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不気味でロジカルな怪奇譚/ディクスン・カー『曲がった蝶番』
引き込まれるストーリーフェル博士が探偵役をつとめる『曲がった蝶番』。
二転三転するスリリングな物語が特徴的です。
土地の名士であるジョン・ファーンリ卿に対し、自分こそが本物のファーンリ卿であると主張する男(パトリック・ゴア)があらわれます。
少年の頃に遭遇したタイタニック号の沈没事故の際に、2人は入れ替わったのだと言うのです。
少年時代の家庭教師や、弁護士の立ち会いの元で、どちらが本物かのテ
レトロフランスの怪奇譚/ディクスン・カー『夜歩く』
ジョン・ディクスン・カー『夜歩く』カーはアメリカの作家ですが、探偵役はフランス警察所属のアンリ・バンコラン。語り手のジェフはアメリカ出身。
舞台は、豪奢なフランスの貴族社会。密室の不可能犯罪から始まる怪奇な連続殺人がテーマです。
サイコパス、首切り、整形、人狼など、多彩なモチーフを散りばめた本作。
事件の真相や動機については犯人の感情が強く出ていて、サイコホラーのような趣もあります。
本作が
アクロイド殺しと黒井戸殺し/アガサ・クリスティ
⚠️本記事にはネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください⚠️
本当のことを言っていないだけどのジャンルにおいても、新しいスタイルのさきがけとなった作品は偉大です。
アガサ・クリスティが生み出した小説から、ジャンルの一つとして定着したトリックはいくつもありますが、『アクロイド殺し』もその一つです。
信頼できない語り手という叙述トリックは、もはやミステリになくてはならないもの。
そのオリジナル