拘束時間は学力に比例する?
私が所属する学校では、中学3年生は月曜日と水曜日に7時間授業があります。
50分間の長い授業を、1日の中に7時間行うのです。
教員になってから考えてみると、そんなに大したことないように感じますが、時たま生徒と一緒に混ざって授業を受けていると、50分間1つの授業でも十分疲れることが分かります。
それも、生徒主体で活動できるのであるのなら、まだしも聞く一方では眠たくなるばかりです。
果たして、こんなにいたずらに長く授業をして、学力は向上するのでしょうか?
そもそもなぜ7時間授業??
それは単純に国語の単位数と英語の単位数を、本来の指導要領に明記してあるコマより1コマずつ増やしているからです。
そうすることで、高校との接続を速やかに行い、学力も向上すると考えたのでしょう。
しかし、そもそもいたずらに授業時間を増やしただけで、学力は向上するのでしょうか?
学力を伸ばすために何をすべきなのか、そもそもなぜ学力を伸ばしてあげたいと思うのか、その部分を置き去りにして取られた対策としか思えません。
一昔前までは、補講が充実している、授業時間が長いで保護者は安心したかもしれませんが、そんな時代も終わりを迎えたのではないでしょうか?
授業時間を伸ばさずに学力を向上させるには?
そこが分かれば、多くの先生は苦労していないと思います。
ただ、体力も気力もない中で、必死に耐えながら受ける授業と、自分の進路や生き方に向けて、自分なりに努力をしながら向き合う授業とではどちらの方が学力は伸びると思いますか?
間違いなく後者になると思います。
そして、その学習こそが主体的・対話的で深い学びであり、共創していく学習につながります。
高等学校が新カリキュラムへと移行し始めている今、もう一度授業の時間の意味、そしてその先に何があるのかを考えるべきなのではないでしょうか?