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日曜劇場『御上先生』を見て思い出した話

TBSテレビ 日曜劇場『御上先生』を見ています。

第2回(1月26日)の放送で御上先生が語ったセリフを聞いていて、私が中学3年生だったときのある日のできごとを思い出しました。

御上先生のセリフはこちら↓

とある有名な学園ドラマの新シリーズが始まるたびに日本中の学校が荒れて学級崩壊を起こす。
生徒のために奔走するスーパー熱血教師以外は教師にあらずという空気を作ってしまった。

以来40年以上、良い教師像はそのテレビドラマシリーズに支配され続けています。

「とある有名な学園ドラマ」「生徒のために奔走するスーパー熱血教師」「シリーズ化された」「40年以上前」といえばやはり『3年B組 金八先生』。


40年以上前。
私が中学3年生のときの担任の先生はY先生。熱心で、怒ると怖いけれどユーモアのある、男性の国語の先生でした。「金八先生みたいだな」と私は思っていました。

その時代、中学校は荒れに荒れていて、また私の通う中学校は特にひどくて、窓ガラスは毎日のように割られるわ、授業は大崩壊するわ、休み時間はあちらこちらで生徒がタバコを吸ってるわ、チェーンや棒を持って近所の学校に殴り込みに行くわ(来られるわ)、校内にバイクで突っ込んでくる子がいるわ、先生に暴言暴力 日常茶飯事だわ、今では考えられない状況でした。

ある日、わが3年1組の終礼で、やんちゃもんのAくんがY先生に叱られました(きっかけはすっかり忘れてしまいました)。叱られたAくんはキレてY先生に殴りかかりました。Y先生とAくんはもみ合いになり、他の生徒は教室の壁際に避難。小心者の私は恐怖で涙ポロポロ。
格闘はしばらく続きましたが、Y先生の必死の説得により、その場はおさまりました。

様子を傍観していたある生徒がY先生に向かってポツリ。
「Y先生が金八先生やったらいいのに」

するとY先生は言いました。
「お前らが3年B組の生徒やったら俺も金八先生になれるけどな。お前ら3年B組の生徒になれるんか」

テレビドラマは感動的に解決するように作られているからうまくいきます。
けれども現実は全く違います。当然テレビドラマのようにはいきません。
それなのに、教師は全員「金八先生」であることを期待されます。
生徒は台本通りに動きませんのにね。

いい加減に「良い教師像」の作り直しが必要だ、と「御上先生」は語ります。

ドラマ『御上先生』は、どんな新しい教師像、教育像、学校像を示してくれるのでしょうか。今後の展開が楽しみです。

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