現状維持の本質と、イノベーションのジレンマの関係性
前回のnoteでは、私自身のコーチング宣言とともに、起業家、個人事業主、フリーランス、ビジネスパーソン、芸術家や音楽家にとって、重要な問題である「現状維持」についてお話をさせていただきました。
現状維持の本質とは?
今回は、その「現状維持問題」の本質と、イノベーションのジレンマとの関係性について、お話をさせていただきます。
「現状維持問題」を紐解くには、「現状とは何なのか?」ということに対して、正しい認識を持つところから始める必要があります。
みなさんにとって、「現状」とは、どのような状態でしょうか?
いまお勤めしていたり、経営している会社や仕事、フリーランスや個人事業主の方は現在提供しているサービス、芸術家や音楽家としての主たる活動、はたまた家族や友人関係。こんなことが思いつくかもしれません。
もちろん、それが現状であることは間違いありません。ただ、認知科学に基づくコーチングでは、現状とはもっと広い解釈で捉えます。
十分に起こりうる未来はすべて現状
認知科学に基づくコーチングでは、現状のことを、「現在の状況のままいけば十分に起こりうると予想される未来」と定義しています。
これはかなり広い解釈です。
例えば、今年、売上10億円だった会社が、「来年は20%成長して、売上12億円を目指すぞ!」も現状です。新卒の社会人が自分が入社した会社で、「出世して部長になるぞ!」も現状です。月間で1,000万円を稼ぐデイトレーダーが、「月間1億円を稼ごう!」も現状なんです。
この「十分に起こりうると予想される未来」という定義より、あなたが「現実的に達成できるかもしれないと思う未来」はすべて現状、だといこうことになります。
これが、「現状維持問題」を理解する1つ目の手がかりです。
現状維持とビリーフシステム
現状が、「現在の状況のままいけば十分に起こりうると予想される未来」と定義されている以上、「現状維持」を脱却するためには、「現在の状況の延長では到底実現できない未来」を描いていかなければなりません。
だからと言って、いきなり、「じゃあ、年収を10億円にしよう」とか、「いまは社員が30人だけど、1万人を目指そう」とか、「憧れの芸能人と友達になろう」というような途方もない夢を設定しましょう、ということではありません。それは、ただの妄想です。
ここに、「現状維持問題」の本質に迫るポイントがあります。
私たちの日常は、マインド(脳と心)の働きに支配されて生きています。私たちが「自ら選択している」と考えているものの多くが、意識的・無意識的に寄せ集められた価値観の集合体によって、選択をされているのです。
認知科学に基づくコーチングでは、この価値観の集合体のことを「ビリーフシステム」と呼びます。ビリーフシステムについては、別の機会に細かく説明しますが、ここでは、あなたの信念を集めた信念体系のようなもの(正しくは自我)だと考えてください。
現状維持の脱却とはビリーフシステムを変更すること
あなたがいま考える十分に起こるうる未来とは、あなたの現在のものの見方に基づいて考えられています。逆に言えば、あなたが現在のものの見方を変更せずに起こりうると考える未来は、すべて現状だということです。
従って、この「現在のものの見方」を変更せずに目標設定を行って、それに向かって突き進めば突き進むほど、あなたは「現状維持問題」に深くはまっていくことになります。
あなたの周りに、「あの人はどんどん新しいことにチャレンジしているな」とか、「普通の人では想像もつかない目標を掲げて、達成していってしまうな」という人は、ものの見方を変更していくことが上手な人なのかもしれません。
コーチングでは、このことを「ビリーフシステムの書き換え」と呼んでいます。
アインシュタインが残した言葉に、「 常識とは、18歳までに積み重なった、偏見の累積でしかない。」というものがあります。まさに、私たちは、これまでの人生で経験してきた様々なものがビリーフシステムとして無意識レベルに書き込まれているわけです。
認知科学に基づくコーチングでは、独自のアプローチを用い、このビリーフシステムの書き換えを行いながら、あなたの想像を超える未来を創っていくのです。
イノベーションのジレンマの本質
これまでのところを読まれてきたあなたなら、イノベーションのジレンマの本質に、薄々気がついてきているかもしれません。
そう、イノベーションのジレンマの本質とは、組織レベルで固定化されたビリーフシステムから脱却できないことなのです。
既存のビジネスの調子が良ければ良いほど、組織が大きくなればなるほど、「今のやり方が合っている、正しい」という成功体験が積み重なり、やがてそれは無意識レベルのビリーフシステムとして組織を蝕んでいきます。
将来的に自分たちの脅威となる存在が現れ始めているにも関わらず、固定化されたものの見方により、そのような破壊的な競争相手の存在を無視したり、軽視したりしてしまうのです。
だからこそ、戦略人事では、新規事業開発を行うときに、既存のビリーフシステムからできる限り遠ざけるために、部門の管轄をわけ、働くオフィスさえべつにしたほうが良い、と推奨するわけです。
いかがでしたでしょうか?現状維持問題の本質や、イノベーションのジレンマとの関係性について、新しい発見があったり、これまでよりも深い理解が得られていたら幸いです。認知科学に基づくコーチングでは、このような問題に対して、科学的にアプローチを行っています!
コーチング依頼
このようなイノベーションの創出、自己革新、現状維持の突破に関する再現性を高めるため、私自身にも時間に限りはありますが、コーチングを通じて支援を行っています。
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