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「すべてをチカラに。」
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では、本題。
石村博子著・「たった一人の引き揚げ隊 10歳の少年満州、1000キロを征く」を再読した。
レスリングで大活躍し、日本にサンボを広めた功労者であるビクトル古賀。
そんな彼が一番人生で輝いていた時期は、
格闘技で活躍した時ではなく、満州から日本に1人で帰国した10歳の時だという。
そう、彼は満州で生まれ育ち、戦後、10歳で日本に帰国したロシアと日本人のハーフである。
では、彼はたった1人でどんな旅をしてどのように帰国したのか?
それを書いたのがこの本。
10歳にしてここまで冷静にたくましく旅をできるのはスゴいなと思いっぱなしだった。
彼はどうやって1人で帰国できたのか?
一言でいえば、すべてをチカラにしたからだ。
彼はロシア辺境に住む軍事的集団・コサックとして育ち、
馬の乗り方・自然の読み方・祈り・戦士としての覚悟を小さい頃から教わってきた。
つまり、生き抜く智慧をつけサバイバル能力を磨いてきたんだ。
そのすべてをチカラに変えたのが1人旅だ。
ハーフということで差別を受け、日本に帰る集団引き揚げ隊から棄てられても、
「左に路線・上に太陽・前方に木、これだけあれば前に進めるよ」と語っていたように、
自然を読み天候を予測し
飲んでも大丈夫な水か?食べれる草か?を判断し
短剣を上手に使いこなし
確実に歩みを進めていった。
俺はこの本を読んで、
「知識・体力・気力」
自分が今持っているものはぜんぶ「タカラ」で、それを使うことではじめて「チカラ」になるんだなと思った。
今自分にある「タカラ」をどう「チカラ」に変えれるか?を考え尽くして出し尽くすことが重要なんだよね。
だって、最終的に頼るものっていったら今自分にあるものだけでしょ。
ビクトルは他に頼る人もいない状況だったから、自分の「タカラ」を「チカラ」に変えれたんだ。
それをやらなきゃ死ぬしかなかったからね。
ただ、この「タカラ」から「チカラ」に変えている人間は日本にどれだけいるだろうか?
「タカラ」を持っていても使う必要がないほど豊かな時代、「チカラ」を付けている人間はどれだけいるだろうか?
おそらく、ほとんどいないんじゃないかな。
正直、しょうがないといえばしょうがないとは思う。
だって日本は、たいして考えなくても生きれちゃう超豊かな国だからね。
でも、チカラに変えてなかったら当然チカラはつかないわけ。
生き抜くチカラ、1人でも獲物を狩れるチカラはつかないわけ。
少しずつでもタカラをチカラに変えている人間と、タカラのままにしている人間。
当然、その差はどんどん生まれていくよね。
じゃあ、どうすればタカラをチカラに変えられるのか?
俺はビクトルのように1人になることが重要だと思う。
「もし、引き揚げ隊と一緒に行動していたら死んでいたかもしれない。」
と語っていたように、
彼は集団から棄てられ1人になったことで生命力を失わずに済み、
自分の命は自分で守り、生きて日本にまでつくことが出来たんだ。
極限状態の1人になることで、どうやったらチカラに変えれるのか?を自分で考えて行動に移せるようになるんだ。
いつまでもエサを与えられているような環境じゃチカラはつかないよ。