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鉄棒にチャレンジさせたほうがいいですか?
親御さんから、
「鉄棒にチャレンジさせた方がいいですか?」
とご質問をいただきました。
お子さんが鉄棒を全然やりたがらなくて、
ママが「こうやるんだよ!」とお手本見せて、渋々やったそうなんですが、できず…
そのお子さんは
今ジャングルジムに夢中だそうなんですね。
なので、今夢中になってるジャングルジムを楽しみ尽くしたらいいですよと
お伝えしました^^
鉄棒って、大人が気になりがちな遊びの一つですよね。
周りの子ができるようになると、
『うちの子もそろそろ…?』って焦ったり。
それってなんでかなと考えると、
教育の価値観の中で
鉄棒って『できた・できない』にフォーカスされるからなのだと思います。
それに比べてジャングルジムは、
大人に評価されることはあまりないですよね。
でも考えてみてください。
たとえば、
オリンピックの鉄棒の競技とロッククライミングの競技を比べてみても、
それぞれの競技ですばらしい技術や能力が必要だけど、『どっちがすごい』て比べることはできないですよね。
それと同じで、
鉄棒もジャングルジムも、それぞれに大切な発達の要素があるのですね。
ジャングルジムは大人にとっては軽視されがちだったり、できてもできなくても気に留めない存在の遊具ですが、
実は鉄棒にはない、発達に有効な要素がジャングルジムにもたくさん詰まっています。
ご参考までに
ジャングルジムでどんな力が育つかというと、
○足裏への刺激
→細い棒の上を登ったり渡ったりすることで、足裏をいろんな使い方をして、バランス感覚を育てるだけでなく、足裏からの情報を脳に伝えて、全身の発達を促してくれます。
○しがみついて四つ這いで登るうごき
→手足をしっかり使って登るから、手の発達もそうだし、手足の協調性もそう。
要は四つ這いでの動きが全身の連動性を高めて、スムーズな体の使いかたにつながる。
○空間認知の発達
→空間認知は、自分の体と周りの空間との位置関係だったりを正しく認識する力のこと。
ジャングルジムだと、マス目の位置を把握して、「次はどこに手をかけるか」「足をどこに置いたらバランスを崩さずに登れるか」を判断する力てことです。
ジャングルジムも、これだけ自然に体を育てて、学びを得ている遊具なんですね。
鉄棒のように「できる・できない」が気になる遊びと、そうじゃない遊びがありますが、
大切なのは、
どんな遊びでも子どもは自分を育てているということ。
その子が今自然に興味をもってやりたがる遊びの中にこそ、その子が今まさに伸ばしている力があるので、
どんな体のうごきを今夢中で楽しんでいるのか?そこに目を向けて、
今楽しんでいる体のうごきをやりきることで、それが結果的に次のうごきへとつながっていきます。
“今”のあそびを大切にすることが
“未来”の成長につながる. .
って頭ではわかっていても、
「本当に大丈夫?」って不安がよぎるものですよね笑
でも今お子さんが夢中になっていることにはちゃんと意味がありますから。
そしてそれをやりきった先に、次の成長のステップがかならず待っていますから^^
だからお子さんが自分で自分を育てている力を信じて、今やりたい!って思うことを楽しんで満たしていけるといいなと思います。
余談ですが、
最近、公園を見渡してみると、昔ながらのシンプルなジャングルジムって、どんどん減ってきていると思いませんか?
あと、昭和の時代によくあった、円形型のジャングルジムがグルグル回る遊具も「危ないから」という理由ででほとんど撤去されてしまいましたね。
その回るジャングルジムなんて、ほんといろんな要素が詰まった最高の遊具ですが、
大人の責任問題の方が優先されてしまったのが、すごく残念だなと思うところですけど。。
いつも対面コーチングで行っていた公園に、遊園地のコーヒーカップの超アナログ盤のような、自分でぐるぐる回す遊具があって。
子どもたちが大好きだったのに、こないだ撤去されてて切なかったです. .
今の新しく作られる公園は「転んでも痛くない」素材の地面とか
「そんなに高くない」とか
「たいして揺れたり回ったりしない」みたいな、
安全一辺倒な遊具が増えてるのがもどかしいなと思います。
その代わりに、大人が『これはいい遊具だろう』と思って作ったもの。
たとえば、子ども向けのアスレチック要素が組み込まれたものとか、大人が作った“仕掛け”がついた遊具がふえていますよね。
もちろんそれも楽しい遊具なのですが、
本当に子どもが必要としているのは、決められた遊びかた、使いかた、じゃないシンプルな遊具だったりします。
自由にぶら下がったり、しがみついたり・・
そうやって自分で自由にいろんな体の動かしかたや遊びかたを試しながら遊ぶ経験こそが、子どもにとっての最高の育ちの体験なのですね。
今日は、子どもの成長は、今夢中になっている遊びの中でしっかり育まれていて、
たとえそれが評価されなかったとしても、今の遊びが未来を育てている
ということをお伝えさせていただきました。
発達に困っている、困っていないに関わらず、
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