ハリマヤイチゾウ

雑文の避難所になる予定でしたがしばらくX(Twitter)は続きそうなので 当面は大正…

ハリマヤイチゾウ

雑文の避難所になる予定でしたがしばらくX(Twitter)は続きそうなので 当面は大正琴についてのメモ置き場として運用予定

記事一覧

大正琴のドローン弦(開放弦)の調律

60年代ごろの大正琴の楽譜をめくっていると、その曲のスケール(調)ごとにドローン弦のチューニングを変えることが推奨されている場合があります。大正琴と似たような発想…

中古(ジャンク)コーナーの常連大正琴たち その3

SUZUKI(鈴木楽器製作所)|電気「桐」令和の現在、「一般人がもっとも大正琴に触れやすい場所」となっているリサイクルショップ(ハードオフなど)の中古(ジャンク)楽…

大正琴の弦の太さ(ゲージ)のメモと代替策のための換算表 その2(ライトゲージ採用機種/ベース大正琴の場合)

以前、ソプラノ大正琴とアルト大正琴について80年代の説明書をもとに弦の太さ(と長さ)とその代替案について記事を書きましたが、今回はそのライトゲージ採用の大正琴(SU…

大正琴『菊八重』(琴生流菊八重会/ふそう楽器)概略とその種類について

琴生流菊八重会は大正琴の全国組織を持つ流派(教室)としては後発(1981年結成)でしたが、勢力的な活動とピックアップを通さない生音の響きにこだわった独自の大正琴『…

大正琴弦とエレキギター弦の簡易換算表

さっそくさっきの記事の次回予告を裏切りますが、前回の大正琴の弦の太さ(ゲージ)についての記事を踏まえて、自分用としても換算表が必要だと感じられたのでソプラノ(5…

大正琴の弦の太さ(ゲージ)のメモと代替案に向けての覚え書き

前回の記事を書いてからちょっと間が開いてしまいました。現時点で公開しているのは6記事ですが、編集中・書きかけの記事は10以上あるという状況で、そのまま放置とな…

大正琴と数字譜(とか)のおはなし

大正琴の楽譜にはいまでも一般的には0・1・2…といった数字で表す数字譜が用いられるようです。 この数字譜は文字譜の一種で大正琴専用の楽譜という訳ではなく、日本でも…

中古(ジャンク)コーナーの常連大正琴たち その2

SUZUKI(鈴木楽器製作所)|桐令和となっていまや「一般人がもっとも大正琴に触れやすい場所」となっているリサイクルショップ(ハードオフなど)の中古(ジャンク)楽器…

YAMAHA製大正琴の型番について

YAMAHA(ヤマハ)は大正琴メーカーとしては最後発(令和5年末現在)だったと思われますが、世界的楽器メーカーが手がけただけあってその琴はとてもよいつくりで、中古で…

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中古(ジャンク)大正琴を手にする際に気をつけたいこと

▶ そもそも中古(楽器店以外)で楽器を買うべきではありません。少なくとも最初の一台はいきなりちゃぶ台をひっくりかえしますが基本的に「中古(楽器店以外)で楽器を買…

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中古(ジャンク)コーナーの常連大正琴たち その1

SUZUKI(鈴木楽器製作所)|砂丘 ソプラノ▶ 中古(ジャンク)コーナーの常連機種 さて、ごあいさつを終えたあとの第2回目ということで、いまや考えようによっては「一…

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唐突ですが大正琴の話を始めます

なんでいまさらタイショゴト?唐突ですが「大正琴」といったら、みなさんどんなイメージをもたれるでしょう?ハードオフのジャンクコーナー常連の楽器?それともおばあち…

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大正琴のドローン弦(開放弦)の調律

大正琴のドローン弦(開放弦)の調律

60年代ごろの大正琴の楽譜をめくっていると、その曲のスケール(調)ごとにドローン弦のチューニングを変えることが推奨されている場合があります。大正琴と似たような発想の楽器は世界中にあるのですが、ドローン弦の鳴りを活かすなら当然でてくる発想なのでしょう。ただ、大正琴ではほぼ忘れられたアイディアです。

これはやはり昭和末期の大正琴ブームのなかで大正琴の楽しまれ方がアンサンブル(=合奏)に進んだ結果なの

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中古(ジャンク)コーナーの常連大正琴たち その3

中古(ジャンク)コーナーの常連大正琴たち その3


SUZUKI(鈴木楽器製作所)|電気「桐」令和の現在、「一般人がもっとも大正琴に触れやすい場所」となっているリサイクルショップ(ハードオフなど)の中古(ジャンク)楽器コーナー常連の機種紹介の3回目。前回紹介したSUZUKI(鈴木楽器製作所)「桐」のエレアコ版「電気 桐」です。

なんと未使用のデッドストック品です。これもすでに生産完了品です。「桐」と同じく1990年代に入るタイミングでカタログ落

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大正琴の弦の太さ(ゲージ)のメモと代替策のための換算表 その2(ライトゲージ採用機種/ベース大正琴の場合)

大正琴の弦の太さ(ゲージ)のメモと代替策のための換算表 その2(ライトゲージ採用機種/ベース大正琴の場合)

以前、ソプラノ大正琴とアルト大正琴について80年代の説明書をもとに弦の太さ(と長さ)とその代替案について記事を書きましたが、今回はそのライトゲージ採用の大正琴(SUZUKIと琴城流の一部)とベース大正琴版です。ライゲージは琴城流の専用琴の説明書に、ベース大正琴はスズキの80年代の説明書(砂丘シリーズ)によります。

