スクワットは神トレ!! やり方が大事!!
たかがスクワット、されどスクワット、しのごの言わずにスクワット!!
なんでここまで言うかというと、効果が約束されているから。
何百人というシニア世代の方々の運動指導と体力測定を
25年以上続けてきた私が断言する!
いくつになろうが、足はびっくりするくらい強くなる。でも、やり方が肝心なのだ。なんとなくスクワットしてたんじゃ、あんまり効果はでないのだ。
シニア世代から指名がくる運動指導者になるには
若い時には、カッコいいとか元気だとか、何なら若い男子ってだけでも、ムキムキしているだけでも、パーソナルトレーニングとかの指名がくる。
が、年季が入ってくるとそうはいかない。
しっかり効果が出ること
継続したいなって思えるくらいに楽しいこと
翌日、嫌な感じの痛みが出ないこと
信頼できるトレーナーであること
最後の信頼できるトレーナーであるためには、その上3つが備わらなきゃいけないのだが、このスクワットってのは何より効果が絶対に出るのだ。絶大な信頼が得られるための一番の近道ツールである。
また、あなたが保健師さんだったとして、介護予防事業で最初と最後に行う体力測定で結果を出さなきゃ報告できない!!ってのなら、このスクワットは必須科目だ。
どんなに効果が出ているかは、この図を見てほしい
これは、松山市の60歳以上の方の健康体操教室、150名のデータである。教室最初の7月から翌年3月まで、週2回の1時間半の運動指導の結果である。
初心者は1/3くらいしかおらず、2/3以上の方が2年以上の継続者なのだが、脚伸展力や開眼片足立ちや6分間歩行など、脚力に関連する項目の伸びが顕著である。
まずはこの動画を見て・・
スクワットについて、効果やシニア世代の理想のアライメントなどなど、基本について説明してるので、ぜひ見てほしい。
https://www.youtube.com/watch?v=9y2YgxaQlGg
スロートレーニングは偉大!!
動画でもご紹介しましたが、スロートレーニングは偉大!!
もうお亡くなりになってしまったが、その当時、誰もが知っている大女優さんがスクワットを1日100回しているという話はとても有名で、そのおかげででんぐり返しができると周りのみんなが褒め称えていたものだ。
その女優さんの演技は本当に素晴らしいが、そんなに褒めるほど元気だと思えなかった。なぜなら、私の体操教室の94歳の方の方がずっとお元気だし、その女優さんと同級生の体操教室受講生の皆さんの方が、もっとずっと元気だったからだ。
筋トレで100回もできるものは筋持久力しかUPしない。10回くらいしたら、ああしんどっ! と思えるトレーニングじゃなきゃ、あんまり効果がない。
効果的な筋トレの中でも、動画の通り、スロートレーニングの効果はダントツピカイチである。ぜひ、騙されたと思ってやってみてほしい。
私自身、石井先生の研修会で初めてこのスロートレーニングを知って、半年で脚力が1200kwから1500kwに伸びた!!
運動をしていない人が初年度に著しい伸びを見せることはあるが、私はずっと運動指導をしていたのに爆発的に伸びたのだ。もちろん、教室の受講生の皆さんの脚力も大幅に伸び、大変喜んでいただいている。
このスロースクワットは、シニア世代の皆様への運動プログラムに必ずと言っても良いほど入れる項目なのである。
とあるトレーナーの話 (シニア世代に筋トレの効果はある?)
