モロー反射を止めないで
近年聞くことも増えた“モロー反射”は
赤ちゃんに生まれつきそなわった体の反射のひとつで、両手をビクッと広げる反射です。
実はこのモロー反射には
発達にとても重要な役割があります。
赤ちゃんは脳が未熟なので、
モロー反射によって無意識に体をうごかすことで、脳の発達をうながしています。
そして反射の動きを十分使いきると、
ドミノだおしのように自然と次の発達へとバトンタッチして、より高度な脳の使いかたができるようになっていきます。
しかし悲しいことに昨今は、
「赤ちゃんの睡眠の質を上げるためにモロー反射をとめましょう」と推奨されてしまうことが多いのです。
“寝るか・寝ないか”
だけで考えたならば、たしかに体の反射を止めてしまった方が寝るでしょう。
しかしながら、
うごきを意図的にとめて反射を十分に使いきれないまま次の段階に進んでしまうと、脳の発達にひずみが生じ、
それが感覚過敏やアレルギー、言葉のおくれや学習、コミュニケーションの困難さなどの発達の課題につながっている現実があるのです。
多くのお母さんたちが、
“赤ちゃんがよく眠るというメリット”の裏に隠れた“大きなリスク”を知らぬまま、モロー反射をとめる育児グッズを買い求め、
もはやそれが育児のフツーになりつつある事態に非常に危機感を抱いています。
育児を捉えるときに側面だけの知識にかたよっていると、
よかれと思ってやったはずなのに気付かぬところで発達が阻害されていた
という恐ろしさは、まさにこういうところにあります。
これはモロー反射に限ったことではなく、
そういった一見よさそうな育児情報で世はあふれています。
さまざまな発達の状態を生まれつきの問題として“発達障害”と広く括られているけれど、
生後の環境のなかで自然に育っていく力を十分に出しきれないままもがいている子は、いったいどれほどいるだろう…?
「知らずにモロー反射を止めてしまっていた」
というお母さんも後悔はしなくて大丈夫。
今からでも反射のうごきを経験しなおすことで、発達をとり戻していくことができます。
脳育トレーニングでは、モロー反射を育てるためのエクササイズなども楽しんでいますので、どうぞお気軽にご相談くださいね。