2024年下半期にやってよかったゲーム10選
ども、半年年ぶりになります
気がつけば3年目になりました半年に一回の恒例、下半期の10本をご紹介します。
あくまでも自分が今年やったゲームという事をご留意に
クリティカルなネタバレはないにしろ、紹介のためにいくつかの情報を
書いているのでちょっと見て気になったのであれば何も考えずにウィッシュリストに入れるか買いましょう!
上半期版はこちら
INDIKA
天使と悪魔は見分けがつかない
よく分からんけど美麗なトレーラーと本当に賛否両論っぽい雰囲気で購入………これはめちゃくちゃ評価分かれますわ!!!
ゲーム性はあまり褒められるような部分はない………が確実に、絶対これはビデオゲームでしか表現のできない作品
ストーリーとしてはちょっとドジな若き修道女インディカが修道院から託された手紙を届けに行く、その途中でなんやかんやあって脱走した囚人イリヤと一緒になんでも願いが叶うと信じられている聖遺物を求めて旅へ………という内容
とにかく映像美が凄まじい、タルコフスキーよろしくロシア映画の長くコントラストの薄いカット、ゆったりとして陰影のはっきりとしたムービーシーンはゲームでは中々描かれない構図の連発となる
もちろんムービーシーン以外のカメラワークも相当練られており、美しい背景を魅せながら操作性が悪くならないようになっている
主人公の過去シーンは昔ながら…なのかドットの表現になっており、楽しかった、鮮やかでどこか他人事の様な作りになっている。これもまたいやらしい作り……
まるで映画に近いような手触りになっており、退屈に感じることが多いかもしれないが、ラストシーンの表現は凄まじい体験と感じられる、是非とも最後までやっていただきたい。
事前情報としては、キリスト教に対しての知識とロシア正教会の関係を理解しておくと物語へのテクスチャが細かく感じられる
BRAID Anniversary Edition
グラフィックも新たに、インディーゲームの始祖となりえるゲームが巻き戻る
あぁそうか………もうそんなに立ってしまったのか………と感じながらの一本
2008年に元々のbraidが発売、16年……アニバーサリー……??まぁ元々2020年に情報出ていたので何がアニバーサリーかはわからない………
時代はxbox 360、比較的だれでも気軽にゲームが発売できるXbox LIVE アーケードで特に人気になった作品
色々な場所にて話題になっているが今のインディーゲームという枠組みで考えた時に外すことの出来ない黎明期の名作
2Dプラットフォーマーのパズルとそれほど新しい訳でもなかったがとにかくシステムや演出、絶妙に難しい難易度がとにかく秀でていたのが当時から感じられた1作
"プリンスオブペルシャ時間の砂"の様にミスをした際に巻き戻す事の出来る能力と、合わせて色々と追加される時に纏わるギミックを解きながらステージを攻略していく。
まぁ………もう16年前のゲームなのでご存じの方も多いとは思うがストーリーやキャラクターの演出も今の時代でも唸るところがある
この後傑作、名作であり怪作、The witnessを発売するがパズルに対する凄まじい考えが伝わる名作
リマスター発売当時大不評だったローカライズも当初の物に変更、なんでわざわざ変えたの…?
STAFFER CASE
隠していることが理想でも、真実を知りますか?
