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文章のみがき方

辰濃 和男 著『文章のみがき方』を読みました。
いい文章を書くために、作家・文豪達のアドバイスから実践的な方策を綴った本です。


自慢話は書かない

辰濃 和男 著『文章のみがき方』

特に気を付けたいのは、自分の欠点を書いた風を装って自慢話をしているというケースですね。
いわゆる「自虐風自慢」というやつです。
気のきいた文章を書きたいなら、自分がピエロになり、自分の欠点を容赦なく書くことです。

削れば削るほど文章がよくなるかといわれれば「多くの場合はそうだろう」というほかはありません。

辰濃 和男 著『文章のみがき方』

常に削ることが正解とは限りませんが、大抵の場合、文章は削った方が良くなります。
「途方にくれた場合は削れ」という太宰治の忠告が面白いです。

いい文章を読むことは、いい文章を書くための大切な栄養源だ

辰濃 和男 著『文章のみがき方』

この「栄養源」という表現はぴったりだなと思います。
栄養を吸収するためには、ゆっくり消化しなければいけません。あせってよく噛まずに飲み込んではいけません。
いい文章は、ゆっくり丁寧に熟読するのが良いと思います。写経するのも良いでしょう。
村上春樹は(いい文章を書くためには)「何度も何度もテキストを読むこと。細部まで暗記するくらいに読み込むこと」が大事と言っています。

単純・簡潔に書く

辰濃 和男 著『文章のみがき方』

スローガンのように、短くズバッと言うと深く心に響きます。
しかしこれは大きな危険性も孕んでおり、間違った方向へ人々を誘導する影響力もあります。
戦時中の「ぜいたくは敵だ」「欲しがりません、勝つまでは」とかですね。

外国語の乱用を避ける

辰濃 和男 著『文章のみがき方』

アジェンダだのアサインだの、むやみやたらに外国語を多用すると意識高い系だと思われるよってことです。

抑える

辰濃 和男 著『文章のみがき方』

これは文章に限らず、映画やドラマなどでもそうですが、あからさまに悲嘆を見せつけられると、かえって興ざめすることがあります。
あえて感情を抑えた演技の方が、かえって思いの深さが伝わってくるというわけです。

異質の本を読むことで、私たちは第一に自分の世界をひろげることができます。
第二に、未知の世界に出あうことで脳の働きに刺激を与えることができます。

辰濃 和男 著『文章のみがき方』

色んなジャンルの本を読んだ方が良いということですね。
特に日本人の読書傾向は、日本人の書いた本にすごく偏る傾向があります。海外の小説を読むことは、文章を書く上で大きく幅を広げるでしょう。

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