世界は恋人 世界はわたし
ジョアンナ・メイシー『世界は恋人 世界はわたし』(World As Love, World As Self)より。
1960年代にインドのダルハウシーで家族とともに居住していたころのこと。ある日、若いラマ僧のための学校へ立ち寄ると、慈悲の心を養うための実習をしていた。それは、あらゆるひとが前世のどこかで自分の母親だったとみる観想法だった。
生まれ変わりを信じない自分には向かない行法だろう、と考えながら山道を下っていると、むこうから「苦力」と呼ばれる下層カーストに属する荷役