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菠薐草について

こんにちは。ictmと申します。
立春を過ぎたので今回から春の季語を紹介いたします。
私は、春の季語であるほうれんそうのおひたしが好きです。

今回は、角川学芸出版編『俳句歳時記第五版春』
角川学芸出版、2018年
190頁以下191頁に載っている「菠薐草」という季語について
紹介いたします。

「西アジア原産アカザ科の一・二年草。葉を食用にする。
ビタミンに富み、さまざまに調理される。在来種は江戸時代に中国から伝わったもので、
秋に蒔き冬から春にかけて収穫する。

明治以降に伝わった春蒔きの西洋種もある。

昨今は一年を通じて入手できるので、季節感が乏しくなった野菜のひとつ。」

次に「菠薐草」という季語が
使われている俳句を紹介いたします。

「菠薐草スープよ煮えよ子よ癒えよ」

西村和子が作った句です。

今から句に対する私の推測を書きます。
全体として作者は、病気か、けがか体調を崩してしまった我が子に
自身の作る菠薐草スープを食べて元気になってほしいとの願いが
込められているのではないかと思います。
この句の切れ字の「よ」には、菠薐草スープよ早く煮えてくれと
呼びかけたい気持ちや、我が子の回復を強く願い
口に出したい気持ちを込めていると考えました。
私は、作者が菠薐草の生命力と
我が子の回復への強い願いを重ねていると感じます。

最後に私が、「菠薐草」という季語を
使って作った句を紹介いたします。

「食卓のすみに少しのほうれん草」
この句は、ほうれん草のおひたしがおいしく量としては少なかったけれど
存在感があった事を句にしたものです。

主観と客観の間の表現を模索していきたいと思います。