永い言い訳、湯を沸かすほどの熱い愛、カルテット、私はダニエルブレイク、そして、万引き家族。 これが2015年あたりから始まった「仮想家族」モノのブーム。 つまり共通して言えるのは、資本主義からあぶれた弱者が寄り添って、強いつながりを持つ、という点。 パラサイトはどうだ。 弱者が寄り添うという点では過去からの流れのなかにいるが、強者に寄生して、「倒す」というカタルシスやエンタメ性を盛り込んだのはこのあたりからかもしれない。 「仮想家族」から「逆転劇」へ。 お金や地位や権
とんでもない世界線を生きている。 開会式から一夜明けたら、いままで山積みだった問題がすべて無かったかのように 「いろいろあったけど、選手が笑顔でよかった。今まで努力してきたんだね、最後まで無事に開催されることを祈ります。」 のコメントの嵐。 これほど無知で無責任な言葉もないよね。 「いろいろ」をたくさん語って批判してきた人も、 一夜で「スピーチよかったね。バッハは長かったけどw」である。 (バッハをいじることで、オリンピックに100%同意できてないけどある程度の批判性は
子供が産まれて、今まで飼っていた猫を実家に預けていたら丸々太って返ってきた。 いつもは食べないものを鱈腹食べて、大層甘やかされていた模様。 親のいぬまに猫をそっと奪還し、今はダイエット中。 しかし、猫にとってしたら久々にお家に帰ると見知らぬヘケヘケ動物が家の真ん中に居座っているのだからひとたまりもない。 まだ11ヶ月の人生、急に自分が主役じゃなくなったかのような顔でしょんぼりする丸々太った猫を見て涙が出てしまった。 よく、愛の総量は変わらなくて、猫に100注いでいた
有名TV企画「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」が下火になってから、 行き場を失ったたくさんの「いるいる」がSNSに伝播するようになった。 可愛い女の子がダンスするだけのSNSかと思っていたのも束の間、パンツが見えたりするのもおろか、制服で踊るだけでもBANされる「公共メディア」となったTikTokには、「細かすぎて伝わらないモノマネ」の投稿が群雄割拠している。 「一生バイトしている人」「土曜昼下がりの団地カップル」「高円寺の路上で飲んでそうな人」「ピンポイントの質問
有栖川公園から漂うタケノコのような、栗の花のような、あの、鼻をツンとさせる緑の強烈な匂いが5月を覆うのをすっかり忘れていた。 大切な思春期の6年間を広尾で過ごし、毎日のように有栖川公園を通っていたのにも関わらず、そんなツンとする匂いを意識したのは高校3年生の5月からだったかのように思う。 新宿テアトルシネマ前のモスキート音のように、大人になるとわかる香りとか、逆に大人になると一切認識しなくなる香りなんてものが存在するのだろうか。 味覚が大人になると変わって、コーヒーやビ
去年と同様、わりかし時間のあるゴールデンウィークなので、新潟の美術館に行った。 午前10時ぐらいに思い立って、新潟近代美術館に新幹線で行って、久保田成子のTHEメディアアート!って感じの展示を見て、へぎ蕎麦を食べて、日本酒を飲んで、喫茶店に行って、17時ぐらいに新幹線に乗って帰ってくるだけの、弾丸というか音速旅行みたいな。 (音速旅行....?) なぜか2021年のTOKYOでは禁酒法が流行っているので、普通に店で酒が飲めて、喫茶店ではみんなタバコを吸っているという状態