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🕯️知っているお話をもう一回 これが安心するのです

ストーリーテリングのおはなし会では、みんながよく知っているお話をいくつか入れることが多いです。
・おおかみと七ひきのこやぎ
・赤ずきん
・花咲かじい
・桃太郎

本を読むときはいかがですか?
知らない本、新しい本を選びませんか?

見ることと、聞くことは違います。

気に入った歌は何度も聞き返すように、
気に入ったお話は何度も聞きたいものなのです。

初めて聞く歌よりもよく流れている歌に親しみを持つように、
耳は知らないものよりも、知っているものに安心するのでしょうか?
耳は危険を察知する器官でもありますものね。

知らないお話ばかりだと、ストーリーを理解することに神経を使うので疲れてしまいます。
知っているお話を挟むことで、ここは安心できる場所なのだと気が緩むのかもしれません。

これは大人も同じようで、大人のためのおはなし会でも定番のお話がない時は「知らないお話ばかりで面白かったけど、疲れた」という感想が返ってきました。

本を選び始めた子どもが同じ本ばかりを持ってきて「またこれか」と親が辟易するという話はよく聞きます。
子どもは本を読んでいるのではなく、聞いているのです。
本から知識を学んでいるのではなく、同じようになることを楽しんで安心しているのです。

だって、子どもは何も知らずに世の中に生まれ出てしまったのですもの。
どこが安全、安心か、探っていかねばなりません。

ストーリーテリングはお話を覚えて語ります。
よく知っているお話を、
何度も何度も音読し、
フレーズごとに分けてそらで言えるように何度も繰り返し、
お話を通して語れるように何度も何度も練習します。

「飽きませんか?」と聞かれることもあります。

飽きないのですよね、だって好きなお話ですもの。
「三匹のこぶた」は毎回オオカミをやっつけて幸せに暮らせてホッとするし
「桃太郎」は鬼どもやっつけてスッとします。

毎回、ちゃんと終わって安心します。

現実の世界では、政治に環境に経済問題と終わりが見えない不安はたくさんあります。だからこそ、終わりがある、終わりはよくなる、と身に染みこませることが大切なのです。
外の世界からの重圧に、内なる世界が負けないように。

昔話はおとぎばなし、夢物語で現実味がないという人もいます。
今でこそ昔話は本になっていますが、
昔話は字が読めない、字を書く機会もない人々が語り続けてきた物語です。
それも生活が豊かでなかった人々が紡いできたと言います。
昔話の語り手は、外の過酷な世界に負けぬように、内なる世界を磨いてきた強い人だったと聞きました。

子どもが知っているお話を何度も繰り返し、世の中は幸せに終わるようにできてると、語っていきたいものです。


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