またまたパズルに狂っているフォロワーが唸っているのを観測して購入、のすさんありがとう…
実は気にはなっていたが日本語ローカライズされておらず、推理物で英語だとちょっと二の足を踏んでいた所に、続編であるstaffer rebornのローカライズを受けてその後本作も日本語対応へ
19世紀のロンドンに集まる超能力者(staffer)達の起こす事件を解決していく推理ゲーム、明言されているが逆転裁判が好きなチームとの事で細かい部分でそのエッセンスを感じられる。
普通の推理ゲームと異なり、超能力者を用いているため水平思考の様な想像力が試される………のだが、「へへーん分かった、私は天才!!!」と思え、「もしかしたら本当は………」と情報の小出しを読み解くことによってどの場面も常に楽しさと考える面白さが続く、本当に手のひらの上で転がされました....…
主人公のケースを操作(捜査と掛けてますってかーw)して矛盾点や情報を繋げ合わせる が絶妙な難易度でヒントもあり独特な面白さがある
ダンガンロンパのクライマックス推理の様な最終結論をだす六角推理も操作しながら一つに繋がる感覚が味わえる
また、この操作もストーリーテリングに上手く噛み合っている
キャラクターもとても魅力的でマナ事件専任チームのチーム長レッドフィン、超真面目で自己犠牲の強いブリアン、男勝りで血の気が強いテナ、それぞれの能力や思い、隠していることや考えていることを交えた幕間の会話やストーリーがすばらしい
デモ版として、2つの事件を無料で遊ぶことができる。是非ともまずは触れていただき、肌に合うと感じた人は購入して頂きたい。製品版になる3章からとんでもなく面白くなるので…
来年でるであろう続編も楽しみである
Inverted Angel
天使と悪魔は見分けがつかないのなら、お話しをしようよ
ちょろっと情報をインターネットでみて気になっていた1作ではあったが名取さなさんが配信でやるとのことをみて購入、自分でクリアーした後に見たいから………
覚えのない彼女と名乗る人との会話をインターホン越しに行い、自分と彼女は何なのか、どの様な関係なのかを読み解いていくゲームとなる
とにかくテキストの独自性と読ませる面白さが凄まじい、テキストアドベンチャーの中でも高品質で中々哲学的な内容にはなるが手を止めずに会話シーンは読むことが出来る。彼女ちゃんの言語センスが爆発
マルチエンディングのゲームとなっているがそれぞれのエンディングも色が濃く、特に最初の選択で選んだエンディングによってゲームを体験した人がどの様に感じながら進めたのか、を感じることができ個性の出る面白さがある。
シナリオ分岐の部分も、AIによる言語処理を用いており、おおよそ考えている事が要約されて選択肢として選ぶ事ができる。限られた中ではなく、これまでの会話ログを見返しながら自身で言葉を選ぶ事で会話相手の事を深く理解しようという事にも繋がり短いながらもとてもキャラクターへの愛着が湧く。
文章判定を行うことで、選択肢から考えるのではなく自分が見ず知らずの彼女をどのようにとらえているか、という鏡の様な自己投影に近い感覚で会話の中からインターホン越しの"彼女"という存在をどのような人物であるか、ある意味偏見の様な肉付けを行うことで、自分の中のとらえ方、解像度の作り方が定まりマルチエンディングという線へと上手く気持ちが合わさる作りになっている。
自分で文章を考え、思い返しながら打ち込むという一連の流れが入る事でこれまでのテキストアドベンチャーからの進化を強く感じた。またゲームを通してのメッセージ性も素晴らしくこれまでの数多くのADVで感じ取ったものの一つの答えの様な物を得られる素晴らしい作品となっている。
テーマ曲もBGMも作者本人作成、本当にすばらしい作品なのでゲームやる前もやった後ものんびり聞きましょう
将軍対決
タイトルおもろいな……と思って買った一作、実際は思っている以上にこれまでのローグライクをうまくまとめる事のできた作品となっていた。
カードによって攻撃をする横移動のみのローグライトアクション
カードの取得や強化、レリックやさまざまな特徴(デッキ)を持ったキャラ……とローグライトにある要素は網羅されている。
とにかく、不満点、不足点が異様に少ない事がとても好印象。バランスの崩れているカードもなく、敵の特徴や攻撃予測をしっかり考えながら一回一回の行動を考えて行う。
このバランス調整がリリース初期から保たれているので歯ごたえや考えがとても楽しい。
武器に関しても、横一列という制限と構成を上手くしており、敵までダッシュ、貫通、遠距離攻撃と選択肢の幅が広すぎないことでシナジーを考えるというよりはリソースを考えながら進行していくことが常に考えられる。
オススメのできるローグライク、といえば名を上げたいレベルで高品質、シナジーを重ねる無双系ではなくシレンのようなじっくり考えたい人にオススメ
Leap Year
閏年のカレンダーを集めるゲーム…………以上!!
2時間ほどの小粒2Dアクションとしてとても優秀、かつ発見をするという楽しみが良い感じに置かれている
主人公はスペランカーよりも貧弱で自分がしたジャンプで頭から落ちてヤラレチャッタ……となるのがシュール、弱すぎる
過去2022年のベストに挙げたTunicもそうであるが、アクションや道に気づく楽しさ、ひらめきが濃縮されて味わう事ができる。また、短い事から2週目で触れ始めてシーケンスブレイクの様な事が手軽にできるのも面白さにつながっている。
閏月モチーフなので、おおよそ日付の順番で追っていけばいいと思え、操作すると大体その順番になるレベルデザインもよくできている。バレンタインデーの日ではハートのマークの中にカレンダーがある、という様な小ネタもちょっとした緊張を和らげる作りになっている。
BGMの使い方やリプレイ性もよく、短いながらも長時間のゲームができる様工夫がされている一本、短めのゲームでオススメと言ったらこれ!