以前、トレーナーとして成功している方の講義があり、その中で、「60歳を過ぎると1年目はビギナーズラックのような筋力増加があるが、それ以降は難しい、ほとんど筋力増加は見込めない」との話があった。
私はひっそりと「ンなわけあるかいっ!」と聞こえないようにひとりツッコミしてしまった。
私の経験則だと、60歳〜70過ぎくらいの方であれば、ほとんどの方は4〜5年くらい体力が緩やかにアップする。もちろん例外の方もいらっしゃるし、体力の中でも伸びない項目もある。
しかし、脚力に関する項目や全身持久力の項目はアップするのだ。
「シニア世代の方の体力は、去年と同じなら素晴らしいよね」と受講生の皆様にはお伝えしている。去年と同じ体力だったとしても、5年もすれば同級生にすごい差ができているはずだ。
でも、多くの方は昨年と同じ体力ではなく5年くらいは向上するのだ。5年も向上すればお赤飯炊いて祝ってほしいくらいだし、そうなってくると受講生は余程のことがない限りあなたの運動教室をやめる事はない。
別にスポーツクラブとかに行って最新の機械でトレーニングしなくても、また特別重りを担がなくても、自分の体重を用いてスロートレーニング+コアトレーニングをしているだけで、十分安全に筋力はアップするのだ!!
スクワット、シニアの特徴 (気をつけるべき点)
スクワットをシニア世代の方にご指導する場合、教科書どおりの事ではなく特別気をつけなければならない所が何点かある。
そもそもスクワットして良いのか?
膝が痛い・・というのは、シニア世代にはつきものである。実は50代でほとんどの方の膝は変形していると言われる。痛みがあるかどうかは別だが・・
シニア世代ともなると、かなりの割合で膝が痛い方がいらっしゃる。
また別の機会に特集しようと思うが、膝が痛い方にオススメの運動も毎回私は取り入れている。(痛みがない方にも予防という意味でトレーニングする)
だが、膝を曲げたり伸ばしたりする動作は日常で多くある。なので、膝が少しばかり痛いからといってスクワットをお休みするのはどうかと思っている。
これは正直、正否ご意見が分かれるところだと思う。
私は、会場まで歩いて来れる方で、ちょっと曲げただけで鋭い痛みがある方以外は、机につかまり立ちして少しの角度でも良いからスクワットしていただく派だ。
使わないと使えなくなるのが筋肉・関節だと思うので、激痛や急性期の痛みがある場合以外はいたわらないことにしている。もちろん、状態が一番わかっているのはかかりつけの医師なので、相談してもらう。
その角度で良いのか?
運動指導者向けの教科書と、ロコモ体操のパンフではスクワットの時の足の角度が違う! なぜだ! やはり医師には運動の事などわからないのか?
これは、真面目な運動指導者であれば一度は考えたことがあることだろう。
つま先を正面に向けたスクワットの方が大腿四頭筋が満遍なく鍛えられるし、膝も安定しブレないため、股関節内外転筋群も活動性が高くなる。
そう教科書で習った!
だが、これは研修会で習った事の受け売りなのだが、シニア世代の方は加齢とともに関節に構造的変化が生じていて、つま先を正面に向けて膝を曲げると窮屈に感じたり痛みが生じたりする場合があるそうだ。(下肢関節がCCPに近くなる)
つまり、こういうわけだ。
つま先を外側に向けてスクワットをすると痛みが楽になるのであればそうしていただければ良いし、つま先を正面に向けてのスクワットで何ら問題がないのであればそうした方が筋活動が高まりやすいというわけだ。
初めてスクワットをする方に、こんな小難しい事を言っても混乱するだけだから、つま先の角度については、「膝とつま先の角度ができるだけ同じになるようにスクワットしましょう」・・とだけ伝えている。
そうすれば、きっとお一人お一人ユニークな関節の状態の中、その方の今の状態&筋力&痛みの具合にピッタリな角度に近い状態になっているはずだ。
きっと、自然に行って下さっているこの角度の調整は、私たちトレーナーの浅はかな知識に勝ると思うのだ。
もちろん、運動に慣れてきたら、徐々に色んな情報を少しずつお伝えする。
その姿勢で良いのか?
