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「深い学び」とは~

■問い

生徒の思考を高め,深い学びに導く上で最も重視するのが,洞察を促す「問い」である。一般的に「AならばBである」は順思考と呼ばれ,それを深く吟味したり,多様な観点から解釈するプロセスが失われたりすることがある。そうならない「問い」で思考を深めていかなくてはならない。

「問い」の代表的な形式は「~にもかかわらず,○○なのはどうしてか」。
例えば,国語の教材によく取り上げられる「羅生門」では,「芥川龍之介は大正期の作家であるにもかかわらず,なぜ小説の舞台に平安時代を選んだのか?」という「問い」によって創作動機を深堀りすることができる。ただのスキルの習得でなく,本質を考える上で効果的である。

他にも,「○○ということは知っていますね。ところで,そもそも○○は何のためにあるのでしょうか?」。
この「問い」は,物事の本質や根源的な意味を問い直すときに効果的である。例えば,「18歳以上の人に選挙権が与えられました。ところで,そもそも選挙制度にはどんな意味があるのでしょうか?」のような「問い」になる。

また,「○○といった状況があります。そこで改良してみたいのですが,どんなことが考えられますか?」。
この「問い」は,どんなところに問題があるのかという問いを前提として含んでいる。

さらに,逆説的問いかけは,よく行う形式である。「この場合,なぜそうでなければならないのか?」という「問い」である。
これは洞察を促すのに大変効果的である。

そして,「もしそうでないなら(if not),どうなるでしょうか?」という「問い」は,既存のことだけではなく,新たに生み出したり,比較検討したりするものになる。

最近の入試では、このような問いかけに,自分の考えを記述する問題がある。つまり,生徒がもっている知識をもとに肯定的に思考が働く状況をつくり,思考を深めていくことを促していくことが入試対策にもつながる。


■アクティブラーナーの育成には

主体的に学習する「アクティブ・ラーナーの育成」は,本校においても重点目標の一つになる。世間的にも,そうした流れで教育改革が進められている。そして,そこで問われているのが,私たち教師の意識の改革である。

「教師=教える役割」から脱し,教師自らまず率先してアクティブ・ラーナーになるという意識が必要となる。それは,地産地消の校内研修等,現場主導で主体性を重視した学びのコミュニティをどんどん創っていくことが,アクティブ・ラーナーの育成になると考えている。そのプロセスからアクティブ・ラーナーが生まれると思っている。今の教育改革の激流にただ流されて,飲み込まれないためにも,私たちはアクティブ・ラーナーでなければならない

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