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まいにち無職#1「無職、フルスロットル」

8月1日、私は無職になった。
今日から、なにかしら仕事を始めるまで、「まいにち無職」という日報を書こうと思う。
無職になると、仕事という1日の8割を占めていたやるべきことが無くなる。
そのため、私は無職期間に「やるべきこと」を設けることにしたのだ。
しかしこれは義務ではなく、ただ自分の日々の安定を保つためのものである。
無職になる、という大きな変化に伴い、生活リズムが崩れないようにするためのもの、という感覚だ。
元々私はだらけるような性格ではないが、何かやることがあった方が、日々の生活にメリハリが出ると考えた。

例えば今日1日を振り返って、あんなことやこんなことをやった、と書けば、ああ、私は今日こんなにもいろんなことをやったのか、と自己肯定感にも繋がる。
逆に、たくさんのことをやり過ぎて疲れてしまったな、少しペースを落とそう、と反省することもできる。
要するに、客観的に自分を見ることが可能になる。

最近、日記形式のエッセイをいくつか読んだので、それに影響を受けているのもある。
流れるように日々を過ごすのもいいけれど、こうして残しておけば、後から振り返ることができるのも魅力だ。
無職期間というある意味レアな期間を有効活用し、毎日更新の日報を書こうと思った。
長くなる日や短くなる日もあると思うが、気が向いたら読んでくれたら嬉しい。

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今日は役所に行きたかったのだが、昨日退職したばかりなので、様々な書類がまだできていないようだった。
病院に行く予定があるので、早めに国民健康保険に加入したいのだが仕方なし。
朝から役所に行くという用事が無くなった。
というわけで、曇天の中久しぶりに海へ向かった。

8月になったのにも関わらずじめじめしていたけれど、波の音が心地よく、私はしばらくベンチに座っていた。
朝からスタッフの方がゴミ拾いなどしていて、頭が下がる思いである。
こうして綺麗な海がキープされているわけか。

そのままブックオフへ向かい、本を5冊ほど購入した。
大好きな作家さんである山本文緒さんの小説を3冊と、星野源さんのエッセイを1冊、昔よく読んでいた朝井リョウさんの小説を1冊。
ほくほくとした気持ちで帰宅する。
デスクワークから解放され、歩くのが大好きな私は1日10,000歩を目標に今日もたくさん歩いた。
しかし、明日から暑くなる予報なので、無理せずにいきたいところである。
途中、セブンイレブンにて大好きな干し芋も購入。

昼になると空はすっかり晴れ模様に変わっていた。
帰宅して、蕎麦の準備をする。
無職だと、当たり前だが時間がたっぷりあるので、ゆったりと昼食作りができる。
昆布と鰹節で出汁を取って麺つゆを作り、蕎麦を茹で、今日はきのこをメインにトッピング。
出汁を取った後の昆布は佃煮にしてみた。
夏こそ身体を温めねばと思い、今日は暖かい蕎麦にした。
その後勢いでオートミールとココアのノンオイルクッキーを作り、(母の分も)紅茶と共におやつタイムとした。

午後は、ハローワークに電話をかけて失業保険のことを尋ねたり、早速、これから挑戦しようと思っているリゾートバイトの派遣会社に登録したりした。
電話は苦手だが、親切な人ばかりでホッとした。
やっぱり話す時に顔が見えないのは怖いし、不安になる。
心臓は無駄にバクバクするし、呼吸が浅くなっていることに気付く。
深呼吸、深呼吸。
派遣会社は、とりあえず評判の良いところを2つ登録してみた。
どちらからも求人をメールで送ってもらい、気になるものがあればまた電話。
電話三昧である。
今日は張り切り過ぎて、なんだか少し疲れてしまった。
無職初日から、フルスロットルだ。
本当は夜、趣味でやっているスポーツをしに行こうと思っていたのだが、気力がないのでやめた。
無理して行って怪我でもしたら元も子もない。

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記念すべき無職初日が終わる。
いやはや、充分過ぎるほどの進捗である。
やはり、真面目で頑張り屋というねっからの性格が影響しているようだ。
ついつい頑張り過ぎてバタンキュー、という風にならないように、今日の夜はゆっくりと過ごそうと思う。
仕事終わりと母とおしゃべりでもしよう。
明日は、メールで送ってもらった求人を見て、昼はまた好きなものを作り、午後は行きつけのブックカフェで絵を描いて、帰りに花でも買って帰ろうか。
つくづく、じっとしてはいられない性分である。
今日は本当にお疲れ様、私。

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