[ブロードウェイ感想] Beetlejuice
概要
つい最近日本でも公演されていた、ティムバートンの同名映画がベースのミュージカル。ツアー公演をボストンで観ました。ビートルジュースという孤独なトラブルメーカー、今一つ決断力がない幽霊夫妻、自分の世界でいっぱいの父親とその新しいパートナー、といった残念な大人たちを半面教師にしながら、また、彼らと協力しながら、主人公の女の子が母親を亡くした欠落感を克服し、成長していく物語。ビートルジュースが色んな謎の死者ルールを使った悪だくみで終始ひっかきまわすので、展開がわりと複雑怪奇な印象。ティムバートンワールドのダークなネタが満載。
好きなところ
美術。ティムバートンの世界が三次元になった!!というワクワク感。ビートルジュースのキャラデザインもさることながら、写真のとおり、入ったときからもうエキセントリックなライトと音楽で別世界。ビートルジュースの増殖とか2幕のワームの大道具とか、リアル世界と死後の世界のコントラストも映像じゃない形で体感できる嬉しさがある。衣装もコントラストが効いていて楽しい。リディアがゴシック調の喪服(レースたくさんで超可愛い)から真っ赤なウエディングドレスになるのはとりわけ鮮やかで大好き。
そのクセの強い美術に負けない安定感のあるパワフルな音楽と歌詞。リディアの歌声がまたまっすぐで、自分もあの中の一人としてどうにかしてこの子を励ましたい、ってなる。ということでデリア(父親の新パートナー)の空回り感が愛おしい。
観客との一体感。ビートルジュースをフィーチャーした白黒ストライプスタイルやグリーンの髪の毛、ゴシック調の衣装など、男女比同じくらいでコスプレを楽しむ人もたくさん。ビートルジュースのアドリブも多く、客席の反応を求められることも。ちょっとどうかな、という感じでちらっと政治ネタをぶっこんできた(観客爆笑)のも楽しい。
これから観る方へ
席のこだわりはないような気がします。センターでやはり大きく動くので一階席とか真ん中の方が迫力があるかな、とは思うものの、写真のような角度でも見えなかったなーという感じはしませんでした。
ネタバレが極端に嫌でなければ休憩中に2幕のストーリーを確認しておくのがおすすめです。展開の早さ・舞台の動きに圧倒されるうちに若干迷子になる可能性も。
ティムバートン好きならグッズ必見です。ガシガシフォントと蛍光グリーンが映えるシンプルでも主張が強い素敵デザインがいっぱい。これまで観た中では一番グッズが世界観とリンクしている気がする。