再発見する機会を与えてくれます。
それだけではありません。
ショップに訪れた際、学生である私には、金額的にも想いの大きさ的にも手が届きませんでしたが、「いつか元の持ち主のストーリーも背負って服を身に着けられる大人になりたい」と感じたことを覚えています。
大量生産、大量消費が当たり前の社会で、国内年間51トン以上の衣類が廃棄される中、私が抱いたような思いをユーザーに感じさせるしくみを組み込んでいること。それこそが、ものを大事に長く使うというサステナビリティを高めるしくみになっているのです。
想いの詰まった世界に一つの商品を世代を超え長く使う。
その考え方が、限りある資源を無駄に消費しない、現代では忘れられていたような、モノとの新しい関わり方が選ばれるきっかけになるかもしれません。
▲参照資料
▲キュレーション企画について
イノベーション事例についてi.labがテーマにそって優れた事例のキュレーションを行い、紹介と解説を行います。
2022年のテーマは「サステナビリティ」です。
▲今回のキュレーション担当者
i.labインターン 屋代龍平
▲i.labについて
i.labは、東京大学i.school ディレクター陣によって2011年に創業されたイノベーショ ン創出・実現のためのイノベーション ・デザインファームです。東京大学i.school(2017年4 月 より一般社団法人i.school)が世界中のイノベーション教育機関や専門機関の知見を研究しながら独自進化させてきた理論知と、i.labが産業界で磨いてきた実践知の両輪で、企業向けにイノベーションのためのプロジェクトを企画·運営しています。
会社名:イノベーション・ラボラトリ株式会社
代表取締役:横田 幸信
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