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「目を曇らされるな。」
カビール・セガール著「貨幣の「新」世界史 ハンムラビ法典からビットコインまで」を読んだ。
この本を読むのは2回目で初めて読んだ時は何が何だかさっぱりって感じだったんだけど、一年半ぶりくらいに読んでみたらお金についてかなり勉強になるなと感じた。
恐らく、引用されている本を読んでいたり当時とは多少なりとも歴史やお金の知識が付いたからより理解できるようになったんだろう。
読めない・理解できなかったものが、読める・理解できるようになったことが素直に嬉しかった。笑
それに、当時はこの本を一冊読むのに挫折を含めて(理解出来なすぎて)約3週間かかったけど今回は6時間くらいで読めたことも良かった。
お金を儲けることではなく、お金を理解するために様々な分野を勉強した著者が書くこの本は多角的にお金について考察されている。
中でも印象的だった内容は、お金がもたらす成功について。
お金や地位がもたらしてくれるのは〝外面的な成功〟で、それにこだわりすぎる結果、多くの人が熾烈な〝出世競争〟に巻き込まれてしまう。
そして外面的な成功を追求しても、常に自己充足感が得られるわけではない。
と著者は言う。
これは何もお金を稼げない人の言い訳ではなく、調査結果として証明されている。
さらに、外面的な成功ばかりにこだわると何もかもが経済的尺度で評価するようになり多いほうが良いどころか多いほうが正しいと思いこんでしまうと言う。
資本主義社会の現代ではすべてのものに価格が付けられているから、外面的な成功が評価されやすいし多いほうが正しいと思っている人は大勢いるのは確かだ。
ただ、多いほうが正しいと思った結果、見る目が曇り何を大切にするべきか?の判断がまともに出来なくなってきていると続く。
この内容を読んだ時、まさに様々なところで起こっているよなと思った。
最近のニュースで言えば、富士山で転落死をしたYouTuber。
末期癌からの復帰した40歳の司法試験浪人生というプロフィールなだけに、多くの人に何かを伝えたい・もっと観てほしいと思っていたんだろう。
その結果、外面的成功である数字(視聴回数)を求めた。
外面的成功を求めるあまり閉山中である富士山に登り自然の脅威にさらされ亡くなった。
亡くなった方に対して悪いことは言いたくはないけど、これは外面的成功を求めて目が曇った結果だ。
この例えのように、現代は目が曇りやすくなる原因がたくさんある。
インスタやYou Tubeに勢いがある現代は、
フォロワー数・視聴回数等の数字が多ければ仕事になりつまりお金になるからだ。
その結果、面白ければ何でも良い・数字が増えれば何でも良いと思い、命を顧みない行動・他人の迷惑を考えない行動に走る。
正直、数字を追い求める時期はあっても良いとは思う。
何が何でも数字を出すってコミット力は素直に素晴らしいことだ。
ただ、それだけじゃないし、数字を出した先に何を見て考えているかだ。
お金ってただの手段なんだからね。
多いほうが確かに色んなことができるかもしれないけど、多いほうが正しくはないんだ。
数字を追い求めるのは良いんだけど、目が曇ってしまわないように注意しないといけない。
貝、金、銀、硬貨、紙、電子とお金は様々形に変わっているし今後もお金の形は変わり続ける。(お金の未来を書いている内容も面白かった。)
貝がお金なんて現代では考えられないかもしれないけど、
紙や硬貨がお金になっていたなんて信じられないと思う時代はいつか来る。
そして、お金の形が変わると伴にお金の稼ぎ方も変わる。
だから、インスタやYou Tubeだっていつかは終わる。
じゃあ、これからもお金の形が変わると考えた時に、何を大切にすれば変化するお金に対応できるのか?
それは、信頼だ。
ノーベル経済学賞を受賞したアメリカの経済学者フリードマンは、
「緑色の紙切れに価値があるのは、価値があると誰もが信じるからだ」
と言った。
そう、
今のお金はそれが価値があると皆が信頼して信じているから、今のお金には価値があるんだ。
皆が信頼すればそれはお金になる。
そう考えれば、信頼ってめちゃくちゃ大事なことだとわかる。
信頼さえあれば食いっぱぐれることはないんだ。
ただ、現代のように目が曇って数字ばかり追い求めると信頼を失いがちになる。
上述したように、面白ければいい・数字を出せればいいと思った結果周りの迷惑を考えないようになってしまうんだからね。
今はそうしてても数字を出せて外面的成功に浸かれるけど、それは信頼を失っているんだから結果的に自分のクビを締めていることになる。
数字を出した人間は数字を語って権威をひけらかしてくるけど、ただ単にそれに惹かれたらダメだ。
それは目を曇らせにきているんだからね。
数字を大々的に使ってくる奴は要注意だよホントに。
注目すべきは態度や姿勢だ。
そこに信頼できなかったら参考にする価値はない。
ちょっと長くなったから、信頼については明日また書く。