柿内尚文「バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる法則」

ほとんどの日本人が知っているはずのバナナ、バナナについてどう感じるかは人それぞれで、その人にとっての魅力を伝える、あるいは、共感してもらえるような魅力を100字で伝えるのはどうすればよいかな、と、タイトルだけで読んでみたくなるような本。一見これは、コピーライトとか、表現とか、日本語の話だと想像しがちだけれど、読み進めていくと、全然違いました。バナナの魅力を100文字で伝える技術を本当に身につけることができたら、人生の最後の一言を話す瞬間まで、後悔のない、思いやりに満ちた人生を送ることができるかもしれない気がします。これはもう一生モノです。
私たちは、朝から晩まで、言葉を使っています。その中でしっかりと考えて発している言葉はどれくらいなのか。もう私なんかは、油断すると、思ったことを丸出しで言ってしまい、後からこういえば良かったな、と反省することもあります。一方で、言うべきことをちゃんと言えなくて、後からこういえば良かったと思うこともあります。多かれ少なかれ、このどちらにも属さないエリアだけで、コミュニケーションが取れているということは少ないのではないかと思います。
書かれていることの一つ一つは、それほど難しいことではないような気もしますし、初めて聞くことでもないような気もします。でもそれを意識していくのは、なかなか簡単じゃないような気もします。

この本の最後に、こんな風に書かれています。

・一度読んで終わりにせず、ぜひ何度も読み返してください。
・自分にとって大切な箇所に線を引く、思ったことを余白部分に書き込むなど、この本の内容を、ぜひあなたのものにしてください。
・インプットで終わることなく、自分のケースにあてはめて、どんどん活用してアウトプットしていってください。
……

そう、確かに、今までもこんなコミュニケーションについての話をたくさん読んだり聞いたりしてきた気がします。けれど、インプットして、少しだけ気をつけたつもりになって、ちょっとだけアウトプットしてみて、でも少しずつ忘れてきてしまったのだろうなと思います。
だからこそ、何度も読み返して、活用して、と言っているのです。
まずはこの本、図書館で借りたので、自分で買ってみて、付箋つけて実践したいこと書きながら読んでみたいと思います。

あともう一つ、この本の気に入っているところは、最後の方に、「伝えるのが面倒な人」への対応策、っていうのがあるのです。具体的には、

「すぐ否定する人」への対応策
「話が通じない人」への対応策
「重箱の隅をつつく人」の対応策
「話が広がらない人」への対応策
「話しかけにくい人」への対応策

の5種類なのですが、これを読むと、思い浮かぶ人もいたりして、こういう人って難しいよね、という感じで、一度著者は寄り添った後に、対応策や接し方について提案してくれるので、納得感があります。この本に書かれていることを実践しようとして、壁のような人にぶち当たってくじけそうになっても、そうか、ここに当てはまるのか、と考えると気が少し楽になって、冷静になってまた伝え方を考えようという気になれそうです。

では、私もバナナの魅力を書いてみようと思います。

どの季節でも安く買えて、手でむくだけで食べられて、柔らかくて消化もよく、いつ食べさせても子どもが飽きずに喜んでくれた、子育て中の恩人。

……何度もこの本読み直して、伝わる言葉を身につけよう……。

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