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『風吹不動天辺月』(普灯録)

風吹けども動ぜず天辺の月

「普灯録」は、中国の宋の時代に編纂された禅宗史伝のひとつです。
「毒をもって毒を制す」などの言葉も「普灯録」に見られます。

※(二言メモ)

どんなに苦しいこと辛いことがあっても、心折れるな!不動心だ!がんばれ!、のような意味にも思えます。

しかし、「動ぜず」を、「動くことはないから、安心していいよ」と捉えると、どうなるか。


どんなに風が吹き荒れても、天空の月は変わることなくそこにあるから、たとえ厚い雲に隠れて見えなくとも私たちはその光の中にあり、その光は私たち自身の中にもあるから、そう気づいて、安心して生きればよいんだよ。

という風に聞こえてきます。

天空の月は「仏性(ぶっしょう)」を指すともいわれます。
禅宗ならば「柏樹子(ハクジュシ)」「麻三斤(マサギン)」「主人公」など様々に表現され、浄土真宗ならば「弥陀の本願」でしょうか。

わたしたちの本来のこころは、動じることはないのです


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