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「便利さと引き換えに。」


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では、本題。


ジェイミー バートレット著・「操られる民主主義 デジタル・テクノロジーはいかにして社会を破壊するか」を再読した。

テクノロジーと政治について最先端の研究をしている著者が書いたこの本は、

なぜテクノロジーは民主主義と社会秩序まで変えてしまったのか?この流れを変えることはできないのか?を知ることができる。

この本を読んで、第三者に判断や意見を委ねてはいけないと改めて思った。

自分で考える・自分で動く大切さは今まで何回も書いてきたことだけど、

なぜそれが大切なのか?がさらに理解ができた。



そもそもグーグルやフェイスブックをはじめとした企業のサービスを、なぜ無料で使用できるのか知っているだろうか?

お金はたしかに無料かもしれないけど、使用者はしっかりとあるものを交換している。

それが個人データだ。

つまりひそかに監視させることを認めているから、素晴らしいサービスをタダで使用できるんだ。

そしてその集めた個人データをもとに、アナタの趣味嗜好にあった広告が表示される。

しかもビックデータを使ったアルゴリズムが不気味な点は、当人さえほとんど自覚していない点まで解読されてしまうこと。



たとえば、アメリカのある心理学教授が性格的特徴を判断するオンライン調査法を開発した。

それはフェイスブックの何に「いいね!」ボタンを押したのかを解析するだけで、

ユーザーの性的指向・民族・宗教的信条・政治的見解・知性・幸福度・薬物の使用・親の離婚の有無・年齢・性別

といったさまざまな個人的特徴があぶり出されてしまうもの。

実際に著者がこの調査法を試したところ、「いいね!」だけで過去の経歴や養育歴まで正確に分析されてしまった。

「一見するとまったく無関係のような音楽嗜好、読書傾向からアナタの信心深さ、リーダーとしての素質、政治的信条を正確に抽出できる。
だからこういったアルゴリズムは世界を変えてしまう。」


と教授はいった。

もちろんこれは教授の開発した調査法だから、この手法をフェイスブックが使っている証拠は無い。

無いけどだ。

無いけどユーザーはカンタンにコントロールされてしまうってこと。




そしてこれがモラルシンギュラリティを引きおこしてしまう原因になる。



技術特異点があるように、モラルにも特異点があると著者はいう。

この地点に達すると、人間はモラルと政治をめぐる判断を人工知能にゆだねてしまう。

批判と判断能力が衰えてしまえば、何もかもコンピュータに任せたほうが楽だし、確実だからだ。

ただ技術特異点のようにモラルシンギュラリティも、その地点に達してしまうと後戻りはできない。

人間ではなくモラルや政治の判断を人工知能に委ねてしまえば、民主主義は衰退してしまう。



多くの人は何を選び、どう決定するかをテクノロジーに助けを求めている。


ここを警戒しなくちゃいけないんだ。


それは目先の助けにはなるけど、長い目で見れば判断力は衰退している。


便利さを手にして何を手放したのか?何を提供しているのか?を知ろう。


すべての判断を人工知能に任せたら人間のいる意味ないよな。



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