【社会科】小選挙区制って何だろう?模擬投票から選挙制度を考える
どうも。いかたこです。
中学校で社会科の教員をしています。
noteでは、授業がより楽しくなるアイデア(授業のタネ)を発信しています。
今回の授業のタネは、選挙制度についてです。
例えば、日本では、小選挙区制や比例代表制などが採用されています。
ですが、これらの制度はとても複雑で、理解するのはなかなか大変です・・・
特に、生徒たちはまだ選挙に行ったことがありません。
やはり、選挙を経験せずに選挙制度を理解するのは難しいようです。
それなら、模擬投票を通して選挙制度について学習すればいいのでは?
主権者教育の一環として、大がかりなイベントのイメージがある模擬投票ですが、もっと気軽に授業に取り入れられたら、生徒の学びを深めることができると思います。
というわけで、選挙制度の学習の中に、模擬投票を取り入れてみました。
以下では、授業のタネの詳しい内容を記載しています。
よろしければ、最後までご覧ください。
日本の選挙制度
日本の国政選挙では、2つの選挙制度が併用されています。
例えば、衆議院選挙では、小選挙区制と比例代表制が採用されています。
む、むずかしい・・・(^0^;)
選挙に行ったことがある人からすると、「あれのことだな」と自分の経験と結びつけることができます。
しかし、選挙に行ったことがない生徒からすると、やっぱり複雑に感じてしまうと思います。
そもそも、1回の選挙で小選挙区制と比例代表制の2つ投票するということを知らない生徒も多くいます。
*衆議院選挙の際には、最高裁判所裁判官の国民審査の投票も行われます。
授業の流れ
衆議院選挙をもとに、以下の流れで模擬投票を行いました。
① 架空の候補者A・B・Cの公約を紹介(画像1)
② 小選挙区制の投票
③ 当選者の発表
④ 架空の政党A・B・C党の公約を紹介(画像2)
⑤ 比例代表制の投票
⑥ 各党の議席数の発表
⑦ 小選挙区制と比例代表制の解説
*各候補者・政党の公約は、直近の国政選挙での各候補者・政党の公約をもとに作成しました。
投票は時間短縮のためタブレットを用いて行いました。
私のいる中学校では、ロイロノートを使っているため、それぞれが投票したい候補者・政党の色のカードを作成し、提出してもらいました。
提出BOXをスクリーンに映すことで、一目でA・B・Cのどれが多いか分かるようにしました。
生徒の反応
選挙において、投票用紙が2枚あることに驚いている生徒が多かったです。
模擬投票を通して選挙制度について理解を深めてくれました。
また、小選挙区制の投票の際には、
「これじゃあ、少数意見が反映されない!」
という声も出てきていました。
自分たちで投票を行ったことで、各選挙制度の長所・短所について気づくことができたのは、とてもよかったです。
注意点
やはり、投票ですので匿名で行われることが大切だと思います。
また、模擬投票では、比例代代表制の短所が見えにくいため注意が必要です。
比例代表制の短所は、「小党分立や政局の不安定につながる可能性もある」ということです。
模擬投票では、少数意見が反映されやすいという比例代表制の長所が目立ってしまうため、短所についてもしっかりと説明する必要があります。
まとめ
以上が、模擬投票を取り入れた選挙制度の学習です。
授業に模擬投票を取り入れることで、生徒の興味をひくだけでなく、選挙制度を理解しやすくすることが可能です。
今回は、例として小選挙区比例代表並立制を取り上げました。
他にも、比例代表制の拘束名簿方式・非拘束名簿方式の学習や、他国の選挙制度の学習の際にも、模擬投票を活用することで、生徒の理解を深めることができると思います。
授業をより楽しくするためのアイデアとして、取り入れていただければ幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
今後も授業のタネを発信していきます。お楽しみに。