見出し画像

深圳(しんせん):「量」を追求することでのサステナビリティはあり得るのか。(CASE: 60/100)

▲「深圳(しんせん)」とサステナビリティ

先日、電車でこんなコピーを見つけました。
「量質転化された手術力。」−とある美容外科の広告です。調べてみると「量をこなすことにより、必然的に質が上がっていく」ことをさすそうです。

さて、「量質転化」と言えば、中国の深圳市を思い出します。
深圳は、約40年前、鄧小平氏の改革開放政策で経済特区に指定され、その頃はまだスマホ部品製造を請け負う人口3万人程度の街でした。しかし、いまや「中国のシリコンバレー」と言われ、人口は1500万人、経済規模は40年で1500倍という驚異的成長を見せています。

この成長を支えたのが、時期を同じくして伸び始めたスマホ市場に呼応する形で製造が進められたスマホ部品でした。この深圳のケースは、技術開発の持続可能性・継続発展性を高める1つの方法として、「最初は大量に捌けるもの」を作っています。

売れるから作りまくり、作りまくらなくてはならないから生産ラインのアップデートや効率化も行われる。同時に、技術も改善します。技術があがるから次第にクオリティの高いものを生産できるようになり、その結果信頼されるように。そしてさらに製品が売れるようになるから、それに応えるために、生産ラインの効率化も進み、一層技術もあがっていくという構造です。

アナロジーとしてさらに思考を広げてみると、たとえば、エジソンなどの発明家の活動にも少し似ている気がします。数多くの検証を繰り返すほどに、1回目より2回目、2回目より3回目と精度が上がり、よりクオリティの高い検証になっていったはずです。量をこなすことが、検証クオリティを高め、発明活動を次へと進める原動力となり、それがサステナビリティを高めていたのではないでしょうか。

「サステナビリティ」と「大量生産」は相性が悪い言葉ですが、深圳の事例は「量の追求」がサステナビリティを高めるケースがあることを示唆しています。

▲参照資料

https://www.itu.int/en/ITU-D/Statistics/Pages/stat/default.aspx/

▲キュレーション企画について

イノベーション事例についてi.labがテーマにそって優れた事例のキュレーションを行い、紹介と解説を行います。

2022年のテーマは「サステナビリティ」です。

▲今回のキュレーション担当者

i.lab アートディレクター/デザイナー 井上麻由

▲i.labについて

i.labは、東京大学i.school ディレクター陣によって2011年に創業されたイノベーショ ン創出・実現のためのイノベーション ・デザインファームです。東京大学i.school(2017年4 月 より一般社団法人i.school)が世界中のイノベーション教育機関や専門機関の知見を研究しながら独自進化させてきた理論知と、i.labが産業界で磨いてきた実践知の両輪で、企業向けにイノベーションのためのプロジェクトを企画·運営しています。

会社名:イノベーション・ラボラトリ株式会社
代表取締役:横田 幸信
本社:東京都台東区小島2丁目14-5毛利ビル705
URL:https://ilab-inc.jp/
問合せ先:info@ilab-inc.jp (担当:井上)

Facebook:

Twitter:

Instagram: https://www.instagram.com/i.lab_inc/
note: https://note.com/ilab_official/
Newsletter:https://onl.sc/TTJ25DP


#sdgs #デザイン経営 #イノベーション #イノベーションデザイン #サステナビリティ #持続可能性 #新規事業 #パーパス #ビジョン #未来社会 #サーキュラーエコノミー #ブランド戦略 #ブランディング #ビジョン
#iphone #smartphone #深圳 #経済特区