Viewfinder
そういえば去年のindie worldのアワードでしたな……やらねば………と思って1年経ってしまった1作
写真を撮り、その風景の中に入る事できゴールを目指すことのできるパズル。もうコンセプトから素晴らしい
言い方が悪いが……パズル部分とビジュアル面を推している作品だと思っていたが、しっかりと作品の根幹を作っているストーリー部分が素晴らしかった
どうしてカメラで風景を切り取る事ができるのか、その先に何がありゴールなのか、明確な提示がある事で風景や手法を含め細部まで解像度が上がった。
メインのパズルに関しても、写真を撮ってその中に入る、だけでは無く視覚情報やイラスト、焦点を使用したパズルなど飽きがこない様多様で凝られているのが多くワクワクしたままクリアーする事ができた。
いくつかストーリーを進めるために必須のパズルがあり、それとは別に高難易度のステージも用意されている………のだが、私はとある高難易度ステージでの衝撃的なギミックでこのゲームの虜になってしまった。是非とも全てのステージを体験していただきたい。
難易度はそこまで高くないので、パズルゲームに触れてみたい、という方に強くオススメできる一作
Lorelei and the Laser Eyes
トレーラーかっこよすぎ〜〜〜〜〜
最近ご縁があり出演させていただいてるgame game内の番組game music cityにてラブムーさんからのオススメもあり購入
とにかく須田51(というよりKiller7)よろしく、下に字幕がありモノクロに近く、ショッキングピンクに近い色が強調されている尖ったビジュアル、がゲーム内で永遠と続いていく
内容としては手紙をもらった主人公が永遠と小さいパズルを解いていく……というものである、それほど難易度が高くないパズルが7割、結構頭を使うのが3割……位の割合
登場人物やセリフがとにかくクセのありビジュアルも合わせた独特の世界観が構成されている。言葉選びや不思議なしゃべり方をするキャラクター達.…見た目も変わっている、夢の様な不思議な世界観の屋敷にとらわれてしまう。
解いていくと感じるが、パズルにも館にも、明確に意図と意味が存在している。レイトン教授シリーズの様に手助けをするパズル……という訳でもなく、出題される謎、解答に関連性や意味もあり解けば解くほど数字や文字に対する見え方が変わってくるのも素晴らしい作りとなっている。
とにかくどんどん、解けそうなパズルから解いていき気付きと試しを得ながらどうして主人公は呼ばれたのか、真実とは何なのか、苦悩しながら是非とも味わっていただきたい
プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠
プリンスオブペルシャ...…のローグライクではなくメトロイドヴァニアの方、なんで今年2本も同じシリーズで出すのよ!!!!
純粋な新作IPとしては2010年の"プリンス・オブ・ペルシャ 忘却の砂"からおよそ14年振りとなった本作、本当は時間の砂のリメイクが先に出ているはずだったんですけど....…
ともかく、2000年代初頭のUBIを代表する一作が今回メトロイドヴァニアとして作品を出したのだが、プリンスオブペルシャとしても、メトロイドヴァニアとしても高品質な一作となっていた。
プリンスオブペルシャらしさとは.…と考えると2Dの頃は滑らかなグラフィックとパズル、パリィの様な戦闘であり、3Dになってからは後のアサシンクリードに続くパルクールの様なアクションが想起させる。
本作はどちらの良さも受け継いだ次世代のプリンスオブペルシャである印象を持った。
今作の主人公サルゴンはペルシャを守る「不死隊」のメンバー、戦争を終わらせ祝杯のさなかそのメンバーが王子をさらい神秘的な山へ..…とストーリーは至って普通
とにかくアクション難易度の調整幅や細かい部分での設定が可能であり、アクションが得意な人も苦手な人も楽しんでもらいたいという気持ちが十分に伝わる。それにこたえられる様に、2Dパルクールアクションはとても爽快感と達成感のある素晴らしいバランス調整となっている。
また、メトロイドヴァニアにありがちとなる戦闘面での単純作業による飽きが発生しがちな部分も本作では珍しくコンボによりダメージを稼ぐ方法がメインとなっている。
ボス戦などではソウルライクの様なパリィやドッチでの回避がメインとなるが、道中でのアクションのコンボをためしてダメージを稼ぐ、アクションを用いた新しいコンボや解決方法など飽きさせない工夫がされている。