まずライトゲージ大正琴(スズキ桂など)の場合のゲージ(弦の太さ)です。

▶ ライ

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大正琴『菊八重』(琴生流菊八重会/ふそう楽器)概略とその種類について

大正琴『菊八重』(琴生流菊八重会/ふそう楽器)概略とその種類について


琴生流菊八重会は大正琴の全国組織を持つ流派(教室)としては後発(1981年結成)でしたが、勢力的な活動とピックアップを通さない生音の響きにこだわった独自の大正琴『菊八重』で気を吐いた流派です。一時は会員6万人を抱え、大正琴ブームが後退局面に入った平成22年でも会員3万人、講師約600名弱を数えていたといいます。

・Wikipedia(ja)- 琴生流菊八重会

琴生流を率いた家元(加藤昭代)の

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大正琴弦とエレキギター弦の簡易換算表

大正琴弦とエレキギター弦の簡易換算表

さっそくさっきの記事の次回予告を裏切りますが、前回の大正琴の弦の太さ(ゲージ)についての記事を踏まえて、自分用としても換算表が必要だと感じられたのでソプラノ(5弦)、アルト(6弦)大正琴とエレキギター用弦の換算表を作製しました。

まず、ソプラノ・アルト大正琴(アコースティック・エレアコ)の弦の太さを再掲します。ただし、これがSUZUKI製大正琴のデータで80年代のものであることは留意が必要です。

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大正琴の弦の太さ(ゲージ)のメモと代替案に向けての覚え書き

大正琴の弦の太さ(ゲージ)のメモと代替案に向けての覚え書き


前回の記事を書いてからちょっと間が開いてしまいました。現時点で公開しているのは6記事ですが、編集中・書きかけの記事は10以上あるという状況で、そのまま放置とならないよう少しずつしあげていきたいとは思っています。

さて、バイオリンの弓弾きかストラト型ヘッドの大正琴の話題を、という予告を全部うっちゃって小さなメモ書きを一つ。ただ、将来的には、この先で大正琴を弾いてみたいと思いたった方の助けになる記

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大正琴と数字譜(とか)のおはなし

大正琴と数字譜(とか)のおはなし


大正琴の楽譜にはいまでも一般的には0・1・2…といった数字で表す数字譜が用いられるようです。

この数字譜は文字譜の一種で大正琴専用の楽譜という訳ではなく、日本でも一時期はかなり普及していた楽譜でした。それを大正琴が採用した、それが当時自然だった、といった方が正確でしょうか。

▶ Wikipedia(ja) - 数字譜

数字譜とはどんなもの?大正琴の楽譜を開くと、1・2・3…と数字が並んでい

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中古(ジャンク)コーナーの常連大正琴たち その2

中古(ジャンク)コーナーの常連大正琴たち その2


SUZUKI(鈴木楽器製作所)|桐令和となっていまや「一般人がもっとも大正琴に触れやすい場所」となっているリサイクルショップ(ハードオフなど)の中古(ジャンク)楽器コーナー常連の機種紹介の第2回目です。

今回はSUZUKI(鈴木楽器製作所)の「桐」を紹介します。

▶ 諸元

種別:ソプラノ大正琴(5弦)
音域:下5~上6#(G3~A5#) 27鍵
素材:木部/総桐 絃/スチール
寸法(cm)

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YAMAHA製大正琴の型番について

YAMAHA製大正琴の型番について


YAMAHA(ヤマハ)は大正琴メーカーとしては最後発(令和5年末現在)だったと思われますが、世界的楽器メーカーが手がけただけあってその琴はとてもよいつくりで、中古での流通状況をみていてもそれぞれの機種がかなりの台数が売れたのだろうということが伺えます。

現行品はTH-15(アコースティック)とTH-15E(電気大正琴・エレアコ)ですが、既に生産完了品で市場在庫のみになっていると思われます。

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中古(ジャンク)大正琴を手にする際に気をつけたいこと

中古(ジャンク)大正琴を手にする際に気をつけたいこと


▶ そもそも中古(楽器店以外)で楽器を買うべきではありません。少なくとも最初の一台はいきなりちゃぶ台をひっくりかえしますが基本的に「中古(楽器店以外)で楽器を買うべきではありません。少なくとも最初の一台は」。ましてジャンクでというのは避けた方がよいでしょう。

これだと話が終わってしまいますし(あとで書くように)そうとばかりもいってられないのも確かですが、頭の片隅には置いておいた方がよい原則だと

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中古(ジャンク)コーナーの常連大正琴たち その1

中古(ジャンク)コーナーの常連大正琴たち その1


SUZUKI(鈴木楽器製作所)|砂丘 ソプラノ▶ 中古(ジャンク)コーナーの常連機種

さて、ごあいさつを終えたあとの第2回目ということで、いまや考えようによっては「一般人がもっとも(そしてたくさんの)大正琴に触れやすい場所」ともなっているリサイクルショップ(ハードオフなど)の中古(ジャンク)楽器コーナー常連の機種を紹介して、そのあとそこに並んでいる大正琴を手に取る際に気をつけたいポイントなどを

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唐突ですが大正琴の話を始めます

唐突ですが大正琴の話を始めます


なんでいまさらタイショゴト?唐突ですが「大正琴」といったら、みなさんどんなイメージをもたれるでしょう?ハードオフのジャンクコーナー常連の楽器?それともおばあちゃんたちがグループで合奏しているイメージ?

でも、どうやらそもそも大正琴という楽器自体が今やほとんど知られていないらしい。身の回りで聞いてみたところ、40代後半から50代に入るあたりに境目がありそうです。それ以上だと自分が弾くかどうかは別

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