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「人生そんなに暇じゃない。」


中川淳一郎著・「ウェブはバカと暇人のもの」を読んだ。

数多くのネットニュースの編集をしてきた著者だけに説得力があり、現実的にネットはどういうものなのか?を教えてくれる。

GAFAやYou Tubeが大きく勢いづく前の2009年に出版された本ではあるけど、その内容は2019年の今でもズレてはいなく納得できるものばかりだった。



著者は断言する。

”凡庸な人間はネットを使うことによっていきなり優秀になるわけではないし、
バカもネットを使うことによって世間にとって有用な才能を突然開花させ、世の中に良いものをもたらすわけではない。
むしろ、凡庸な人間が凡庸なネタを外に吐き出しまくるせいで本当に良いものが見えにくくなることや、
バカが発言ツールを手に入れて大暴れしたり、犯罪予告をするようなリスクにこそ目を向けるべきである。”

と。

ネットの世界で多くの人を見てきたから言えることで、これがネットの本質だろう。


この本は、

”情報収集や情報伝達の効率的な道具として、インターネットは素晴らしい。
ただ、それだけ。それ以上でも以下でもない。
ネットの特別視をやめてもっと便利な「道具」や「手段」として冷静に使ったり論じてみてはいかがだろうか?”

と伝えているけど、

まさにその通りで多くの人がネットの前提を間違えているんだよね。

少しでも考えたらわかるけど、

俺みたいな凡人はネットのおかげで優秀になるわけないし、才能も開花しない。

「道具」や「手段」としてネットを活用して上手く掛け合わせることはできるけど、ネットだけじゃ何も起きないんだ。

ネットはあくまでも、情報収集・情報伝達のツールだ。


著者が感じているリスクはもうすでに潜在的なものから顕在的なものに変わっている

暇人やバカのオナニーのためにネットが使われ良い情報が見えにくくなっている。

情報操作というか、情報錯乱のためにウソの情報をバラ撒くことは政治の世界でも行われている。

それに、発言ツールを手に入れたことで匿名で大暴れしている輩だってたくさんいる。

もはやネットの世界で誹謗中傷は日常茶飯事だし、殺人予告は逮捕されるとはいえ珍しいニュースでは無くなった。



ネットの炎上や何かのアンチを観ていると、

よく自分の人生とは関係のないことでここまで怒っていられるなと思うんだよね。

本ではそれを「怒りの代理人」と表現していたけど、

まじでネット上には怒りの代理人がたくさんいて怒りまくっている。

嫌いな人・モノに対して怒りたいがためにその原因を血眼になって探す。

正直、感心してしまうけどソイツはただ単にバカで暇なだけ。

ネットは便利で道具ではあるけど、怒る道具にしている人が多いんだよね。

最近嵐のニノが結婚したけど、ジャニオタ?ニノの嫁アンチ?のヒドすぎる投稿が流れてきた。

推しが結婚したら悲しいのかもしれないけど、他人の結婚を許さないなんてよく言えるよなと。

不倫・浮気・略奪されたならともかく、なんでお前の許しが必要なんだよと思うんだよね。笑

ほんと、余計なお世話以外の何ものでもない。



とにかくネットの世界は、

怒りたい人が勝手に怒っている。
ウソやテキトーな情報で溢れている。

だから、自分もその怒りに釣られてイライラしていないか?情報源はまともか?は気をつけないといけない。

便利な道具ではあるけど、その道具で何をするのか?をハッキリさせるべきだ。


怒るために、ウソを観るために使う時間なんか無いんだよ。

時間は有限。

人生そんなに暇じゃない。



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