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【本の紹介】『ききがき すいたの民話』
近所の本屋さんで買ってしまいました!
近所の本屋さんでしか手に入らないであろう本!(あ、アマゾンでも買えます)
みなさまは大阪北摂にある「吹田市」をご存知でしょうか?
「ふきた」と間違われることがありますが「すいた」です。
そうです、「太陽の塔」がそびえたっているあの「吹田」です。
どちらかというと新しいまちの印象がありませんか?
「マンションが立ち並ぶ大阪のベッドタウン」という。
吹田にかれこれ50年程住んでいる私もそのように思っておりました。
ところが『ききがき すいたの民話』を読んで、それが大きな間違いだったことを知りました。
こんなローカルな本なのに重版されたらしい。
吹田に住んでいる人がこぞって買っていらっしゃる?
吹田に住みたい方がこの本で予習していらっしゃる?
「ききがき」をされたのは坂本一房さん。200人以上の方々から話を聞き、書きとられたそうです。
こちらの本では、坂本さんが「ききがき」をされた40の民話に加えて、それぞれの解説と現在地の地図もついています。
たとえばうちの近所の「円照寺」(平安時代創建)にまつわるお話。
むかし、山田村に権六という酒と女が好きでへんこつものの宮大工がいた。
その権六が円照寺を建てていた。
円照寺の和尚は男前で声が良くて村の女性の人気者だった。
村にはお杉という16歳のべっぴんさんがいた。
そのお杉が円照寺の和尚に惚れてしまった。
それを知った権六は円照寺の建築をやめてしまった。
檀家衆も和尚さんもほとほと困った。
お杉はお杉で気持ちを抑えられずに和尚にラブレターを書いて檀家の善兵衛さんに言づけた。
善兵衛さんは「円照寺のためや」と、そのラブレターを権六に渡してしまった。
権六は喜んで円照寺を作った。
権六はその出来栄えの立派さやらラブレターの嬉しさやらで浮かれて踊った。
そのしぐさが面白く、今も「権六踊り」として伝えられている。
「権六踊り」は今も伝えられています。
近所のお寺にそんな面白い話があったとは全く知りませんでした。
円照寺には大晦日の日に除夜の鐘を打ちに行かせてもらいます。
他にも、(吹田市民にとっては)興味深い神話や伝承が盛りだくさん。
たとえば、
・アサヒビール工場があの場所にあることと、平安時代に都で疫病が流行したことが繋がっているかもしれないこと
・いつも歩く散歩道に池がたくさんあるのは、山を切り開いて田を作っていたため、ため池がたくさん必要だったからだということ
などなど。
民話や歴史を知ると、住んでいる地域に愛着が湧きますね。
この本を持って「すいたウォーキング」をしようと思います。