メトロイドヴァニアでの探索要素も濃密であり、ストレスフリーになるように設計がされている。特徴的な部分が次の目的地を表示させるかどうか、またアクションが覚えておらず勧めそうにない部分を写真を撮ったりマップに表示させる機能となっている。探索範囲が広がっていると思い出させる、気づかせる導線やユーザーでの意識保存が上手く導線として機能している。
(この辺りはあまりハマれなかったAnimal wellで感じたものへの回答な気がしている。もちろんAnimal wellはそこに重さを置いていたので何ともですが…)
欠点として、ムービーシーンでの音の途切れや謎のディレイなど、クオリティーに少々難がある部分もある。しかし数多くのアクセシビリティや探索を楽しめるギミック等、全ての人に楽しんでもらいたいという気持ちが多く伝わる
色々物議があり、開発チームも解散しているとゲーム外で話題が多い本作ではあるが、近年のメトロイドヴァニアを研究し、高水準で広く楽しむことができる為オススメできる一本となっている。
Slay the Princess — The Pristine Cut
去年の賞レースで数々の部門で賞を取り、今年のIndie Live expoにおいても大賞となった一作
噂は兼ねがね伺っていたが、追加シナリオと合わせて日本語が実装された。
近いゲームといえば、アナウンサーが行動を選んでくる"The Stanley Parable"、"ICEY"の様なものがあるが、本作はさらに"disco elysium"の様に主人公の複数の内なる人格がしゃべりかけてくる。その声達に従うか、ひねくれて全部無視するか...…
購入してまず驚くのが容量であるが、見た目のモノクロのイラストから想像がつかないような12GB近くとなっている。本作の製作者グラフィック·ノベル作家、Abby Howard氏によるアナログのイラストとムービーシーンが凄まじい量ととんでもないボイスの量によるものである。まさに熱意の総量である。
本作も、先に上げたInverted Angelもそうであるが、こちらは考えうる大体の選択肢が盛り込まれる作りになっている。しかもフルボイスで。
また、似たような部分にもなるが選んだ選択肢によって倒すべきプリンセスの姿や性格、考え方なども変化していく。
とにかくシンプルな作りであるが、熱量と細かい所へのこだわりが素晴らしい。本作は英語での音声のみであるが、ナレーターの声と勇ましい勇者の声、格式の高い騎士の声など、独特で特徴のある使い分けや姿かたちの変化するそれぞれのプリンセスの使い分けなど、音声や英文にもぜひとも集中をして感じてほしい
素晴らしいゲームであり、強い思いとメッセージ性があるが、それは是非一度クリアーをした後ラブムーさんのさらに詳細に言語化されている記事を読んでみると愛おしさが深まる
2024年総評
今年はとにか~~~~~く尖っていて面白くて刺さるゲームが多かった、年頭にやったVoid Stranger含め..…
VA-11 HALL-AのFernandoさんもオススメしていたのでやりましょう
ただ、人に勧められるか.…と言われると少し戸惑ってしまうのも多い..…
というのもあり今年は割と色々な人に勧められて面白さが伝わりやすい
Inverted Angelが個人的GOTYとしました!!!
まぁこのInverted AngelとSlay the Princess — The Pristine Cutで君と彼女と彼女の恋。からず~~~~~っと小さく心に残っていたビデオゲームとメタフィクション、そして付き合い方と折り合い方、みたいなのがわりと心ですんなりと落ち着いたのも要因ではあります。これはとても長くなりそうなので時間を見つけて残したい..…
今年のリプレイはこんな感じ、95本やったみたいだけど書いてる途中にもいろいろやっているしswitchやゲームパスでもやってるので100は超えてそう
steamの個人アワードはこんな感じ
来年はとにかくAAAタイトルが多く、モンハンから始まりSlay the spire 2やGhost of Yōtei、(多分出ないけど)GTA6もあり時間が足りね〜〜
番外宣伝
いつもの事ですが、半年に一回行っているクラブミュージックとゲーム音楽のミクスチャーイベントAVGNを開催します。
今回お仕事で自分は参加できませんが、素晴らしい出演者の方々ですのでよろしくしければ遊びに来てください。
#AVGN0118
2025年1月18日(土)@阿佐ヶ谷Drift
15:00~ 21:00
Door ¥2,000+1D
Resident DJs
oogimix
flm
Guest DJs
デラ
Rei8bit
J.A.N.E
Jester
jt
VJs
Mitsuaki
鬼多沢弓