自分を生きるために。(はじめの言葉)
自分を自分たらしめているのは何なんだろうか。結婚のタイミングでそれまでの仕事を辞め、苗字を変え、住んだこともなく友達も一人もいない北陸の田舎街に引っ越してきた頃、そんなことをよく思っていた。
なんとなかる、そう楽観視してこの環境に飛び込んだのに、意外と「しんどい」日が続いた。「しんどい」というか、「むなしい」というか。毎日、なんの用事もなくこの街の中で生きているという事実にじわじわと打ちのめされて。目立った困難があるわけでもなんでもないのに、自分と世の中がうまく結節していな