「憎しみより愛を。もしくはシカト。」
松田行正著・「HATE! 真実の敵は憎悪である。」を読んだ。
以前紹介した「RED ヒトラーのデザイン」は副題の通りヒトラーのデザイン史で、この本は人種差別の表現史。
つまり、黒人・黄色人・ユダヤ人はどう差別を受け表現されていたのか?が書かれている。
現在進行中でヘイトや人種差別が蔓延っている現代だからこそ読む必要があるなと思った。
この本を読んで改めて思ったことは、
憎悪はまた新しい憎悪を生むということ。
もっというと、憎悪は憎悪しか生まないということ。
そこを理解している仕掛ける側の人間は、大衆の憎悪を膨らませるような表現を繰り返してきた。
わざと・無理矢理にでも「敵」を作るんだ。
そこに真実なんか要らない。
古代ギリシャの詩人・アイスキュロスは
と言ったとされる。
そう、戦争で一番重要なことは相手に勝つことだから真実なんてどうでもいいんだ。
最後に勝てば良いんだから嘘でもいいんだ。
戦争の歴史を知れば、ことの発端は単なる言いがかりが多い。
日露戦争は日本の、アロー戦争はイギリスの、自作自演。
真実なんて関係なく、とにかく敵を作り大衆の憎悪を膨らませるために活用されたのがプロパガンダポスター。
今見てみるとかなり酷い内容だし、稚拙すぎてくだらないとさえ思える表現によって大衆は憎悪を刺激されていた。
そして、本当に敵だと思っていた。
現代は流石にあからさまなプロパガンダポスターは見ない。
だけど、SNS全盛の現代が一番憎悪を刺激されやすい時代なんじゃないかな。
イライラするために、誰かを憎むために、SNSをしているんだろうか?と思ってしまうほどだ。
顔がバレないから良いと思っているのかは知らないけど、匿名で利用できるSNSでは人は言いたいことを言いまくる。
性格が悪く、基本的に口が悪い俺ですら感心するレベルの稚拙で汚い言葉が飛び交っている。笑
絶対顔が見えていたら言えないだろといつも思う。笑
いくら匿名とは言え、あまりにも酷い表現は即通報・逮捕されることを知らないんだろうか。
言葉の力は絶大なんだから、簡単に他人を傷つける道具になってしまう。
とにかく、良い面も当然あるけどSNSは精神衛生上よろしくない。
と著者は言っていたけど、SNSを眺めているとホントそう思うな。
残念な性を持っているなら、その性を変えなきゃいけない。
変えれなかったら抑えなきゃいけない。
その為には、知性や知恵が必要なんだ。
読書をし、多くの経験を積み、学校教育以外の知識を増やす。
相手の事を知る、歴史を学ぶ、挑戦する、失敗する。
それが知性になり人生レベルで活用できる知恵になる。
男性小便器にサインをしただけの作品が有名な超自由人美術家・マルセルデュシャンは、
と言った。
SNSを利用する全人類に刻むべき名言だ。
日本は後進国だから、生活は改善されるどころか悪くなる方向に進むと思う。
今よりも格差は広がり、治安も悪くなる。
でも、そこで憎悪に煽られずに、なんとかしようと踏ん張れるかが重要なんじゃないか。
俺は1200文字以上毎日note更新をしているけどイラついたり、やる気がなかったりと何度も止めたくなることはある。
でも、そんなイラつきや、やる気が原因で踏ん張れなかったらこの先何も手に入らないと思ってるんだよね。
だから、そんなのシカトするんだ。
憎悪もやる気も全部シカト。