姿勢もそうなのだ。理論的には動画でも言ったように、腰背部をしっかり真っ直ぐにしていただけると多裂筋のトレーニングになり理想的なのだ。
でも、腰が丸くなってしまう方も高齢になればなるほど多い。逆に腰がそりすぎる方も稀にいらっしゃる。
腰が丸くなる方は、もしかしたら大臀筋とハムストリングが硬いのかもしれないし、脊柱起立筋が弱いのかもしれない。
今やっているスクワットのアライメントだけ、教科書どおりに正そうとしても、なかなかそうは問屋が卸さないってやつだと思う。
例えばそんな時、無理に背中を真っ直ぐにしようとするのではなく、両手のポジションを変えてみたりする。よくある、両手を前に伸ばしたり太ももに手を当てたりするスクワットではなく、小指が股関節に触れるようにアドバイスしてあげると、その方なりの自然な形で胸をはることができて良い姿勢に近づけるかもしれない。
こうゆうのが、ベテラントレーナーの技ってやつなのだ。
とあるトレーナーの話その2
とある腕利きなトレーナーの話。
彼はアスリートのトレーナーとしては本当に経験豊かで素晴らしいトレーナーで尊敬しているのだが、高齢者の指導はあまり経験がないらしい。
なので、ついつい、一つ一つのトレーニングのアライメントにもちろんこだわる。
アライメントを徹底指導できないようでは、パーソナルトレーナーの価値がないというもの。その通りだ。
だが、多くのシニア世代の人はサボっているわけでもなく、意識できていないからでもなく、その普通は理想的と言われるアライメントにするのが超絶辛い場合も多々あるのだ。
姿勢の歪みは、その方の人生そのもの。勲章だとも言える。そんなすぐに治るものではない。
また、例えば、その膝の角度のズレは、膝だけのせいではないかもしれないのだ。
もしかして、そこで無理して頑張ってしまったが故に、その受講生は翌日激痛と戦うハメになる場合すらかなりの割合であるのだ。下手をするとその痛みは長期間になってしまい、長期間運動を休むと体力そのものが落ちてしまう。
こうなってくると、もしかしたらしっかり勉強してきたけれど高齢者経験があまりない凄腕トレーナーより高齢者サロンでボランティア的に指導している地域リーダーの方がましかもしれない。
地域リーダーのおじちゃん・おばちゃんは少なくとも自分も痛いから人の痛みがわかるし、細かいアドバイスなど知らないからできない。なので逆に安全かもしれないのだ。
元気シニアに集団指導が向いていると実感する最近の結論
最近、元気シニアの方への運動指導は、
本当に「ええかげんが良い加減」なんやなって実感している。
もちろん、プロなんで、あまり実力がない指導者の「ええかげん」としっかり勉強した上での「ええかげん」は異なる。わかった上で、危険がない範囲で絶妙に放置するのだ。この匙加減は難しい。
また、元気シニアの方への運動指導は、めっちゃ実力あるベテランであればパーソナルも良いんだけれど、集団指導というかグループレッスンって良いなって実感している。
最新の運動理論をお伝えし、正しいアライメントを示しご指導しても、集団だから、一人一人なかなか目が行き届かない。
気がついたとしても、その方のプライドを保つために集団の中ではアドバイスできない場合もある。
普通に考えると、これはデメリットなんだけれど、このアバウトさが元気シニアの方のトレーニングには良いのかもしれない。
受講者の皆さんは、正しいアライメントを頭で理解し、それに近づけるべく努力もしつつ、無意識なんだけれど絶妙なところで上手に手を抜く。
この手を抜くってのも大事なのだ。
手を抜くことによってケガもしない。ちょっと楽だから運動を続けられる。
仲間の存在も大きい。人と話したり挨拶するだけでも脳への刺激になるし、帰りにお茶しに行ったりするのも素晴らしいメンタルケアになる。
そして、継続できれば、行き帰りに歩くことだけでも体力がつくってもんだ。
・・・本当にシニア世代の運動指導は深い。勉強しても勉強しても足りない感じで本当に楽しい!!
この楽しさを独り占めしないで、皆さんにもお裾分けするし、皆さんからもいろいろ私に教えてほしい!!!
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