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冲方丁『十二人の死にたい子どもたち』
タイトルと表紙、そして作者名を見た瞬間に「これは読まなければ」と思った本です。
本作品は12人の少年少女が登場する群像劇です。
登場人物が多いので
「これはキャラクターを覚えるのが大変そうだ」と思いましたが、
一人ひとりが分かりやすい性格、口調、容姿をしているため、
小説を読み進めていれば自然と12人全員を覚えることができました。
推理小説として読むとかなり複雑です。
しっかり推理したいのであればメモを用意して、
登場人物全員の行動を把握する必要がありますが、
そこまで気負わなくても普通に小説として楽しめます。
『十二人の死にたい子どもたち』という穏やかではないタイトルですが、
実際に読んでみるとそこまで重い話ではありません。
冲方丁さんはSFや漫画原作などを手掛けている小説家なので、
作者の作品を読んだことがある人なら、
エンタメ性の強い作品だろうなということが想像できると思います。
12人の少年少女に共通するのは「希死念慮」や「自殺願望」で、
死にたいと思う理由も様々です。
完治しない病気を持っているとか、保険金絡みだったりとか。
明確な理由がなく漠然とした希死念慮を持っている人物は少ないです。
Wikipediaに『十二人の死にたい子どもたち』のページが存在しますが、
モロにネタバレが書いてありますのでご注意を。
ところで表紙の女性は、登場人物のうち一体誰なのでしょうか?
鋭い視線から真っ先に連想したのはアンリでした。
しかし服装が一致しません。
次に端正な顔立ち、美しい容姿という点でリョウコが思い浮かびました。
しかし髪型が異なるようです。
ミツエ、マイは特徴が全く違います。
メイコとユキはこんな表情はしないだろうなぁ。
というわけで、表紙の人物は「誰でもない」と私は予想しています。
アンリかリョウコだと思って読んだ人が多そうな気はします。