戦争の愚かさと悲しみを胸に、傑作『ガンダム0080-ポケットの中の戦争』
クリスマスになると必ず思い出すアニメがあります。
戦争というものが、悲しみと憎しみしか生まないことを子供たちに伝えるための作品だと個人的に思っています。
それは『ガンダム0080-ポケットの中の戦争-』
#アニメ感想文
これは今では不動の人気を誇る『機動戦士ガンダム』の初のOVA(オリジナルビデオアニメーション)作品。
なぜクリスマスの時期かは作品の内容にてクリスマスの時期を描いている為。
この作品はいかに戦争というものが愚かだということ、人との信頼の大切さを教えてくれる作品です。
もし皆さんの大切な人たちがお互いに知らないまま戦い、戦争をしていたらどう思いますでしょうか?
※ネタバレ含みます。
◎憧れが人生の引き金を引く。
この作品の主人公は、MSに乗る大人ではなく、12歳の短髪の少年「アル」になります。
ガンダムに乗らない少年が主人公は後にも先にもこの作品のみ。
物語の始まりとして、アルや友達の学校での楽しみはモビルスーツと呼ばれるロボットの戦いに興味があり戦争はカッコイイものだと思っていました。
しかしちょうどその時、コロニーと呼ばれる宇宙居住スペースに敵国であるジオン軍が忍び込んできます。
そこでたまたま不時着したジオン軍のバーナード・ワイズマン伍長、通称バーニィとアルが出会い、そしてアルの家のお隣に住んでいて連邦軍の事務で働いているお姉さん、クリスチーナ・マッケンジー通称クリスとアルは再会をする。
そこからこの作品ストーリーが始まります。
◎平和だったコロニーでMS戦
バーニィと仲良くなったアルは憧れからか役に立ちたいと思い、連邦軍基地の中に忍び込み、極秘裏で開発が進んでいたガンダムを見つけてしまいます。
そのあと、バーニィがジオン軍の先輩方に情報を伝え、コロニー内でガンダムを破壊すべく強襲、戦闘を始めます。
平和だったコロニーで戦闘が始まり、街の一部が破壊され、アルの知り合いも巻き込まれ亡くなるなど。
バーニィも前線に出るが、連邦軍の新型のガンダムに仲間たちが返り討ちにあい、先輩、上司を失います。
◎最後の戦いと別れ
返り討ちにあい唯一生き残ったバーニィはジオン軍から、作戦が失敗したらコロニーに核ミサイルを撃ち込むと連絡がきました。
作戦失敗をしたバーニィはそのままコロニーを後にする予定でした。
ですが、アルから仲間の仇を打たずに逃げるのかと煽られます。
空港まで行き、搭乗寸前のところでバーニィは戻り、ザクに乗り、
新型ガンダムに立ち向かうために様々な作戦を立て戦うことを選びました。
バーニィが勝つことで核ミサイルの発射を阻止させるために。
そして一騎打ちとなり、性能の差で追い詰められてもなお戦うバーニィ。
その戦いの最中に核ミサイルを発射しようとしたジオン軍が連邦軍に捕まったとニュースが流れた。
もうバーニィが戦う必要はない、アルはモビルスーツ同士が戦闘している場所に行きバーニィに伝えようとしましたが間に合わず、バーニィは敗れ亡くなります。
そしてザクにとどめを刺した新型ガンダムを操縦していたのは、クリスだったのです!
作中バーニィとクリス、お互いに惹かれあう描写もあった中、皮肉にもお互いが操縦していることを知らずに戦い、命を落とす。
アルはクリスがガンダムから降ろされる姿を見てショックを受けてしまいます。
◎1話の冒頭と6話の最後に伝えたいことが詰まっている
そしてすべてが終わり、クリスはまた仕事でコロニーから出ていくことになりアルにあいさつに来る。
アルとしては、クリスはコロニーや街を守るために正しいことを行ったのは間違いない上にバーニィが乗っていたことさえ知らないため複雑な感情に浸ります。
そして1話の最初と6話の最後のシーンにて、学校で校長先生らしき人が戦争について語っています。
1話では校長の話を聴きながら、アルは戦争が楽しいものだと思ってはしゃいでいました。
しかし6話では戦争によって大切な人を失ってしまったという事実を目の前で目撃。
しかも戦った者同士が知り合いだった。
お互いの正義の為に戦い、敗れ亡くなる。
アルは最後にバーニィからもらったビデオを思い出し、最後に泣き出すところでこの作品は終了します。
そのシーンにこの作品が伝えたいことがすべて詰まっていると思っています。
◎まとめ
正義の反対は悪ではなく、別のまた正義。
ガンダムの世界もジオン軍は悪ではなく、連邦軍に虐げられてきた過去からの独立の為に戦っている背景があります。
お互いが正しいと思っているから戦争とは起こるものだと。
如何に戦争というものが愚かで悲しいものだというものをアニメを通して伝えてくださっている作品だなと思います。
僕はぜひとも大人もですが、子供たちにも見ていただきたい作品だと思っています。
むしろ義務教育に組み込んで欲しいくらいメッセージ性もあります。
現在ガンダムチャンネルで有料ですが見る価値はありますので休日、冬休みなどにぜひ見ることをおすすめします。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
ではまた。