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【お薦め❣️】辻仁成 5作品

辻仁成さんの作品のお薦め5冊を紹介します。 辻さんの作品をあまり読んだ事のない人も、この本はぜひ読んでみて下さい〰!! と思う本を選びました。

 

📚白仏

作者のお祖父様をモデルにして書いた本です。

誰もが 自分のルーツを知りたいと思う時期がある。辻さんもそう言う思いからこの本を書いたのだろうか。

筑後川下流の島に刀鍛冶の息子として生まれ、戦前、戦中、戦後の日本を生き抜いた主人公、稔。

家族の死、友達、初恋の人の死、殺めた死…
常に死と直面し、死の意味を模索してきた。その度に現れる 「白い仏」 を、晩年自らの手で造る事を決意する。そして今もその「思い」は存在しているという。

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※画像はトラベル.jpさんより

一面から見れば、人のお墓から人骨を掘り出して 仏を作るという話であるが、もう一つの側面からは主人公の醜い戦争への鎮魂の思いを書き上げた一冊です。

👑1999年 仏・フェミナ賞外国文学賞を日本人初受賞


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📚代筆屋

売れない作家が、手紙の代筆で依頼人の人生の助けをしていく話。依頼人の様々な背景を考えながら的確に書き出す言葉は 作者の文章力の凄さを感じる。
クリック一つでメッセージが届くこの時代だけど
手紙を書く、そしてそれを待つことに喜びを感じていた頃が懐かしい。読み終えた頃にはまた誰かに手紙を書きたくなる…そんな一冊です。

個人的に一番好きなのは 第三章『過去に囚われず、未来に縛られず』
老人から依頼された遺書の代筆。
自分の人生に何か意味を持たすとするならば、自分自身に向け、遺書を書く事なのかもしれない。このご老人の持つ孤独や切なさを、最後は感謝で綴った遺書が心に残った。



“何かを待つ、というのは大事なことだ。待っているものが来ると信じている間は不思議な程に力が湧く。手紙を待つ、という行為には生きる希望が潜んでいる。手紙を書くことには力がいるが、手紙によって勇気が生まれる。私はその力を信じてみたかった__。”  代筆屋より

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📚クラウディ

16歳、自らの命を断とうとした主人公、皮肉にもその日1976年9月6日 ソビエトのベレンコ空軍中尉の亡命により、一命を取り留める。
30歳を目前にし、東京の巨大な檻に閉じ込められ、踠き、平凡な日々からの離脱を夢見る青年たちの亡命劇の行く末は・・
作者も当時の戦闘機ミグ25が函館空港に降り立つ様を目の当たりにしている。


その時の事を記したブログ⬇️
https://www.designstoriesinc.com/jinsei/daily-2623-2/

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📚オルセー印象派ノート


『或る女の一生』
オルセー美術館の幾つかの作品の中で、辻さんがインスピレーションを受けた作品をモチーフに
ある女性の少女から大人の女性へと成長していく様を、小説にしてます。

この本でますますゴッホが好きになりました。

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※フィンセント・ファン・ゴッホ《星降る夜》1888年



後半は画家たちの軌跡や、夏目典子さんによる旅手帖などが記されてます。

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📚ミラクル 


優しい嘘の重なりが奇跡をもたらす心温まる話。

物心ついた時からパパと二人だったアルはママを探します。
「人間はずっとママに許されて生きていくんだよ」
「ユルシテクレルヒト。」


大人になると失ってしまうもの…そのものは人によって異なり、失った数だけ "大人になってしまった" ということだろうか。

読み終えた後、大切な人を抱きしめたい…と思わせてくれる、そんな本です。

長い年月を経て、design storiesから電子書籍化されました。


design stories books第二弾
小説「ミラクル」(電子書籍)Kindle版発売ブログ
https://www.designstoriesinc.com/other/design-stories-books2/


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いかがでしたか?

辻さんの作品はラブストーリーが強いイメージがあるかもしれませんが、純文学、児童文学、エッセイなど、多岐にわたり執筆してます。(あっ、ラブストーリーも勿論いいです(^_^;))

気になったら手にとって読んでみてください。😊


#辻仁成 #日記 #ブログ #エッセイ #犬 #読書

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